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インプラント治療 2025/09/19

即時荷重インプラントとは?費用やリスクなどを通常のインプラントと徹底比較

インプラント治療は、失った歯を自然に近い形で取り戻せる方法として広く行われています。従来のインプラントでは、埋め込んだインプラント体が骨としっかり結合するまで待機期間を設けるのが一般的です。この結合を待つことで長期的に安定した治療結果につながりますが、その間は仮歯を使わないケースもあり、手術から最終的な歯が入るまでどれくらいかかるのかを不安に感じる方も少なくありません。

そうした声から注目されているのが即時荷重インプラントです。手術当日または数日以内に仮歯を装着できるため、見た目や生活への影響を抑えられる新しい治療法です。

本記事では、即時荷重インプラントについて、通常のインプラントとの違いやメリット・デメリット、費用、治療の流れまで詳しく解説します。

即時荷重インプラントとは

即時荷重インプラントとは、インプラント手術を行ったその日、もしくは数日以内に仮歯を装着できる治療法です。

従来のインプラント治療では、インプラント体(人工の歯の根)を埋め込んだあと、骨としっかり結合するまで2〜6か月ほど待機する必要があり、その間は歯がない状態や取り外し式の仮義歯で過ごすケースがありました。

一方で、即時荷重インプラントでは、手術直後から仮歯を入れることができます。これにより、「歯がない期間」をほとんど作らずに治療を進められるのが大きな特徴です。会話や見た目の不安を減らせるだけでなく、軽い食事や日常生活にも早い段階で対応しやすくなります。特に前歯の治療では、自然な見た目をすぐに回復できるため安心につながります。

ただし、すべての症例に適応できるわけではありません。骨の量や質、噛み合わせの状態、インプラントの安定性、さらには全身の健康状態など、一定の条件を満たす必要があります。そのため、治療を希望される場合は、CT検査などによる精密な診査と歯科医師による適切な診断が欠かせません。

通常のインプラントとの違い

即時荷重インプラントと通常のインプラントの主な違いは、人工歯の装着タイミングにあります。通常のインプラントは、インプラント体を埋入した後、骨との結合を待つ期間があり、人工歯の装着は2~6か月後になります。

一方、即時荷重インプラントでは、この治癒期間を待たずに手術直後から仮歯を装着できます。これにより、見た目や機能を早期に回復させることが可能です。また、治療全体の期間や通院回数も異なります。

即時荷重インプラントのメリット

即時荷重インプラントは、見た目への配慮など、患者様にとって多くの利点を持つ治療法です。特に、歯を失った直後の不安定な時期に、仮歯を早期に装着できる点は、審美面だけではなく、精神的な安心感にもなる要素とされています。

また、長期的にみても、適切な条件のもとで行われれば通常のインプラントと同様の安定性と耐久性が期待できるとされており、治療の満足度も高い傾向にあります。ここでは、即時荷重インプラントが持つメリットを紹介していきます。

見た目への影響が少ない

即時荷重インプラントの大きなメリットの一つは、見た目への影響が少ないことです。特に、前歯のように他人の目に触れやすい部分の治療において、歯がない状態で過ごす期間が短いのは、心理的なストレスを大きく軽減してくれます。

通常のインプラント治療では、人工歯の装着までに数か月の期間を要し、その間は仮義歯や空隙が生じることもあります。

一方、即時荷重では審美性を保ちながら治療が進行するため、仕事や人前に出る機会が多い方にとって、大きな安心材料なのではないでしょうか。

日常生活への影響が小さい

即時荷重インプラントでは、仮歯をすぐに装着するため、食事や会話といった日常生活における機能を早期に回復することができます。見た目だけではなく、咀嚼や発音といった基本的な機能がある程度保たれることにより、治療期間中の生活の質を大きく損なわずに済みます。

特に、治療後すぐに人前に立つ必要がある職業の方や、外食の機会が多い方にとっては、従来のインプラントと比べてストレスが少なく済むと感じる傾向があります。

通院回数が少なくて済む

即時荷重インプラントは治療初期に仮歯を装着するため、従来のように、インプラント体の埋入→治癒期間→人工歯の装着、という段階的な通院が不要になる場合があります。その結果、全体的な治療期間が短縮され、通院回数も抑えられる傾向があります。

特に、仕事や家庭の都合で頻繁に通院するのが難しい方にとっては、大きな利点となるでしょう。もちろん、経過観察や調整のための通院は必要ですが、それでもトータルで見ると負担は軽減されることが多いです。

時間的・身体的負担を少なく治療を進めたい方にとって、即時荷重インプラントは有力な選択肢となります。

費用を抑えやすい

即時荷重インプラントは、一見すると高度な治療法であるため、費用が高くなる印象を持たれがちですが、実際には通院回数の削減や治療期間の短縮によって、トータルコストを抑えられるケースもあります。

治療内容によっては通常のインプラント治療と同程度かやや高めになることもありますが、通院回数が少ない分、時間的・経済的な負担が軽く感じられる場合もあります。

ただし、料金体系は歯科医院ごとに異なるため、事前に詳細な見積もりを確認し、自分に合った治療プランを選ぶことが重要です。

即時荷重インプラントのデメリット

即時荷重インプラントには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットやリスクも存在します。特に、全ての方が適応できるわけではない点や術者の高い技術力が求められる点などには注意が必要です。

また、インプラント体に早期から荷重がかかることで、条件によっては安定性が損なわれる可能性もあります。ここでは、即時荷重インプラントのデメリットを紹介していきます。

治療時間が長くなりやすい

即時荷重インプラントでは、治療計画の準備や手術時の工程は通常よりも複雑になりやすいため、1回あたりの治療時間が長くなる傾向があります。

特に手術当日は、インプラントの埋入と同時に仮歯の装着まで行う必要があり、精密な位置調整や噛み合わせの確認に時間を要します。加えて、術前の検査やシミュレーションも入念に行う必要があるため、トータルで見ると治療にかかる時間が長くなるケースも少なくありません。

しかし、治療全体で見てみると、通常のインプラントよりも短い期間で完了できるケースが多いです。

インプラントが脱落するリスクが高くなる

骨の状態や初期固定が十分でないと、インプラントの安定性に影響が出る可能性があります。

通常のインプラント治療では治癒期間中にしっかりと骨と結合する時間が確保されるため、脱落のリスクは低いとされています。その点、即時荷重インプラントではこの時間が短いため、事前の精密な診断と適切な外科的処置が非常に重要になります。

食事制限がある

即時荷重インプラントでは、仮歯を装着しているとはいえ、治療初期の段階ではインプラント体と骨の結合がまだ完全ではありません。そのため、治療後しばらくの間は硬い食べ物や粘着性のある食品を避ける必要があり、食事内容に一定の制限がかかります。

例えば、せんべいやフランスパンのような硬い食品、ガムや餅のように粘着性の高い食品は避けるよう指導されることが一般的です。無理に噛むとインプラントに過度な負荷がかかり、結合が不安定になったり、最悪の場合脱落したりするおそれもあります。

治療の成功率を高めるためにも、術後の食事指導を守ることが重要です。

適応できない場合がある

即時荷重インプラントはすべての方に適応できるわけではなく、一定の条件を満たしていないと治療が行えません。例えば、インプラントを埋入する部位の骨量が不足していたり、骨の密度が低かったりする場合には、初期固定が得られにくく、即時荷重の適応外となる可能性があります。

また、重度の歯周病や全身疾患(糖尿病・心疾患など)を抱えている方、喫煙習慣がある方も治療の成功率が下がるため、慎重な判断が必要です。こうしたリスクを避けるためにも、治療を希望する際は歯科医師による綿密な診査と、他の治療法との比較検討が欠かせません。

即時荷重インプラントの適応条件

即時荷重インプラントは、すべての方が受けられる治療法ではなく、いくつかの条件を満たしている必要があります。その中でも特に重要なのは、インプラントを埋入する部位に十分な骨量と骨の密度があることです。骨がしっかりしていないと、インプラント体が初期段階で安定せず、荷重に耐えられない可能性があります。

また、インプラントの初期固定が十分に得られるかどうかも判断基準の一つです。手術中にインプラントの動揺が認められる場合は、即時荷重を避けるのが一般的です。加えて、患者様自身の健康状態やライフスタイルも大きな要因です。糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患を抱えている場合や喫煙習慣がある場合は治癒能力が低下し、インプラント治療全般のリスクが高くなります。

このため、即時荷重インプラントを希望する際は担当の医師と相談し、慎重に判断する必要があります。条件が合わず、即時荷重インプラントが適応できない場合は、通常のインプラントなど他の治療法が検討されます。

即時荷重インプラントの治療期間

即時荷重インプラントの大きな特徴の一つが、治療期間の短さです。通常のインプラント治療では、インプラント体を埋入した後、2〜6ヶ月の治癒期間を経てから人工歯を装着するのが一般的です。

一方、即時荷重インプラントでは、手術当日または数日以内に仮歯を装着できるため、見た目と機能を早期に回復できます。

ただし、最終的な人工歯(上部構造)を装着するまでは、一定期間の経過観察が必要となります。仮歯の装着後、インプラントと骨の結合を確認し、安定性が得られた段階で本歯を作製・装着する流れとなるため、トータルでは3〜6か月程度の治療期間を見込むのが一般的です。

患者様の歯並びによっては、それ以上の期間がかかる場合もあります。実際にかかる期間については、治療開始前に歯科医師に確認するようにしましょう。

即時荷重インプラントにかかる費用

即時荷重インプラントの費用は、治療の難易度や使用する素材、通院する歯科医院の設備や地域によっても異なりますが、1本あたり40万円〜60万円程度が相場とされています。これは通常のインプラントと同程度か、やや高額になる場合もあります。

即時荷重インプラントでは、手術と同時に仮歯を装着するため、事前のシミュレーションや技工物の準備がより精密になります。そのため、準備工程が多い分、コストに反映される傾向があります。

ただし、治療期間の短縮や通院回数の削減により、交通費や時間的コストが抑えられる点も考慮すると、全体としての負担は大きく変わらない、あるいはむしろ効率的と感じる方も少なくありません。

費用に関して不安がある方は、複数のクリニックで見積もりを取るようにしましょう。

即時荷重インプラントの治療の流れ

即時荷重インプラントの治療は、精密な診査と計画をもとに進められます。以下の流れで治療が進行します。

1. 初診・カウンセリング

最初に、患者様の歯の状態を確認し、悩みや希望をお聞きします。必要に応じて、CT撮影や口腔内スキャンを行い、骨の状態や噛み合わせを確認します。この精密な検査により、即時荷重インプラントが適応可能かどうか、判断されます。

2. 治療計画の立案

検査結果をもとに、治療内容や費用、期間などの詳細な説明を行い、治療計画が立てられます。この段階で、治療に関する重要な情報が患者様に伝えられ、同意を得ます。

3. 手術と仮歯の装着

治療計画に基づき、インプラント体を顎の骨に埋め入れます。同時に、仮歯を装着し、噛み合わせや見た目の調整も行います。この段階で、患者様は仮歯を付けた状態で生活を始めます。

4. インプラントと骨の結合確認

インプラントと骨がしっかりと結合したことを確認した後、最終的な人工歯を装着して治療が完了します。

まとめ

即時荷重インプラントと通常のインプラントの比較表

即時荷重インプラントは、手術当日または数日以内に仮歯を装着できるため、見た目や機能を早期に回復したい方にとって非常に魅力的な治療法です。通院回数が少なく、日常生活への影響も最小限に抑えられるという多くのメリットがあります。

しかし、一方で、脱落のリスクや適応条件の厳しさといったデメリットもあるため、治療を選ぶ際は慎重に検討することが重要です。

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