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インプラント治療 2021/02/27

総入れ歯をしっかり固定する【インプラントオーバーデンチャー】

総入れ歯をしっかり固定する【インプラントオーバーデンチャー】

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込んで、人工歯を被せる治療法ですが、上部構造として「総入れ歯」を選択することもできます。これをインプラントオーバーデンチャーといいます。ここではインプラントオーバーデンチャーの特徴やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

インプラントオーバーデンチャーとは

インプラントオーバーデンチャーとは、顎の骨に2~4本の人工歯根を埋め込み、総入れ歯の形態をした上部構造を装着する治療法です。
すべての歯を失った、あるいは抜歯をする予定のケースに適応されます。人工歯根が存在するため、従来の総入れ歯が持つ欠点の多くを解消することができる素晴らしい装置といえます。

オーバーデンチャーのメリット

インプラントオーバーデンチャーと従来の総入れ歯を比較すると、以下のようなメリットが浮き彫りになります。

オーバーデンチャーのメリット

しっかり噛める

総入れ歯をお使いの方は、噛んだ時にズレたり、外れたりするトラブルに見舞われていることでしょう。総入れ歯は、お口の粘膜への吸着によって固定するため、そしゃくのような活発な運動が加わると、容易に外れてしまいます。
インプラントオーバーデンチャーは、総入れ歯が人工歯根にしっかり固定されることから、噛んだ時にズレることなく、しっかり咀嚼できます。

会話がしやすい

私たちのお口の中は、会話をしている時もその形態は目まぐるしく変化します。発話には口腔内の筋肉や舌の活発な運動を伴うからです。
そのため合わない入れ歯を使っていると“会話しにくい”と感じる人も少なくありません。人工歯根で固定されるオーバーデンチャーなら、会話をする時も不自由を感じることが少なくなります。

見た目が美しい

口腔粘膜への吸着に頼る従来の総入れ歯は、どうしても装置が大型化しがちです。義歯床と呼ばれる粘膜と接する部分を大きく作らなければ、入れ歯を安定させることができないからです。
一方、インプラントオーバーデンチャーは、アバットメントにはめ込むだけなので、上部構造を極めて小さくすることが可能です。見た目の美しい総入れ歯を装着することができます。

違和感・異物感が少ない

総入れ歯は、お口の中に装着する最も大きな装置のひとつといえます。どんなに工夫したとしても、大きな違和感や異物感を伴うものです。
インプラントオーバーデンチャーでは、装置の設計におけるさまざまな制約が取り払われるため、違和感・異物感の少ない総入れ歯を作ることができます。人工歯根という盤石な固定源があると、総入れ歯もシンプルに設計で きるのです。

顎の骨が痩せにくい

すべての歯を失うと、顎の骨は痩せていきます。それは生体の反応上、仕方のないことだといえます。従来の総入れ歯では、噛んだ時の力が顎の骨に直接伝わらないため、顎の骨が痩せていくのを止めることが難しいです。
噛んだ時の力が人工歯根を介して顎の骨に伝達されるオーバーデンチャーなら、顎の骨が痩せていく現象を抑えることができます。

費用が安い(従来のインプラントとの比較)

一般的なインプラント治療では、1本の人工歯根にひとつの上部構造を装着します。すべての歯を失ったケースでは、かなりの数のインプラントを埋め込まなければそしゃく機能や審美性を回復することができません。
インプラントオーバーデンチャーは、2~4本の人工歯根ですべての人工歯を支えることができるので、治療にかかる費用が安くなります。心身にかかる負担も軽減されます。

オーバーデンチャーのデメリット

インプラントオーバーデンチャーと従来の総入れ歯を比較した場合、以下に挙げるようなデメリットが考えられます。

オーバーデンチャーのデメリット

外科手術が必要

人工歯根を顎の骨に埋め込む外科手術が必要となり手術時は少なからず身体に負担がかかります。これは従来の総入れ歯にはない治療プロセスです。

適応できない症例もある

従来の総入れ歯は、基本的にすべての症例に適応できます。一方、インプラントオーバーデンチャーには人工歯根の埋入が必須となっていることから、顎の骨が足りない、重度の歯周病や糖尿病などにかかっている、といったケースには適応できません。適応症が限られているというのは、患者さんにとって大きなデメリットといえます。

アバットメントの種類

インプラントオーバーデンチャーは、上部構造である総入れ歯と人工歯根を種々のアバットメントで連結します。

ロケーターアバットメント

ボタンのような形をしたアバットメントです。ナイロン製のキャップを設置することで、上部構造との連結も強化されます。

ボールアバットメント

文字通りボール(球体)の形をしたアバットメントです。装着する方向が制限されないので、上部構造をスムーズにセットできます。装着後の入れ歯の安定性も高いです。

バーアバットメント

複数のインプラントをバーによって連結するアバットメントです。連結が強固なため、入れ歯が外れにくくなります。

マグネットアタッチメント

マグネット(磁石)を活用した入れ歯の固定方法です。上部構造側に磁石を設置、アバットメントには磁性金属を装着します。入れ歯とアバットメントが磁力によって自然に引き寄せられるため、装着が容易です。外れにくく、噛み心地も良好です。

▶インプラント治療におけるアバットメントの役割を詳しく知りたい方は「インプラント治療で使うアバットメントって何?」の記事をご覧ください。

まとめ

このように、総入れ歯を固定するタイプのインプラントオーバーデンチャーには、たくさんのメリットが存在しています。
従来の総入れ歯が合わない、使いにくいと感じている方は、そうした問題点の多くを解消できるインプラントオーバーデンチャーを検討してみてはいかがでしょうか。気になる方は歯医者さんに相談してみましょう。

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■他のインプラント治療のコラム:https://teech.jp/column/inpurantochiryo
■インプラント治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/inpurantochiryo-interview
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▼このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています▼
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

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