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インプラント治療 2021/02/27

インプラント治療の安全性~5つの視点~

インプラント治療の安全性~5つの視点~

失った歯を天然歯に近い形で回復させたい、という方にはインプラントが第一選択となります。見た目はもちろんのこと、機能性や耐久性にも優れた治療法だからです。

ただし、外科処置が必須となることから、安全面に不安を感じている人も少なくありません。ここではそんなインプラント治療の安全性を5つの視点から解説します。

1.インプラントが人体に与える影響

インプラントと一般の歯科治療との決定的な違いは、“人工歯根の埋入”です。チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込むことから、人体に与える影響を憂慮している人もいることでしょう。
確かに、身体の中に異物を埋め込むともなると、拒絶反応など、有害な影響が生じてしまいそうなものです。けれども、実際はそんなことはありません。
なぜなら、金属の中でもチタンは生体親和性に優れた物質だからです。医科では、人工関節やペースメーカーを構成するパーツとして活用されており、その安全性も保証されています。 ただし、稀にではありますが、チタンで金属アレルギーが発症する体質の人も存在しています。

【チタンアレルギーが不安な人へ】
チタンによる金属アレルギーが不安な人は、インプラント治療を受ける前に、パッチテストや血液検査などを受けましょう。これらを皮膚科で受けることで、チタンに対するアレルギーがあるかどうかが判明します。チタンアレルギーが認められた場合は、その他の治療法を選択することとなります。

▶インプラント治療における金属アレルギーについて詳しく知りたい方は「金属アレルギーでもインプラント治療はできる?」の記事をご覧ください。

2.インプラントの治療法

失った歯を補う治療としては、インプラント以外にもブリッジ、入れ歯などの選択肢が用意されています。インプラントの安全性を不安視する人は、外科処置が必要ないブリッジや入れ歯に魅力を感じることかと思います。とはいえ、これらの治療法が完全に安全であるかというと、それも間違いといわざるを得ません。

インプラントは歯を削る必要がない

ブリッジを装着する場合、少なくとも2本の支台歯(両隣の歯)を大きく削らなければなりません。支台歯形成では、歯を大きく削り過ぎて、露髄(ろすい)するリスクがあります。露髄とは、歯の神経がむき出しとなった状態です。
きれいに形成できたとしても、大量の歯質を失うことに変わりはありません。 入れ歯治療では、クラスプ(留め金)を引っ掛ける部分やレストを固定する部分の歯質を少なからず削ります。一方、インプラントは独立した装置であり、残った歯の寿命を縮めるリスクが限りなくゼロに近いといえるのです。

インプラントは顎の骨を健康に保てる

ブリッジや入れ歯を使用していると、必ず“顎骨の吸収(骨が痩せること)”が起こります。歯を失った部分には、噛んだ時の力が加わらないため、顎の骨が退化していってしまうのです。顎骨が吸収していくと、歯並びや咬み合わせの異常、口腔機能低下のリスクが大きく上昇します。
インプラントでは、噛んだ時の力が人工歯根を介して顎の骨に伝わることから、顎骨の吸収を予防することも可能です。これも長い目で見れば、安全性に関わるポイントといえるのではないでしょうか。

▶インプラント、ブリッジ、入れ歯の特徴を比較しながら知りたい方は「徹底比較!インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い」の記事をご覧ください。

3.インプラント治療中のリスク

インプラントの安全性が気になる方は、手術中にどのようなリスクがあるのか知りたいことかと思います。

インプラント治療中のリスク

神経・血管を傷つける

■事象
下顎の奥歯のインプラントでは、すぐ近くに下顎管と呼ばれる重要な血管と神経を収めた管が存在しています。埋入処置を誤ると、これらの組織を傷つけてしまいます。その結果、術後の神経麻痺や術中の大量出血を招きます。

■予防策
事前に歯科用CTによる精密検査を行えば、下顎管の位置を正確に把握できます。そのデータをもとに、コンピューター上でシミュレーションすることで、安全な位置への埋入処置が可能となります。

上顎洞への穿孔(せんこう:穴があくこと)

■事象
上顎骨には、上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる大きな空洞が存在しています。埋入処置で人工歯根が上顎洞へと突き出てしまうと、感染のリスクなどが生じます。何より、人工歯根を固定することが困難となります。人工歯根が上顎洞へ穿孔した場合は、インプラント治療も失敗に終わります。

■予防策
上顎洞への穿孔も歯科用CTによる精密検査とコンピューター上でのシミュレーションによって予防することが可能です。

ドリルで骨が焼ける

■事象
人工歯根を埋め込む際のドリリングによって、顎の骨が焼けてしまうことがあります。その結果、顎骨に存在している細胞が死んでしまい、人工歯根と結合しなくなります。

■予防策
適切な速度で、ドリルを回すことが大切です。ドリリングの際の注水も欠かせません。インプラント治療に熟練した歯科医師であれば、犯すことのない過ちといえます。

▶インプラント治療におけるリスクを把握しておきたい方は「失敗することもある!?インプラント治療のリスク13例」の記事をご覧ください。

4.インプラントが受けられないケース

インプラント治療は、誰でも必ず受けられるというものでもありません。顎の骨の状態が悪く、人工歯根を埋入できないケースでは、その他の治療法が第一選択となります。
また、糖尿病を患っていて感染のリスクが高まっていたり、血が固まりにくくなる薬を常用していたりする場合もインプラント治療が適さないことがあります。
このように、受けられないケースが明確になっている治療方法なのです。懸念材料がある人はまず、歯医者さんに相談しましょう。

▶インプラント治療ができないケースを確認したい方は「インプラント治療ができない15個のケース」の記事をご覧ください。

5.インプラントの寿命・残存率

インプラント治療が安全であることがわかったとしても、寿命が短かったら受ける価値も半減してしまいます。ここではそんなインプラントの寿命や残存率について解説します。

10年残存率は95%

インプラントは、ほとんどの歯科医院で10年保証を付けています。治療後10年以内であれば、不具合が生じた際に無償で修理や治療を受けることができる制度です。
つまり、インプラントの寿命というのは、一般的に10年は保証されるものと考えらえます。実際、インプラントを埋入して10年経過した時点での残存率は、95%にまで達しています。
報告によって数値に多少の誤差はありますが、インプラントの寿命の目安として捉えて間違いはありません。

メンテナンスを受けることで寿命は延ばせる

10年後に残存しているインプラントが全体の95%に達するというのは、厳密には寿命を表しているわけではありません。
なぜなら、10年経過しても何ら問題なく機能していることを意味するだけで、本当の寿命はまだ先にあるからです。とくにメンテナンスをしっかり行っているケースであれば、20年、30年と使い続けることも難しくないのです。
ちなみに、インプラントが開発された当初に治療を受け、亡くなるまでお口の中で40年間、機能し続けたケースもあります。

ブリッジや入れ歯の寿命は?

ブリッジや入れ歯は、インプラントと比較すると明らかに寿命が短いです。一般的にブリッジは7~8年、入れ歯は5~6年が寿命といわれています。
つまり、失った歯をブリッジや入れ歯で補った場合は、数年後に再治療を余儀なくされるケースがほとんどなのです。もちろん、お口の状態やメンテナンスの状況によっては寿命を延ばすことも可能です。

▶インプラントの寿命と長持ちさせる方法を知りたい方は「インプラントの寿命~長持ちさせる秘訣は?~」の記事をご覧ください。

まとめ

このように、インプラント治療にはいくつかのリスクを伴いますが、いずれも予防策や解決方が見出されており、安全性も保証されています。そもそも治療に大きなリスクを伴うケースでは、その他の治療法が優先されます。 95%の症例で10年後も何ら問題なくインプラントが機能しているのもそのためです。とはいえ、どのような医療も100%の安全性は保証できないため、不安な方はまず歯医者さんに相談しましょう。

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■他のインプラント治療のコラム:https://teech.jp/column/inpurantochiryo
■インプラント治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/inpurantochiryo-interview
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▼このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています▼
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

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