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インプラント治療 2020/11/20

インプラント治療における1回法と2回法の違い

インプラント治療における1回法と2回法の違い

インプラント治療に伴う手術には、1回法と2回法があります。それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットがあることから、どちらが優れているかは一概に述べることは難しいです。ここではインプラント治療の1回法と2回法の違いをわかりやすく解説します。

インプラント治療法の決め方

インプラントの治療法は、以下の流れで決めていきます。

カウンセリング

お口に関する悩みを相談する段階です。認められる症状を具体的に説明し、どのような治療を受けたいのかも明確に伝えるようにしましょう。
インプラント治療を希望していたとしても、検査や診断の内容によっては、その他の治療法を提案されるかもしれません。また、インプラント治療に関する疑問もこの時点で解消しておくことが望ましいです。

検査・診断

口腔内診査やレントゲン撮影などを実施して、お口の中の状態を精査します。歯科用CTによる画像診断も行った上で、確定診断を下します。

説明・治療方針の決定

検査・診断の結果を説明します。この時点で、インプラント治療が適していかどうかが判明します。また、具体的な施術法などもある程度絞られてきます。説明の内容が少々難しくなることもあるため、しっかり耳を傾けて理解するよう努力しましょう。わからない点は遠慮せずにどんどん質問することが大切です。

治療方針の決定

検査結果を元に、コンピューター上でシミュレーションを行います。この段階で、埋入手術を1回法で行うか、2回法で行うかが決定します。治療方針が決まり、治療計画にも同意が得られたら、いよいよインプラント治療のスタートです。

インプラントの構造

インプラントは、以下に挙げる3つのパーツから構成されています。

インプラントの構造

インプラント体(フィクスチャー)

インプラント体とは、人工歯根に当たる部分で、フィクスチャーと呼ばれることもあります。生体親和性の高いチタンで製作されます。

アバットメント

アバットメントとは、インプラント体と上部構造をつなぐパーツです。1回法では、インプラント体とアバットメントが一体化した「ワンピースタイプ」を用いることもあります。2回法では、必ず両者が独立したツーピースタイプを用います。

▶インプランに欠かせないアバットメントの重要性を知りたい方は「インプラント治療で使うアバットメントって何?」の記事をご覧ください。

上部構造

上部構造とは、人工歯に当たる部分です。一般的な被せ物と同じような形態をしています。主にセラミックで製作されます。

▶インプランの構造・素材について詳しく知りたい方は「治療前に詳しく知りたい!インプラントの構造・素材」の記事をご覧ください。

1回法、2回法の手術の流れ

インプラント治療の1回法、2回法の手術の流れは以下の通りです。

1回法の手術の流れ

■インプラント体の埋入
人工歯根であるインプラントを顎の骨に埋め込みます。ワンピースタイプのインプラントでは、アバットメントの装着過程が省略されます。

■アバットメントの装着
ツーピースタイプのインプラントでは、人工歯根を埋入後に「ヒーリングアバットメント」と呼ばれる仮の蓋のようなアバットメントを装着します。傷口は縫合しないことから、ヒーリングアバットメントが口腔内に露出した状態となります。人工歯根と顎の骨の結合が達成されたら、最終的なアバットメントを装着します。

■上部構造の装着
人工歯である上部構造を製作し、アバットメントと連結させます。上部構造の装着は、セメント固定とスクリュー固定の2種類があります。歯科用セメントで固定する場合は、故障した際の修理が難しくなりますが、審美性は良好です。ネジであるスクリューでの固定は、審美性がやや劣るものの、修理は容易に行えます。

2回法の手術の流れ

■1次手術(インプラント体の埋入)
1回目の手術では、インプラント体を顎の骨に埋め込みます。埋入処置後は、傷口を糸で縫合します。

■治癒期間
顎の骨に埋入したインプラントは、3~6ヶ月で骨と結合します。治癒にかかる期間は、インプラントを埋め込む位置や患者さんの顎の骨の状態によって大きく変わります。

■2次手術(アバットメントの装着)
2回目の手術では、再び歯茎を切開して、インプラント体を露出させます。そこにアバットメントを装着するのが2次手術の主な目的です。手術後は、口腔内にアバットメントが露出した状態となります。

■上部構造の装着
アバットメントの装着後、歯茎の状態が安定したら上部構造の製作に入ります。歯茎の状態は患者さまによって大きく異なるため、短期間で上部構造を装着できることも珍しくありません。長くても数週間で、歯茎の状態は落ち着きます。

▶インプラン治療の流れを知りたい方は「インプラント治療の流れ~7STEP~」の記事をご覧ください。

1回法、2回法のメリット・デメリット

インプラント治療の1回法と2回法にはそれぞれ以下に挙げるようなメリット・デメリットがあります。

1回法、2回法のメリット・デメリット

1回法

■メリット
・手術が1回で済む
1回法には、外科手術が1回で済むという大きなメリットがあります。インプラント治療に伴う手術は、それほど大掛かりではないものの、不安に感じている方は少なくありません。それを1回で済ませられるのは、患者さんにとって大きなメリットといえます。

・治療期間が短くなる
外科手術が1回で済むということは、インプラント治療に要する全体の期間を短縮することにもつながります。顎の骨の状態が良好であれば、2回法よりも数週間から数ヶ月短縮することが可能です。

■デメリット
・適応症が限られている
1回法は、すべての人に適応できるわけではありません。顎の骨の厚みや密度が十分であり、全身状態も良好でなければ、1回の手術で済ませることが難しいのです。

・術後の感染のリスクが高まる
1回法の手術では、傷口の縫合が行われません。アバットメントが口腔内に露出した状態で終了するため、感染のリスクが高まります。もちろん、感染のリスクを最小限に抑えるような処置が施されますが、傷口を完全に塞ぐ2回法には及びません。術後はインプラント周囲を清潔に保つ必要があります。

2回法

■メリット
・適応範囲が広い
2回法は、ほとんどの症例に適応できます。顎の骨が不足していても、骨造成などを併せて行うことで対応できます。全身の病気がある場合も、慎重に管理した上で手術を決行できます。

・術後の感染リスクが低い
2回法では、傷口を完全に縫合するため、術後の感染リスクが極めて低くなります。

・顎骨との結合に有利
2回法の1次手術後は、人工歯根が顎の骨に完全に埋まった状態となります。外からの刺激が加わりにくく、安定した状態を保つことが可能です。その結果、人工歯根と顎骨との結合がスムーズに進みます。

■デメリット
・2回の手術が必要
2回法では、その名の通り2回の手術が必須となります。外科手術を2回行うとなると、心身にかかる負担もそれなりに大きくなります。

・治療期間が長くなる
治療期間に関しては、1回法よりも2回法の方が長くなります。2回の手術を必要とするため、仕方のないことといえます。

まとめ

このように、インプラント治療には、1回法と2回法の2種類があります。それぞれ適応症が異なるため、患者さんの希望通りに治療選択できるとは限りません。
また、いずれの施術法にもかならずメリットとデメリットの両方が付随してくることから、歯科医師としっかり相談した上で選択する必要があります。

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■他のインプラント治療のコラム:https://teech.jp/column/inpurantochiryo
■インプラント治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/inpurantochiryo-interview
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▼このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています▼
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

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