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インプラント治療 2021/02/20

前歯のインプラント治療は審美性が重要

前歯のインプラント治療は審美性が重要

インプラントは、基本的にどの部位にも適応できる素晴らしい治療法です。特に、前歯は高い審美性が要求される部位なので、インプラントの優れた点が際立ちやすいです。ここではそんな前歯のインプラントの特徴についてわかりやすく解説します。

前歯のインプラントで重視したいポイント

失った前歯をインプラントで治療する上では、以下のポイントが重視されます。

審美性

前歯は、その位置関係上、最も目立ちやすい歯といえます。前歯が変色していたり、少し欠けていたりするだけでも、口元の審美性は大きく低下します。それは治療によって装着する人工歯によっても左右されます。
インプラントはもともと審美性の高い治療法ですが、前歯ではより高度な審美的処置が必要となります。つまりは、より美しい素材を選び、残存歯や歯茎との調和にも細心の注意を払わなければなりません。

骨の厚み

私たちの顎の骨は、奥歯の部位と比べると、前歯周囲の方が薄い傾向にあります。骨の厚みはインプラントの可否の決定や仕上がりにも大きく影響するものであるため、前歯の治療で重視されるポイントのひとつです。
骨の不足量が大きくなければ、骨造成などの処置を施すことで前歯のインプラント治療も可能となります。

前歯のインプラントの注意点

前歯のインプラントには、奥歯の治療とは異なる注意点があります。

前歯のインプラントの注意点

歯が抜けたら早めに治療する

前歯が埋まっている骨は、歯が抜けた後の骨吸収(骨が痩せること)が早く進む傾向にあります。その結果、インプラントはもちろん、その他の治療も難しくなっていくことから、抜けたら早めに歯医者さんを受診することが大切です。

歯茎が痩せたら接合部が見える

これはインプラントに限ったことではありませんが、加齢や歯周病などによって歯茎が痩せると、人工歯の根元の部分が露出するようになります。インプラントであれば、アバットメントやフィクスチャーのといった上部構造を支える部分です。
これらは通常チタンで製作されており、歯茎の退縮によって金属色が目立つようになります。そうした現象は前歯で起こりやすく、なおかつ審美性の低下も著しいため注意が必要です。

前歯にふさわしいのはインプラント、ブリッジ、入れ歯?

審美性や機能性、耐久性に優れたインプラントは、前歯にふさわしい治療法です。ただ、ブリッジや入れ歯にもインプラントとは異なるメリットがあります。ここでは3つの治療法のメリット・デメリットを簡単にご紹介します。

インプラント

■メリット
① 審美性が極めて高い
インプラントは、人工歯根、アバットメント、人工歯から構成されており、天然歯とほぼ同じ形態をとっています。歯を失った場所に、同じ形をした装置を設置するのがインプラント治療の特徴です。余計なパーツが付随しておらず、限りなく元の状態に近い形で欠損部を治療することが可能なのです

② しっかり噛める
人工歯根があるため、食べ物をしっかり噛むことができます。特に前歯の「噛み切る」機能を回復させることが可能です。前歯は見た目だけではなく、咀嚼における重要な機能を担っていることも忘れてはいけません。

③ 顎の骨が痩せていかない
インプラントの前歯でしっかり噛んでいれば、顎の骨に適度な刺激が加わり、骨吸収が起こりにくくなります。前歯の骨は、噛んだ時の圧力が加わらなくなると、どんどん痩せていきますが、インプラントはその予防策にもなり得るのです。

④ 寿命が長い
インプラントの寿命は、その他の治療法よりも明らかに長いです。治療から10年経過しても問題なく機能しているケースが大半といえます。
前歯は高い審美性が要求される部位でもあるので、可能な限り治療のやり直しは避けるべきだといえますその点において、寿命が長いのは非常に大きなメリットといえます。

⑤ 治療に伴うトラブルが少ない
これは奥歯のインプラントと比較した場合のメリットとなりますが、前歯のインプラントでは、「上顎洞へ穴が開く穿孔(せんこう)」や「下歯槽動脈・神経の損傷」といったリスクがほとんどありません。施術時に気を付けるべき解剖学的構造がほとんどないことから、比較的安全に手術を行うことができます。

■デメリット
① インプラントの接合部が露出することがある
上述したように、歯茎が下がるとインプラントの接合部が目立つようになります。もちろん、定期的なメンテナンスを受け、適切なケアを実施していれば、歯茎の退縮を軽減することはできますが、アバットメントやフィクスチャーの金属色が露出するリスクは必ず付随します。

② 保険が適用されない
インプラント治療は、原則的に保険が適用されません。保険診療のブリッジと比較すると、治療にかかる費用が高くなります。

③ 定期的なメンテナンスが不可欠
定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎やインプラントの故障、不具合を招きやすくなります。10年、20年と使い続けていくためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
とはいえ、数ヶ月に一度の受診であり、メンテナンスにもそれほど長い時間はかからないので大きなデメリットとは言い難いです。

④ 治療期間が長い
インプラント治療には、人工歯根の埋入手術を伴うため、治療期間が数ヶ月に及びます。治療期間を短縮させる方法は多々ありますが、それでも保険診療のブリッジや入れ歯より長い期間を要します。

ブリッジ

■メリット
① 保険が適用される
審美性や機能性を追求しなければ保険内で治療を受けることができます。審美性の高いオールセラミックを選択する場合は、保険適用されませんので要注意です。

② 治療期間が短い
ブリッジの治療期間は、1~2ヶ月程度です。使用する素材や選択する治療法によっても異なりますが、インプラントよりは短い傾向にあります。

③ 手術が必要ない
ブリッジの治療では、支台歯となる両隣の歯を削る必要がありますが、インプラント治療のような外科手術は不要です。手術を受けるのがどうしても怖い、不安だ、という方には大きなメリットといえます。

■デメリット
① 健康な歯を大きく削る
ブリッジの最大のデメリットは、両隣の歯を大きく削らなければならない点です。私たちの歯は一度削ってしまうと、元には戻りません。とりわけ、健康な前歯を大きく削ることに抵抗を感じる人は少なくありません。この点は治療前にしっかり理解しておく必要があります。

② 土台の金属が目立つようになる
保険診療のブリッジでは、費用は安いものの金属製の土台を構築しなければなりません。加齢や歯周病によって歯茎が下がると、土台の金属色が目立つようになります。オールセラミックを選択すれば、この問題は解決できますが、費用は高くなります。

③ 顎の骨が痩せていく
ブリッジは、入れ歯と比較すると審美性に優れ、治療法や素材によっては天然歯に近い状態にまで回復させることはできますが、インプラントのような人工歯根が存在していません。つまり、どんなに見た目が美しくても、欠損部の機能は回復されず、顎の骨も経年的に痩せていきます。高い審美性が要求される前歯部において、これは非常に大きなデメリットといえます。

④ 清掃にしにくい 欠損部を補っているポンティックは、人工歯が歯茎の上に乗っかっている状態です。人工歯と歯茎の間に隙間があり、清掃性が悪く、不潔になりやすいです。デンタルフロスなどを上手に使わなければ、歯周病を誘発します。

入れ歯

■メリット
① 保険が適用される
入れ歯もブリッジと同様、保険が適用されます。その分、費用も安くなります。

② 治療期間が短い
保険診療の入れ歯の治療期間は、1~2ヶ月です。インプラント治療と比べると、短期間で治療を完了させることができます。

③ 外科手術が必要ない
入れ歯治療では、外科手術はもちろん、歯を大きく削る必要もありません。残った歯や顎の骨に大きな負担をかけたくない人にとって、非常に大きなメリットといえます。

④ 調整や修理が比較的簡単
入れ歯は、不具合や故障が生じた際の調整、修理を比較的簡単に行うことができます。これは着脱式の装置ならではのメリットといえます。

■デメリット
① 見た目があまり良くない
前歯の入れ歯ということは、「部分入れ歯」を製作することになります。部分入れ歯には人工歯以外にも歯茎の部分である義歯床、残存歯に固定するためのクラスプなどが付随しており、見た目があまり良くありません。とくに前歯においては審美性の確保が難しい治療法といえます。

② しっかり噛めない
入れ歯は、着脱式の装置です。残存歯にセメントで固定されているわけではないので、噛んだ時にズレたり外れたりすることもあります。前歯で食べ物を効率良く噛み切ることにも、あまり適していません。

③ 故障しやすい
入れ歯は、修理しやすいと同時に故障もしやすい装置です。ブリッジやインプラントと比較すると、寿命も短いです。

④ 顎の骨が痩せていく
入れ歯で噛んだ時の圧力は、残った歯や粘膜で負担します。顎の骨には刺激が伝わらず、経年的に痩せていきます。

⑤ お手入れが面倒 入れ歯は毎食後、取り外してお手入れする必要があります。入れ歯専用の義歯ブラシを使って、丁寧に磨かなければなりません。入れ歯洗浄剤による化学的清掃も必須となっています。

▶インプラント・ブリッジ・入れ歯の違いを項目別に比較して見たい方は「徹底比較!インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い」をご覧ください。

前歯のインプラントにふさわしい素材

前歯のインプラントにふさわしい素材は、生体親和性に優れ、なおかつ天然歯と同様の白色を呈しているものです。

前歯のインプラントにふさわしい素材

オールセラミッククラウン

セラミックのみで構成されたクラウンです。生体に安全で、天然歯の色や質感、透明度まで忠実に再現できます。歯科治療の中では最も美しい素材といえるでしょう。

ジルコニアセラミッククラウン

極めて高い強度を持つジルコニアに、艶のあるセラミックを焼き付けたクラウンです。強度および審美性に優れています。

ハイブリッドセラミッククラウン

セラミックとレジン(白いプラスチック)を組み合わせた材料です。審美性や機能性、耐久面において上記2つに劣りますが、費用は安くなります。経年的な変色や変質が起こるため、将来的には補修や再治療が必要となりやすいです。

前歯のインプラントの治療期間

前歯のインプラントの治療期間は、顎の骨の状態に問題がなければ3~5ヶ月程度です。顎の骨の状態があまり良くなく、骨を増やす手術が必要な場合は、5~7ヶ月程度かかります。治療期間は、症例によって大きく変動することから、まずは歯医者さんに相談することをおすすめします。

▶インプラント治療にかかる期間や時間の詳細は「インプラント治療にかかる時間と期間」をご覧ください。

前歯のインプラントの寿命

前歯のインプラントは、奥歯と同じように10年経過しても正常に機能しているケースがほとんどです。インプラントのメンテナンスを怠らず、プロフェッショナルケアとセルフケアを両立させれば、寿命も伸ばすことが可能です。

▶インプラントの寿命や長持ちさせる秘訣は「インプラントの寿命~長持ちさせる秘訣は?~」をご覧ください。

前歯のインプラントの費用の目安

前歯のインプラントでは、人工歯はもちろん、土台の部分まで審美材料を選択することから、費用が少し高くなります。費用の目安としては、40万円前後を考えておくと良いかと思います。ただ、ご存知のようにインプラントは自由診療であり、歯科医院によって価格に大きな開きが見られます。その点も踏まえ、事前にしっかり問い合わせておくことが大切です。

▶インプラント費用の相場や内訳を知りたい方は「インプラントの費用は1本いくら?値段の相場と歯医者さん選びのコツ」をご覧ください。

まとめ

このように、失った前歯を補う上では、高い審美性が要求されます。ブリッジや入れ歯は、比較的簡単に治療を進めることができますが、審美性の追求にはやや不適といえます。

その点、インプラントであれば単に美しいだけではなく、機能性にも優れた治療が可能となります。顎の骨が痩せていかない、という健康面も含め、前歯の治療には最適な人工歯といえます。ちなみに、前歯のインプラントには高い技術が必要なので、歯医者さん選びも慎重に行うことが大切です。

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■他のインプラント治療のコラム:https://teech.jp/column/inpurantochiryo
■インプラント治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/inpurantochiryo-interview
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▼このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています▼
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

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