矯正歯科治療に失敗しないための歯医者の探し方
矯正歯科治療は、数年に及ぶものであり、受けるからには失敗したくないですよね。ただ、日本にはたくさんの矯正歯科がありますし、どこに治療をお願いしたら良いのか迷っている人が大半といえます。
矯正の方法に関しても、メタルの装置しか選択できないと思われている方もいらっしゃいますが、実際は多様な選択肢が用意されています。ですから、満足のいく矯正治療を受けるためには、より良い歯医者さんを探すことが大切です。
ここではそんな矯正歯科治療を失敗しないための歯医者さんの探し方についてわかりやすく解説します。
歯医者さんのリサーチ方法
矯正の歯医者さんを探す際には、以下の手順でリサーチしていきましょう。
第三者サイトで客観的な情報を集める
最近では、全国の歯科医院の情報を集めて整理し、わかりやすい形で発信しているサイトが存在しています。第三者の立場でフラットな情報を提供しているので、歯医者さん選びに活用しやすいです。
気になる医院のホームページで治療方法を確かめる
第三者サイトで気になる歯科医院が見つかったら、オフィシャルのホームページを訪問してみましょう。
院長の経歴やこれまでの治療実績、対応している治療法なども詳しく記載されているはずです。矯正に関する知識も深まることでしょう。
口コミを見て患者の満足度を確かめる
是非とも治療を受けてみたいと思える歯科医院を探したら、口コミを調べることも大切です。実際に治療を受けた患者さんがどのような感想を持ったのか、知りたいですよね。
患者さんの満足度は、より良い矯正医を選ぶ上で非常に重要な情報となります。
歯医者さんを探すときの8つのチェックポイント
矯正歯科の歯医者さんを探す際には、以下のポイントに注目しましょう。
1.矯正歯科治療と審美歯科治療の違い
歯並びをきれいにする治療は、矯正だけに限りません。審美歯科では主にセラミックなどによって、ちょっとした歯並びの乱れなどを治すことができます。
ただ、セラミック治療はあくまで見た目だけを良くするものであり、歯並びの異常を根本から改善できる矯正とは大きく異なります。審美歯科治療では、歯を削らなければならないことも多いため、矯正歯科治療との違いについてはきちんと理解しておく必要があります。
2.矯正歯科認定医・専門医が在籍している
矯正歯科治療は、歯科医師の免許を持っていれば、誰でも行うことができます。講演会に参加したことがある程度でも、矯正歯科を標榜できるのが現状なのです。
そこで重要となるのが「矯正歯科認定医・専門医」の資格を取得しているかどうかです。
その他の診療科と同様、矯正歯科にも専門医制度があります。矯正歯科の認定医や指導医の資格を有している時点で、一定水準以上の知識および経験が保証されます。
3.矯正歯科専門医院と総合歯科医院の違い
■矯正歯科専門医院
矯正歯科専門の医院では、当然のことながら専門性の高い矯正治療が受けられます。けれども、一般歯科の治療が受けられないことが多く、むし歯や歯周病にかかった際には、他の歯科医院を受診しなければならないこともあります。
■総合歯科医院
総合歯科医院では、矯正医が常駐しておらず、予約が取りにくいことがあります。その反面、むし歯や歯周病にかかっても、すぐに対応してもらえるというメリットがあります。
4.カウンセリングが丁寧
矯正ほど、カウンセリングが重要となる治療はありません。患者の話をしっかり聞いてくれるだけでなく、矯正のメリット・デメリットもきちんと説明してくれる歯医者さんを選びましょう。
治療にかかる期間や費用、その内訳についても細かく話してくれる歯医者さんが望ましいです。カウンセリングでマイナスな印象を持った場合は、別の矯正歯科でカウンセリングを受けてみるのも良いといえます。
5.機材が整っている
診査・診断を精密に行い、適切な治療計画を立案するためには、歯科用CTやセファログラムといった機材が不可欠です。そうした設備が完備されている歯科を優先的に選んでください。歯医者さんによっては、セファログラムだけその他の歯科医院で撮影することもあります。
6.複数の矯正装置を取り扱っている
矯正にはいくつかの種類があり、ケースによって最適な装置が異なります。
複数の装置を提示した上で、患者さんに選ばせてくれる歯科医院が望ましいです。マウスピース矯正は、歯科医師にとって比較的ハードルの低い矯正法であり、それだけを取り扱っているところはあまりおすすめできません。
7.トラブルに対応してくれるか
矯正治療には、装置の不具合などのトラブルがつきものです。困った時にきちんと対応してくれる歯医者さんでなければ、日常生活に支障が出てしまいます。
担当医がいなくても、歯科衛生士やスタッフが対応してくれる体制が整っているかなども確認しておきましょう。
8.通院のしやすさ
矯正は、治療期間が数年にわたることから、通院のしやすさは重要です。家から近い、あるいは毎日利用している駅から近いなど、立地条件に注目する必要があります。ただし、専門性が高い治療なので、通いやすさを最優先に置いてはいけません。
まとめ
このように、より良い矯正医を選ぶ上では、上述したポイントに着目してみてください。矯正治療で失敗しないためにも、情報収集と比較検討をしっかり行い、自分に合った歯医者さんを選ぶことが大切です。
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■他の矯正歯科のコラム:https://teech.jp/column/kyoseishika
■矯正歯科の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/kyoseishika-interview
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業