インプラント手術後の食事はいつからOK?術後に避けるべき食べ物と注意点
「インプラントの手術を受けた後、いつから食べられるの?」「どんなものなら安全なの?」といった疑問を抱えている方も少なくありません。インプラント手術後の食事は治癒のスピードや治療の成功率にも関係してくるため、正しい知識を持つことが大切です。
この記事では、インプラント手術後の食事に関する注意点や避けるべき食品、安全に摂取できる食品などについて詳しく解説していきます。また、食事以外の生活面での注意点や術後に特に注意が必要なケースについても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
インプラント手術後すぐに食事をしても大丈夫?
結論から言うと、インプラント手術を受けた後、すぐに食事をするのは避けたほうが良いでしょう。インプラント手術はあごの骨に人工歯根を埋め込む外科的処置であり、手術直後は傷口が開いていたり麻酔がまだ効いていたりすることがあるためです。特に麻酔が完全に切れるまでは、誤って口の中を噛んだりやけどしたりするリスクがあるため、注意が必要です。
通常、手術から1〜2時間ほどで麻酔が切れてきますが、個人差がありますので、必ず歯科医師の指示に従いましょう。また、出血や腫れが完全に治まっていない場合は、食事による刺激で傷の治りが遅れる可能性もあります。どうしても空腹を感じる場合は、麻酔が切れてから、冷たくてやわらかい飲み物や食品を少量ずつ摂るようにしましょう。
ただし、インプラントを埋め込んだ側では噛まず、反対側の歯でやさしく食べるようにすることが大切です。
手術後すぐに食べても大丈夫な食べ物
インプラント手術後、麻酔が切れてからであれば少しずつ食事を再開できますが、選ぶ食品には注意が必要です。以下のように、刺激が少なく、やわらかくて消化の良いものを中心に摂るようにしましょう。冷たくて口当たりの良い食品は、患部の腫れを抑える効果も期待できます。
【手術後に食べても大丈夫な食べ物・飲み物】
・豆腐
・ヨーグルト
・プリン
・ゼリー
・おかゆ
・スープ(具材が少なく、熱くないもの)
・スポーツドリンク
・水
食事の際は、インプラントを埋め込んだ側ではなく、反対側の歯を使ってやさしく噛むようにし、食べるスピードもゆっくりにしましょう。スプーンなどで患部に触れないよう注意し、初日はこれらのやわらかい食品を中心にするのがおすすめです。手術後は体調やお口の状態を見ながら、少しずつ通常の食事へ戻していきましょう。
ただし、治癒を妨げるような食べ物はしばらく避けることが大切です。
手術後は避けたほうが良い食べ物
インプラント手術後の回復を妨げないためには、刺激が強い食品や傷口に負担をかける食べ物は避けることが大切です。特に術後数日間は、以下のような食品は控えるようにしましょう。
【術後は避けたほうが良い食べ物】
・せんべい・ナッツ類・フランスパンなどの硬い食べ物
・熱いスープやお茶・コーヒー
・カレー・キムチなどの香辛料が強い料理
・酢の物・果物などの酸味の強い食べ物
・アルコール
これらを控えることで、腫れや炎症のリスクを減らし、インプラントが安定しやすくなります。無理をせず、歯科医師の指示に従いながら少しずつ食事を戻していきましょう。
手術後に食事以外で注意すべきこと
手術後の回復をスムーズに進めるためには、食事だけではなく、日常生活全体に気を配ることが大切です。患部は非常にデリケートな状態にあるため、ちょっとした刺激や行動が回復を妨げたり、炎症・感染の原因になったりすることがあります。特に、手術当日から数日間は、身体全体への負担をできるだけ軽くし、患部を安静に保つことが重要です。
ここでは、術後に気をつけるべき生活習慣として、運動・入浴・喫煙・歯磨きの4つのポイントを詳しく解説していきます。それぞれの項目には注意すべきタイミングや方法があるため、無理をせず医師の指示を守ることが大切です。
運動:激しい運動を避ける
インプラント手術の直後は、激しい運動は避ける必要があります。運動によって血行が促進されると、手術部位からの出血が増えたり、腫れが悪化したりすることがあるためです。術後2〜3日は体への負担が少ない生活を送り、その後も医師の許可が出るまでは無理な運動は控えるようにしましょう。普段通りの日常生活に戻れるタイミングには個人差があるため、焦らず回復を優先することが大切です。
入浴:熱いお湯に浸かるのを避ける
手術当日の入浴はなるべく避けるようにしましょう。特に熱いお湯に長時間浸かると、血流が促進されて手術部位の出血や腫れが悪化する可能性があります。どうしても体を清潔にしたい場合は、短時間のシャワーにとどめ、湯船には入らないようにしましょう。
翌日以降であっても、数日はぬるめのお湯で短時間の入浴を心がけてください。回復状況に応じて通常の入浴に戻すタイミングを見極めましょう。
喫煙:禁煙する
喫煙はインプラント手術後の回復に大きな悪影響を与える要因の一つです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、傷の治癒を遅らせるほか、インプラントの定着を妨げる可能性もあります。術後数日だけではなく、インプラントが完全に骨と結合するまでの期間は禁煙するのが望ましいです。
歯磨き:優しく歯を磨く
術後の口腔内は非常に敏感な状態にあるため、歯磨きにも細心の注意が必要です。手術部位に直接触れるのは避け、やわらかめの歯ブラシで他の歯を優しく磨くようにしましょう。うがいも強くゆすがず、軽く口をすすぐ程度にとどめてください。
また、歯科医院で処方された洗口液などがあれば、指示に従って使用すると良いでしょう。清潔な口腔環境を保つことは感染予防につながるため、適切なケアを続けることが大切です。
なお、自分でできるケアや歯科医院で受けられるメンテナンスについては「インプラントはメンテナンスが必要?お手入れ方法や注意点などを解説」にて詳しく解説しています。
手術後注意が必要なケース
インプラント手術は安全性の高い処置だといわれていますが、術後に体調の変化や異常が見られる場合は注意が必要です。特に、以下のような場合は、早めに歯科医院へ連絡し、適切な処置を受けることが大切です。
強い痛みが続く場合
まず、強い痛みが続く場合は要注意です。通常、術後1〜2日は痛みが出ることがありますが、鎮痛剤を服用しても改善しない強い痛みが数日間続くようであれば、感染や神経への影響が考えられます。
出血が止まらない場合
また、出血が止まらない場合や腫れがひどくなるといった症状も異常のサインです。腫れや内出血はある程度予想されるものですが、日ごとに悪化するようであれば細菌感染の可能性もあるため、速やかな診察が必要です。
発熱や膿などが見られる場合
さらに、熱がある、膿が出る、口が開けづらくなるといった症状も放置せず、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。早期対応により、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
まとめ
インプラント手術後の過ごし方は、治療の成功に大きく関わります。特に食事については、タイミングや内容を誤ると、傷の治りを妨げたりインプラントの定着に悪影響を及ぼしたりする可能性があります。
やわらかく刺激の少ない食品を選び、熱いものや硬いもの、香辛料の強い料理などは避けることが大切です。また、運動や入浴、喫煙、歯磨きなどの日常的な行動にも注意が必要です。
※本記事の内容は一般的な情報を紹介しています。傷の治り方や体調の回復には個人差がありますので、不安な点や異常が見られる場合は、治療を担当している歯科医師にご相談ください。