brand
サイトの特徴・使い方 閲覧履歴 会員登録 ログイン
トップ  -  コラム記事  -  安いインプラントは避けるべき?
インプラント治療 2021/02/20

安いインプラントは避けるべき?

安いインプラントは避けるべき?

インプラントは、比較的高額な費用がかかる治療であるだけに、できるだけ安い歯医者さんにお願いしたい、と考える気持ちは良く理解できます。保険診療のように、全国どこで受けても同じ価格というわけではないので、ついつい低価格を掲げている歯科医院に注目してしまいますよね。

経営努力によって良心的な価格を設定している歯科医院ならまだ検討の余地はありますが、極端に安かったり、安さを前面に押し出したりしているところはあまりおすすめできません。ここではそんな安いインプラントの是非について、わかりやすく解説します。

インプラント治療の相場観

始めに、「安いインプラント」がどのくらいの価格帯なのかを把握しておきましょう。一般的には、前歯や奥歯のインプラント治療を行った場合、以下のような費用がかかります。相場観としては、1本あたり200,000~500,000円といえます。

前歯(1本)のケース

前歯(1本)のケース

奥歯(1本の)ケース

奥歯(1本の)ケース

このように、標準的なインプラント治療の内訳をみると、インターネット広告などでよく目にする「インプラント1本10万円」というのは極端に安いと感じられることかと思います。

▶インプラントの値段、相場感を詳しく知りたい場合は「インプラントの費用は1本いくら?値段の相場と歯医者さん選びのコツ」をご覧ください。

インプラントの値段が異なる理由

インプラントの相場は、200,000~500,000円とかなりの開きがあることから、どうしてそこまで値段に違いがあるのか不思議に感じる方も多いことでしょう。それは個々のインプラント治療で、手術法や素材、歯科医師の技術力に差があるからです。

手術法(1回法・2回法)

インプラント手術には、1回法と2回法の2種類があります。1回法は、1回の手術で人工歯根の埋入とアバットメントの装着まで行うため、費用も比較的安く済みます。2回の手術を行えば、当然、費用も増えます。

▶1回法と2回法の違いを詳しく知りたい方は「インプラント治療における1回法と2回法の違い」の記事をご覧ください。

骨造成

顎の骨の量が不足しているケースでは、歯槽骨を再生させる「骨造成術」を実施します。特殊な薬剤と専門的な処置を要することから、費用も別途かかります。

▶インプラント治療における骨造成とは何か詳しく知りたい方は「インプラント治療で骨造成手術は必要?」の記事をご覧ください。

素材

インプラント治療では、人工歯根、アバットメント、上部構造それぞれで異なる素材を選ぶことができます。原材料に違いもあるため、選択したインプラントシステムや素材によって、費用も大きく変わります。

▶インプラント治療に使用される素材や構造を知りたい方は「治療前に詳しく知りたい!インプラントの構造・素材」の記事をご覧ください。

歯科医師の技術

インプラント治療を担当する歯科医師の技術にも大きな違いがあります。インプラント治療を始めて間もない歯科医師であれば、技術料も安くなります。

インプラントが”安い”理由

インプラントの費用が安い場合、以下に挙げるような理由が考えられます。ただし、経営努力によって安い価格を設定している歯科医院は、以下の理由に当てはまりません。

インプラントが”安い”理由

治療費の総額ではない

インプラント1本10万円とうたっている歯医者さんは、治療費の総額を提示していない可能性が高いです。上述したようにインプラントの相場は、200,000~500,000円であり、10万円ですべての費用をまかなうことはほぼ不可能です。実際は、手術代や上部構造の費用が含まれていないケースが多いです。

国内で未認可のインプラントを使用

国から認可を受けていないマイナーなインプラントシステムであれば、極端に値段を下げることもできます。ただし、安全性が保障されていなかったり、トラブルが生じた際に関連パーツが手に入らなかったりすることから、デメリットも非常に大きい治療となります。

経験の浅い歯科医師が執刀する

インプラント治療の経験が浅い歯科医師であれば、技術料も低く抑えられます。人件費を削減することで、低額のインプラント治療を実現できます。

CT撮影を行わない

歯科用CTというのは、非常に高価な医療機器であり、どの歯科医院でも導入できるわけではありません。設備投資に回す資金を節約すれば、インプラント治療を安い価格で提供することも可能です。その代わりにインプラント治療の精度は著しく低下します。CT撮影を行わないインプラント治療は、基本的に避けた方が賢明です。

▶インプラント治療において重要な歯科用CTについて詳しく知りたい方は「インプラント治療に歯科用CTが必要な理由」の記事をご覧ください。

術前に必要な処置を行わない

術前検査で虫歯や歯周病が見つかった場合は、そちらの治療を優先するのが原則です。そのままの状態でインプラントを埋入すれば、時間の節約にはなるものの、結果的にインプラントが安定せず、治療自体が失敗します。

インプラント治療の歯医者の見つけ方

上述したように、安いインプラントには、それなりの理由が存在しています。安全で確実な処置を受けるためには、適切なインプラント治療を施してくれる歯医者を見つける必要があります。

インプラント治療の実績が豊富

実績が豊富であれば、必ず精度の高いインプラント治療を実施してもらえるというわけではありません。けれども、インプラントは極めて専門性の高い治療なだけに、経験豊富であるに越したことはありません。単に「インプラント埋入実績2000本」とうたっているところではなく、過去の症例をきちんと説明してくれる歯医者さんの方が信頼性も高いです。

独自の勉強会や学会に所属している

インプラント治療は、日々進歩しています。勉強会(スタディーグループ)や学会に所属して研鑽を積み、新しい知識や技術を常に採り入れている歯医者さんがおすすめです。

治療や費用の説明が丁寧

誠実な歯医者さんは、治療や費用の説明を丁寧に行ってくれます。患者さんからの質問にも快く答えてくれます。

必要な設備がそろっている

インプラントには、歯科用CTや安全な手術環境など、必要となる設備が多々あります。それらをきちんと完備している歯科医院を選びましょう。

メジャーなインプラントシステムを採用

メジャーなインプラントシステムを採用している歯科医院が望ましいです。そうしたインプラントシステムであれば、安全性や治療の効果も保証されているからです。トラブルが生じた際にも、問題なく対処することができます。

▶インプラントを検討する際の歯医者さん探しのポイントは「インプラント治療で失敗しないための歯医者さんの見つけ方」をご覧ください。

まとめ

このように、治療費の総額が10万円程度の「極端に安いインプラント」には、それなりの理由があります。いずれも安全性や正確性などを犠牲にしていることから、あまりおすすめすることはできません。

一方、相場の範囲内の「安いインプラント」であれば、治療の質も保たれていることもありますので、検討する余地はあります。とにかくまずは、歯医者さんに相談することから始めましょう。今回ご紹介したポイントを踏まえ、良心的な歯医者さんを見つけることが大切です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■他のインプラント治療のコラム:https://teech.jp/column/inpurantochiryo
■インプラント治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/inpurantochiryo-interview
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

▼このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています▼
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

この記事の関連コラム
1 / 3
インプラント治療の安全性~5つの視点~
インプラント治療
失った歯を天然歯に近い形で回復させたい、という方にはインプラントが第一選択となります。見た目はもちろ
インプラント治療の痛み・不安を軽減する麻酔術
インプラント治療
インプラント治療に伴う外科手術に不安を抱いている方は少なくありません。過去に手術を受けたことがない人
失敗することもある!?インプラント治療のリスク13例
インプラント治療
たくさんのメリットがあるインプラントですが、治療に伴うリスクが怖くてなかなか一歩踏み出せない方も多い
天然の歯とインプラントの違いは?
インプラント治療
インプラントは、天然の歯に近い機能性や審美性を再現できる素晴らしい治療法です。歯を失った際には、イン
インプラントの値段は1本いくら? 料金相場と歯医者さん選びのコツ
インプラント治療
インプラント治療は、歯科医院によって費用が大きく異なるので、どのくらいかかるのか気になっている方も多
インプラントとは?治療前に知っておきたい基礎知識
インプラント治療
虫歯や歯周病、外傷などで歯を失った際には、何らかの方法で欠損分を補う必要があります。従来はブリッジや
インプラント治療に歯科用CTが必要な理由
インプラント治療
インプラント治療には、一般的な歯科治療にはないプロセスがいくつかあります。歯科用CTによる撮影もそのひ
インプラント治療で使うアバットメントって何?
インプラント治療
インプラント治療では、人工歯根であるフィクスチャーを顎の骨に埋め込みます。その上に人工歯である上部構
治療前に詳しく知りたい!インプラントの構造・素材
インプラント治療
インプラントは、ブリッジや入れ歯とは異なる構造をとっています。使用する素材にも違いがあり、それぞれに
インプラント治療のオールオン4という選択
インプラント治療
インプラント治療は、”失った1本の歯を1本の人工歯根で補う”だけの治療法ではありません。すべ
インプラント治療の費用が適正
インプラント治療
インプラント治療は受けてみたいけれど「費用が高そうで不安」な方も多いですよね。たった1本のインプラン
徹底比較!インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い
インプラント治療
歯を失った際には、インプラントやブリッジ、入れ歯といった治療で欠損部を補う必要があります。それぞれ特
健康と費用で比較したい60代、70代以上のインプラント治療
インプラント治療
60代、70代と年を重ねていくと、歯を失うことも多くなります。失った歯を何もせずに放っておくと、さまざま
インプラントが取れる原因と対処法
インプラント治療
インプラントは、使用していく中で取れたり、折れたりすることがあります。苦労して装着した装置だけに、シ
インプラント治療を30代、40代で検討するときの注意点
インプラント治療
インプラント治療は、成長期を終えた人であれば、基本的に誰でも受けることができます。それは30代、40代も
インプラント治療の失敗・トラブルと対策
インプラント治療
インプラントが普及して、かなりの年数が経ちますが、やはり、治療に対する不安や恐怖心を拭えない方もいら
総入れ歯orインプラント!全部の歯を失ったときどちらを選ぶ?
インプラント治療
すべての歯を失った場合の治療法は、大きく2つの選択肢に分けられます。それは「総入れ歯」と「インプラン
インプラント治療が保険適用される条件は?
インプラント治療
インプラントには、その他の治療法にはないメリットが多々ありますが、費用が少し高い点がネックになってい
インプラント治療の痛みと対処法
インプラント治療
インプラント治療は、費用がやや高額になったり、治療期間が長くなったりするなど、不安に感じる点がいくつ
インプラント治療の歯医者さんの選び方
インプラント治療
インプラントは、とても優れた補綴治療なだけに、施術を検討されている方も少なくないことかと思います。イ
Feature Teechの特徴
1

あなたの「今の症状に合った」歯科医院が探せます

icons

歯科医院が広告掲載する際、得意な治療1つのみを選択し広告しています。これにより2つのメリットが得られます。

①あなたの今の症状に合った治療を1番得意とする歯科医院のみ検索できます。

②表示される歯科医院の数が絞られるため、今の症状に合った歯科医院を効率よく検索できます。

2

その歯科医院で「本当に治療した患者さんの口コミ」を掲載

icons

歯科検索サイトには、その歯科医院で治療を受けていない方の口コミが散見されますが、Teechへの口コミ投稿には、領収書の添付を必須としているため、本当にその歯科医院で治療した患者さんの口コミが掲載されています。また、口コミ点数・件数によって検索結果が上下しないため(標準検索した場合)、サクラの口コミ投稿の誘因を減らしています。

3

「プロが選ぶプロ」の歯科医院を探せます

icons

掲載している医院に3医院(自医院を除く)までオススメできる機能を付与することで、プロが選ぶプロの歯科医院を探せます。

4

「先生の人柄」が分かるご挨拶動画を設置

icons

外からは見えにくい歯科医院ですが、事前に先生の人柄が伝わるように、院長のご挨拶動画を掲載しております。

インプラント治療
得意歯医者今すぐ探す