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インプラント治療 2025/10/24

オールオン4とは?特徴や総入れ歯・ザイゴマインプラントとの違いを解説

オールオン4のイメージ

従来、歯をすべて失った場合は総入れ歯が一般的な治療法でした。しかし近年は、オールオン4など新しいインプラント治療が注目されています。オールオン4は従来の治療法と比べて、短期間で機能的かつ審美的な回復が見込めるため、多くの患者様から支持されています。

この記事では、オールオン4の基本的な仕組みや特徴、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。さらに、総入れ歯やザイゴマインプラントとの違いについても触れていきます。歯を失ったことによる不安を少しでも軽減し、前向きに治療へと踏み出すために、ぜひ最後までお読みください。

オールオン4とは

オールオン4とは、歯をすべて失った方や残っている歯の保存が難しい方に対して行われる、インプラントを用いた治療法のひとつです。名前の通り、あごに4本のインプラントを埋入し、その上に人工歯を一体型のブリッジとして固定します。

従来のインプラント治療では、すべての歯を補うためには、たくさんのインプラントを必要とするのが一般的でした。しかし、オールオン4では最小限の本数で機能的かつ審美的な回復を実現できるとされています。

オールオン4の大きな特徴は、骨の状態に合わせてインプラントの角度を調整する「傾斜埋入法」という技術を使用することです。これにより、骨量が少ない部分を避けてインプラントを埋入できるため、骨造成などの追加処置を避けられる可能性が高くなります。

また、手術当日に仮歯を装着することも可能で、手術後すぐに見た目や咀嚼機能をある程度回復できるのも大きなメリットです。

オールオン4のメリット

オールオン4には、総入れ歯や従来のインプラント治療にはない、さまざまなメリットがあります。ここでは、実際に治療を検討する際に知っておきたい、主なメリットを詳しく解説します。

手術回数が少ない

オールオン4のメリットのひとつに、手術回数が少なくて済む点が挙げられます。通常のインプラント治療では、1本ずつインプラントを埋入し、治癒を待ってから次の処置へと進むため、何度も通院する必要があります。

これに対して、オールオン4では4本のインプラントを同時に埋入し、その日のうちに仮歯を装着できることが多いです。そのため、通院回数が少なくて済み、負担を軽減できます。特に、遠方から通院される方や高齢で体力的に複数回の手術が難しい方にとって、大きなメリットになるでしょう。

見た目や機能をすぐに回復できる

オールオン4では、インプラントの埋入と同日に仮歯を装着する即時負荷が可能な場合があります。これにより、手術当日から仮歯によって見た目や会話、食事がある程度できるようになります。

一般的なインプラント治療では、数か月の治癒期間が必要なため、その間は仮の入れ歯などで過ごす必要がありますが、オールオン4ではこの期間の不便を軽減できます。

また、見た目の自然さにも優れており、人工歯は患者様の口内の状態に合わせて設計されるため、顔全体の印象や表情が若々しくなる、というメリットもあります。オールオン4は、審美性と機能性をすぐに取り戻したい方にとって、非常に魅力的な治療法なのです。

安定していて違和感が少ない

オールオン4は、あごの骨にしっかりと固定されたインプラントの上に人工歯を装着するため、入れ歯のようにずれる心配がないといわれています。また、装着後の違和感も少なく、装着感は自分の歯に近い感覚と感じる方も多くいます。

入れ歯特有の「外れそう」「話しづらい」「硬いものが噛めない」といった悩みが軽減され、食事や会話に対するストレスが少なくなるのも大きなポイントです。特に、日常生活の質(QOL)を重視する方にとって、オールオン4は非常に満足度の高い治療法といえるでしょう。

あごの骨が弱い・少ない方でも適応できる可能性がある

オールオン4では、インプラントを斜めに埋め込む傾斜埋入法を採用しているため、骨量が少ない部分を避けてインプラントを埋入することが可能です。

通常のインプラント治療では、骨量が不足している場合、骨造成や骨移植といった前処置が必要になることがありますが、オールオン4ではそれを回避できるケースも多いです。これにより、骨が痩せている方でもスムーズにインプラント治療を受けられる可能性があります。

ただし、すべてのケースに適応できるわけではないため、事前の精密な検査と診断が必要です。

オールオン4のデメリット

多くのメリットがあるオールオン4ですが、すべての患者様にとって万能な治療法というわけではありません。治療を受けるうえでは、メリットだけでなく、注意点やリスクも把握しておくことが大切です。ここでは、オールオン4のデメリットを解説します。

歯を抜く必要がある

オールオン4では、歯が残っていても保存することが難しい場合には、抜く必要があります。これは、残存歯と人工歯を同時に使うことができないためです。

まだ機能している歯が一部残っている場合には、歯を抜くことに心理的な抵抗を感じる方も少なくありません。また、抜歯を伴うことで手術の負担がやや増す可能性もあります。

歯科医師とよく相談したうえで、納得して決めることが大切です。

対応できる医院が限られる

オールオン4は高度な技術と経験を必要とする治療法であり、すべての歯科医院で受けられるわけではありません。インプラントを埋入する位置や角度を的確に判断したり、手術当日に仮歯を装着する即時負荷にも対応したりするには、専用の設備や豊富な知識、経験が求められます。

そのため実施できる医院は一部のクリニックだけに限られています。お住まいの場所によっては近くに対応可能な医院がなく、遠方の医院へ通うために時間や費用がかかる可能性があります。

手術後に痛みや腫れが生じることがある

オールオン4ではインプラントを埋入する手術を実施するため、術後に痛みや腫れが生じることがあります。複数本のインプラントを一度に埋め込むため、1本ずつの埋入よりも術後の負担を感じやすいともいわれています。

これらの症状の出方には個人差がありますが、数日〜1週間程度で落ち着くことが多いです。鎮痛剤の処方や冷却などによる対処が取られますが、事前にしっかりと説明を受け、リスクを理解したうえで手術に臨むことが重要です。

オールオン4の寿命

オールオン4はインプラント治療の中でも新しい技術であり、耐久性や安定性において高い評価を受けています。一般的には10~15年ほど持つとされており、適切なケアと定期的なメンテナンスを行えば、20年以上にわたって使用できる場合もあります。

ただし、インプラント自体はチタン製で非常に丈夫ですが、上部構造である人工歯(ブリッジ)は、使用状況によっては摩耗や破損が起きる可能性があります。長く使い続けるためには、日々のセルフケアと歯科医院での定期的なチェック・メンテナンスが欠かせません。

また、喫煙や歯ぎしりなどの習慣、糖尿病などの全身疾患は、インプラントの寿命に影響を及ぼす可能性があるため、これらのリスク要因の管理も重要です。

オールオン4を長持ちさせるポイント

オールオ4を長く使い続けるためには、日常生活の中でいくつかの点に注意することが大切です。

オールオン4を長く使い続けるための基本は、毎日の歯磨きを丁寧に行うことです。インプラントの周りが十分に磨けていないと、インプラント周囲炎を引き起こしたりインプラントの脱落につながったりすることがあります

通常の歯ブラシだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシなども併用して、丁寧にケアすることを心がけましょう。

さらに、定期的に歯科医院に通い、医師によるチェックやメンテナンスを受けることも重要です。一般的には3〜6か月に1回のペースで歯科医院を受診し、口内の状態をチェックしてもらったりクリーニングを受けたりすることが推奨されています。

そうすることで、インプラント周囲炎などのトラブルを未然に防ぐことができます。また、定期的に通院していれば、もしトラブルが起きたとしても、早期に発見でき、悪化する前に食い止められる可能性が高くなります。

オールオン4の費用

オールオン4は保険が適用されない自由診療のため、費用は高額になりやすい治療法です。一般的な相場は、片あごで約200〜400万円前後、上下両あごの場合は500万円を超えるケースもあります。費用は使用する素材や手術方法、歯科医院の設備・技術によって異なります。

オールオン4は健康保険の対象外ですが、医療費控除の対象となる場合があります。医療費控除とは、1年間にかかった医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を通じて所得税の一部が戻る制度です。高額な治療を検討する際は、領収書を保管し、確定申告での控除申請を忘れずに行いましょう。

治療を検討する際は、複数の歯科医院で見積もりを比較し、費用だけでなく、治療内容や保証体制も含めて検討すると安心です。

オールオン4の治療期間・流れ

オールオン4の治療期間は、一般的に3〜6か月ほどです。骨の状態や体調によっては、もう少し時間がかかることもあります。ここでは、初診から最終的な人工歯の装着までの流れを、わかりやすく紹介します。

初診・カウンセリング

はじめにカウンセリングを行い、治療の希望や不安点をヒアリングします。同時に、口内や全身の健康状態も確認します。疑問や心配な点は、この段階でしっかり相談しておくことが大切です。

精密検査・診断

オールオン4による治療が可能かどうか判断するために、CT撮影や口腔内の写真撮影、噛み合わせのチェックなどを行います。必要に応じて血液検査も行います。これらの検査によってあごの骨の状態を把握することで、患者様に合った治療計画を立てられるようになるのです。

検査結果をもとに治療方針が決定され、治療内容や費用、治療期間について説明されます。同意したら、治療に進んでいきます。カウンセリングから治療計画の立案までは、初診時に行われることが多いです。

手術~仮歯の装着

日を改めて通院し、4本のインプラントを埋入する手術を行います。場合によっては、先に抜歯手術が行われることもあります。問題なくインプラントを埋入できたら、仮歯を装着します。手術当日に仮歯を装着するため、その日のうちに食事を取ることも可能です。

治癒期間

手術後、インプラントが骨と結合するまで、3~6か月程度の治癒期間が設けられます。この期間中、経過観察のため数回通院しますが、基本的には仮歯を使って日常生活を送ることができます。

最終的な人工歯(ブリッジ)の装着

インプラントと骨との結合が確認できたら、型取りをして人工歯を製作・装着します。問題なく装着できれば、治療は完了です。

ただし、長持ちさせるために、治療完了後も3〜6か月ごとに通院し、医師によるチェックやメンテナンスを受けるようにしましょう。

総入れ歯・ザイゴマインプラントとの違い

歯をすべて失った際の治療法として、オールオン4以外にも、総入れ歯やザイゴマインプラントという選択肢があります。ザイゴマインプラントはオールオン4とは異なり、あごの骨ではなく、頬骨にインプラントを埋め込む治療法です。骨移植手術が不要であり、治療期間を短縮できる可能性があります。

それぞれの治療法には特徴や適応範囲、費用などで違いがあるため、患者様の口内の状態や希望に合わせて選ぶことが大切です。

オールオン4・ザイゴマインプラント・総入れ歯の比較表

まとめ

オールオン4は、4本のインプラントで見た目と機能の両方を短期間で回復できる、先進的かつ実用性の高いインプラント治療です。従来の総入れ歯にありがちな不安定さや違和感を解消しつつ、手術回数や治療期間を最小限に抑えられるため、多くの方にとって現実的な選択肢となり得ます。

一方で、健康保険が適用されず治療費が高額になりがちな点や、すべての症例に適応できるわけではない点には注意が必要です。総入れ歯やザイゴマインプラントといった他の治療法と比較し、ぜひご自身に合った治療法を見つけてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、治療の効果や結果を保証するものではありません。実際の適応や治療内容は、歯科医師による診断に基づいて決定されます。

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