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矯正歯科 2021/04/24

矯正歯科治療におけるリテーナー(保定装置)の重要性

矯正歯科治療におけるリテーナー(保定装置)の重要性

矯正歯科治療は、装置によって歯を移動する「動的治療(どうてきちりょう)」がメインとなりますが、その後は必ず保定期間(ほていきかん)へと移行します。
歯の後戻りを防止するための期間で、リテーナーと呼ばれる装置を用います。リテーナーにはいくつかの種類があり、メリット・デメリットもそれぞれで異なります。ここではそんな矯正歯科治療におけるリテーナーの特徴と重要性についてわかりやすく解説します。

リテーナーってそもそも何?

リテーナー(保定装置)とは、矯正で動かした歯の後戻りを防止するための装置です。
歯列矯正というと、マルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置が思い浮かぶかと思いますが、矯正治療を受けた人は、必ずリテーナーも装着することとなるため、その役割やメリット・デメリットは事前にしっかり把握しておきましょう。

リテーナーの役割

リテーナーの役割は「保定」です。例えば、八重歯をマルチブラケット装置で正常な位置へと移動した場合、リテーナーを装着せずにいると、犬歯が再び歯列の外側に移動します。そうした歯の後戻りという現象を抑えるのがリテーナーの役割です。

なんで「後戻り」するの?

出っ歯や乱ぐい歯といった歯列不正は、残念ながらその人にとっては自然な状態といえます。顎の骨が小さい、幅が狭い、歯のサイズが大きい、などの理由から、前歯が前方に飛び出したり、1本1本の歯がバラバラな方向を向いたりするのです。
そうした歯並びの乱れを強引に整えるのが矯正治療です。2~3年かけて歯を移動するものの、それはあくまで人為的な処置なので、歯は本来あるべき場所へと戻ろうとします。
もちろん、抜歯などによって十分なスペースが確保されれば、後戻りも起こりにくくなりますが、そのリスクをゼロにするのは不可能です。
特に移動した直後はまだ歯周組織が元の歯の位置に合わせた状態で歯を取り巻いているため、元に戻そうとする力が強く発揮される点に注意しましょう。

リテーナーの種類とメリット・デメリット

リテーナーは、以下に挙げる3種類に大きく分けることができます。

マウスピース

透明な樹脂で作られたマウスピース型のリテーナーです。インビザラインのアライナーのような見た目で、素材は少し硬めです。

■メリット
マウスピースタイプのリテーナーは、装置が目立ちにくく、審美性に優れています。装着感も良好です。食事や歯磨きの際には取り外せるというメリットもあります。価格は上下で2万円程度です。

■デメリット
歯ぎしりや食いしばりなどの習癖があると、リテーナーが破損するおそれがあります。同時に、歯が根元の方へと押し込まれる圧下(あっか)という現象が起こり得ます。
また、その他のリテーナーと比較すると、強度が低く、耐用期間は24ヶ月程度となっています。

プレート

金属製のワイヤーとプラスチックのプレートから成るリテーナーです。マウスピースタイプ同様、着脱式です。

■メリット
奥歯の咬み合わせを安定に適したリテーナーです。食事や歯磨きの際には取り外せます。素材が硬く、半永久的に使用できるというメリットもあります。

■デメリット
プレートタイプのリテーナーには、口を開けると金属製ワイヤーが目立つというデメリットがあります。その他のリテーナーと比べると、装置がやや大きく、装着時の違和感・異物感も大きくなりがちです。上下セットで6万円程度の費用がかかります。

ワイヤー装置

前歯の裏側に金属製のワイヤーを設置するタイプのリテーナーです。

■メリット
ワイヤーは歯列の裏側に設置されるため、審美性は極めて良好です。矯正用ワイヤーの性質上、3次元的な力を加えることが可能であり、保定作用も極めて高くなっています。固定式の装置なので、着脱する手間がかかりません。耐用期間も36ヶ月程度と比較的長くなっています。

■デメリット
ワイヤーが設置されている部位は、歯磨きしにくいです。発音や食事にも多少、悪影響が現れることもあります。また、ワイヤーが外れる、変形するなどのリスクも伴います。

リテーナーを装着する期間と時間

歯の移動に用いた矯正装置は、2~3年の治療期間を要しますが、保定処置に用いられるリテーナーの装着期間、装着時間も気になりますよね。

装着期間

一般的なリテーナーの装着期間は、歯の移動に要した期間と同じくらいです。動的治療が2~3年で完了したのであれば、それと同じくらいの期間、リテーナーを装着することとなります。
ただし、歯の後戻りのリスクを可能な限り低くしたいのであれば、一生涯、リテーナーを装着し続けましょう。リテーナーの装着期間が長ければ長いほど、歯を理想的な位置に固定することが可能となります。

装着時間

保定期間に移行後、半年程度はほぼ24時間装着することになります。食事や歯磨きの時以外は、装着するようにしましょう。半年から1年程度経過すると歯の位置も定着してくるため、夜間や就寝時だけ装着しても問題なくなります。
その後は、1週間のうちに数日だけ装着するなど、徐々に減らしていきましょう。具体的な装着時間は、歯科医師と相談する必要があります。

リテーナー装置の費用

リテーナーの装置の費用は、一般的に上下で6万円程度です。マウスピースタイプは、2万円程度と比較的安価です。いずれにせよ動的治療に用いたマルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置ほど高額な費用はかかりません。

リテーナーのお手入れの方法

リテーナーも毎日きちんとお手入れしなければ、虫歯や歯周病のリスクを引き上げます。場合によっては、装置の変形や破損を引き起こすため要注意です。適切な方法で洗浄・保管しましょう。

リテーナーのお手入れの方法

洗浄方法

■マウスピース・プレート
着脱式の装置であるマウスピースやプレートタイプは、基本的にマウスピース型矯正装置と同じよう法で洗浄します。お口から取り外し、水道の水でやさしく汚れを取り除きます。専用の洗浄剤を用いると、より効率良くきれいにできます。

■ワイヤー装置
ワイヤータイプのリテーナーは、丁寧なブラッシングが必須となります。一般的なワイヤー矯正と同様、歯ブラシだけでなく、ワンタフトブラシやデンタルフロスなども活用しつつ、装置の中に汚れがたまらないようケアしなければなりません。

保管方法

マウスピースやプレートタイプのリテーナーは、取り外した際に専用のケースに保管してください。むき出しのまま放置していると、破損のリスクが高まります。

リテーナー装置、保定期間によくあるトラブル

保定期間中には、リテーナー装置そのものはもちろんのこと、お口の中にもいろいろなトラブルが生じ得ます。ここではそうしたトラブルへの対処法を簡単にご紹介します。

リテーナー装置、保定期間によくあるトラブル

歯茎が痛くなった

保定期間中に歯茎が痛くなった場合、リテーナーの不具合や歯茎の異常が疑われます。すぐに主治医に相談しましょう。リテーナーの調整や歯周組織の治療によって、症状の改善をはかります。

装置がフィットしていない

保定していく中で装置がフィットしなくなったのでれば、リテーナーの変形や破損が考えられます。始めからフィットしていないのであれば、そもそも適合性が悪いので、すぐに調整する必要があります。

歯が凸凹してきた

歯が凸凹してきたということは、歯の後戻りが起こっていることを意味します。リテーナーに不具合がないか、装着時間を守れているかなど、問題点を洗い出しましょう。まずは主治医に相談です。

リテーナーが壊れた

リテーナーが壊れた場合は、できるだけ早く修理、あるいは新製する必要があります。早期に受診しましょう。壊れたリテーナーをそのまま使い続けると、口腔粘膜を傷つけるなど、かえって悪影響が及ぶことあるため、絶対に避けるようにしてください。

リテーナーを失くした

リテーナーをなくした場合は、装置の新製が必要となります。新製後は、再び失くすことがないよう、適切な方法で保管してください。

まとめ

このように、歯を移動した後の保定期間では、必ずリテーナーを装着しなければなりません。保定処置を怠ると、苦労して移動した歯が元に戻ってしまいますので注意が必要です。

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■他の矯正歯科のコラム:https://teech.jp/column/kyoseishika
■矯正歯科の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/kyoseishika-interview
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

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