インプラントの口臭は解消できる?

インプラントを検討中で、治療後の口臭を心配している方もいるかと思います。インプラントは歯根から歯冠まで、すべてが人工物で構成されているので、口臭の原因にもなりやすそうですよね。ここではそんなインプラント治療後に口臭が出る原因やチェック法、対処方法などをわかりやすく解説します。
インプラント治療後に口臭が出る原因
インプラント治療後には、以下の原因で口臭が出ることがあります。
不十分なオーラルケア
ブラッシングやフロッシングが不十分だと、インプラント周囲に食べかすや歯垢がたまります。それが細菌繁殖の温床となり、口臭を生み出す原因にもなるのです。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎にかかると、通常の歯周病と同じように悪臭を放つことがあります。これは歯周病菌がタンパク質を分解する過程で、「メチルメルカプタン」と呼ばれるガスを作り出すからです。「腐った玉ねぎ」のような口臭が認められます。
▶インプラント周囲炎について詳しく知りたい方は「インプラント周囲炎の症状と治療・予防方法」の記事をご覧ください。
ネジの緩み
人工歯とアバットメントをネジでとめる「スクリュー固定タイプ」では、使用していく中でネジが緩むことがあります。その結果生じたすき間で細菌が繁殖し、悪臭を放つようになります。
インプラント以外の原因もある
インプラント治療後の口臭は、必ずしもインプラント自体にあるとはかぎりません。以下に挙げるような原因も考える必要があります。
他の歯の虫歯・歯周病
残っている歯が虫歯や歯周病にかかると、口臭が発生することがあります。その位置がインプラントに近い場合、インプラントが原因の口臭と勘違いしてしまうことがあるかもしれませんね。正確な診断は、歯医者さんでなければ行えません。
舌苔
舌苔(ぜったい)とは、舌の表面に形成される白い苔(こけ)のような汚れです。その成分は歯垢とほぼ同じで、付着量が増えると口臭の原因となります。
生理的口臭
生理的口臭とは、誰にでもあるお口の臭いで、体調によっても大きく変化します。例えば、朝起きたばかりの時や緊張した時などは、唾液の分泌量が減少しており、お口の臭いも強くなります。主に「硫化水素(りゅうかすいそ)」と呼ばれるガスが悪臭の原因となっています。
心理的口臭
実際には口臭の元となる物質は存在していないにも関わらず、強い臭いがある、と思い込んでしまっているケースです。口臭検査を行っても、何ら異常は見つかりません。
口臭のチェック方法
インプラントの口臭に悩んでいる人は、まず以下の方法で簡便にチェックしてみましょう。いずれも自宅で行える方法です。
コップに息を吹き込む
コップや袋に息を吹き込んで、臭いを嗅いでみてください。起床直後や空腹時、緊張している時などは生理的口臭が強くなりがちなので、リラックスしている時に行うのが良いです。どこでも気軽に行える方法なので、1日のうちに何度か試してみましょう。
舌苔の有無を確認する
鏡で舌の表面をチェックすることで、舌苔の有無を確認できます。舌苔が多量に堆積しているようであれば、口臭の原因の可能性が高いです。ただし、舌苔は清潔にしていてもある程度は形成されるものなので、ゼロである必要はありません。あくまでその量が多い場合に、口臭の原因となりやすいです。
フロスを嗅ぐ
歯間部の汚れを取った後のフロスを嗅ぐことで、口臭の原因を探ることができます。フロスから強い臭いが認められる場合は、細菌が繁殖している証拠です。
家族にチェックしてもらう
口臭はとてもデリケートな問題ですが、家族であれば気兼ねなく相談もできることかと思います。家族に口臭を嗅いでもらい、対処の必要性を検討しましょう。
インプラントの口臭が出た時は歯医者さんに行く
インプラントの口臭が気になる人は、歯医者さんに診てもらいましょう。以下に挙げるような方法で、しっかり対処してくれます。
口臭の原因のチェック
口臭は、プロフェッショナルにチェックしてもらうのが一番です。お口の衛生状態に始まり、虫歯や歯周病の有無、インプラントのネジの緩みなどを細かく調べてもらいましょう。歯科医院によっては、口臭測定器を使って精密に検査してくれるところもあります。
インプラントの洗浄
インプラントを洗浄することで、口臭の原因を取り除きます。メンテナンスにおけるクリーニングがこれに当たります。
ネジの緩みの解消
ネジの緩みは、専用のドライバーを使用しなければなりません。また、力の入れ具合を間違えると、インプラントの破損につながることから、歯医者さんに任せる必要があります。
インプラント周囲炎の治療
インプラント周囲炎にかかっている場合は、治療を受ける必要があります。一般的な歯周病と同様、比較的長い治療期間を要するものなので、途中で諦めず地道に頑張っていきましょう。インプラント周囲炎が治れば、自ずと口臭の症状も改善されます。
インプラント治療後に口臭が出ないための予防
インプラント治療後の口臭は、以下の方法で予防することも可能です。
適切なケア方法を身に付ける
インプラントは、天然歯と同じようにケアしていては、汚れがたまってしまいます。インプラントの特徴を理解した上で、適切なケア方法を身に付ける必要があります。そのためには、歯科医院でのブラッシング指導が不可欠です。正しいブラッシング法を身に付け、それを毎日実践していきましょう。
メンテナンスを受ける
定期的なメンテナンスを受けていれば、インプラントの不具合やインプラント周囲炎などを早期発見、あるいは予防することが容易となります。
▶インプラントの正しいメンテナンスを知りたい方は、「正しいメンテナンスでインプラントの寿命を延ばそう」の記事をご覧ください。
まとめ
このように、インプラント治療後の口臭には、いくつかの原因が考えられますので、歯医者さんにチェックしてもらうのが一番です。歯医者さんでは、原因に応じた治療法も提案してくれることでしょう。インプラントの口臭に悩みたくない、という方は、上述した予防法を実践してみてください。
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■インプラント治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/inpurantochiryo-interview
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▼このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています▼
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長崎大学歯学部歯学科卒業