brand
サイトの特徴・使い方 閲覧履歴 会員登録 ログイン
トップ  -  コラム記事  -  そもそも虫歯って何?虫歯の原因・症状・治療について
虫歯(歯冠修復、欠損補綴) 2021/02/11

そもそも虫歯って何?虫歯の原因・症状・治療について

そもそも虫歯って何?

虫歯になると、歯が黒くなる、痛い、しみる、腫れるといった症状を想像されるのではないでしょうか?これらの自覚症状は、ある程度虫歯が進行した状態で現れます。虫歯は気づかないうちに、進行しています。
今回は、原因や症状、治療法など、“虫歯とは?”について、総合的にご説明いたします。

虫歯とは

虫歯とは、歯が虫食い状に変色や、欠けることからできた一般的な呼び名です。
医学用語では、【齲蝕(うしょく)】と呼びます。

虫歯になるとどうなる⁉

虫歯になると、自覚症状として、冷たい飲み物や、甘いものがしみるといった症状が現れます。初めは、何かのきっかけによって痛みや不快感を生じますが、虫歯が進行すると、刺激がなくても激しい痛みや、重苦しい感じなど不快な症状が継続します。
ただ、残念ながら、虫歯は自然には治癒しません。
虫歯は、早い段階で虫歯を発見すれば、短時間の1回の治療で完了することができます。しかし、進行した虫歯の場合には、神経を取り除くことや、抜歯することが必要になってしまいます。

虫歯になりやすい人とは?

 “1日3回歯磨きを行っているのに、虫歯になりやすいのはどうしてだろう?”、“歯が弱いのかな?”と、ご自身ではしっかりと予防を行っているのに、虫歯になりやすい人がいます。
歯並びや、お口の乾燥、口呼吸、歯の被せ物など、虫歯になりやすい原因がいくつかあるので、ご自身のお口の状態にあった予防方法を歯科医師に相談すると良いでしょう。

虫歯の原因

では、具体的な虫歯の原因についてご説明いたします。
虫歯は50年以上前に提唱された“Kyes(カイス)の輪”という考えがあります。
虫歯の原因には①宿主(歯の質)②細菌③環境(食べ物)があり、それぞれの原因(輪)が重なり合うと、虫歯が発生しやすいという理論です。近年は、これらの3つに④時間が追加された考えが主流になってきました。

“Kyes(カイス)の輪”

①宿主

宿主(しゅくしゅ)とは、簡単に言うと、皆さんのお口のことです。
具体的には、歯並びや、被せ物の有無、口腔乾燥など唾液量の減少などが挙げられます。

②細菌

虫歯菌は、代表的なものでストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)というものをはじめとして、様々な種類があります。
これらの細菌の数や、活動性(虫歯を作る働きをしているか)が虫歯発生の鍵となります。

③環境

環境とは、食べ物の種類や、食事の回数などのことです。
キャラメルのような粘着性の食べ物や、間食の回数が原因になります。

④時間

時間とは、①~③の原因に長い時間さらされることで虫歯が発生しやすくなることを表しています。例えば、だらだらと”ながら食べ”をすることや、食後歯磨きをしないことなどが挙げられます。

虫歯の発生のしくみ

虫歯には、4つの原因があることはすでにご理解いただけたかと思います。
では、虫歯になると、歯にはどのようなことが起こっているのでしょうか?

歯の構造

歯は、最表面から エナメル質→象牙質→歯髄(歯の神経)という構造でできています。歯肉の中に隠れている歯根にはセメント質という構造があります。

歯の構造

虫歯のでき方

虫歯の始まりは、お口の中に残った汚れに細菌が住み着き、プラーク(歯垢)を形成することです。歯と歯の隙間や、歯肉との境目、奥歯の溝など、歯ブラシで磨き残しが多い部分によく起こります。
虫歯が発生すると、細菌がプラーク(歯垢)を餌として作る“酸”によって、歯を溶かしていきます。歯の最表面にあるエナメル質を溶かしている段階では痛みがありませんが、象牙質や神経まで進行すると痛みや不快感が現れはじめます。

虫歯の症状

虫歯は、英語でカリエス(Caries)と呼ばれ、頭文字のCをとって、進行度を表します。それぞれのステージの症状をご説明いたします。

虫歯の進行レベル

C0

歯の表面に白く濁ったスポットや、ザラついた質感が発生します。痛みはなく、ケアを行うことで、再石灰化という唾液働きによって元通りになることが期待できます。

C1

虫歯がエナメル質の中にとどまっている状態です。痛みはありませんが、黒くなったり、濁った変色が起こっています。

C2

虫歯がエナメル質の下にある象牙質まで進行した状態です。
この段階から自覚症状が現れてきます。冷たいものや甘いものを摂取した際に、しみたり、痛みを感じる深い症状が発生します。

C3

象牙質の下にある神経まで虫歯が進行している“歯髄炎”、“根尖性歯周炎”という段階です。
かなり深い位置まで虫歯が進行しているため、痛み止めを服用するほどの強い痛みが発生します。

C4

虫歯がかなり進行し、神経が死んでしまっています。歯がボロボロに崩れていることが多いため、歯の保存が難しいことが多いです。

虫歯の治療

虫歯は、進行度によって、治療法が異なります。
進行が初期の段階では、治療回数や費用が少なく済みますが、虫歯が進行すると治療回数や時間が多くかかります。

C0

適切な歯磨きや、フッ化物(歯を強くする薬剤)を塗ることで白濁を治していきます。

C1

主に、虫歯の部分を削り、レジンという白いプラスチックの歯科材料を詰める治療です。エナメル質の範囲内のため、虫歯を削っても痛みは感じません。治療1回、30分程度で終了します。

C2

小さな虫歯の場合には、C2の段階でも削ってレジンを詰めることで治療を終えることができます。この場合の治療回数はC1の時と同じです。
しかし、削る範囲が大きい場合には、詰め物や被せ物の治療が必要となるため、治療回数で2回、治療期間は1~2週間を想定しておきましょう。

C3

根管治療(神経を除去する治療)のため、複数回の通院が必要です。虫歯により神経に炎症が起こり痛みをともなうため、痛み止めや抗菌薬(化膿止め)の処方がある場合もあります。根管治療を終えた後は、土台を作り被せ物をセットします。
治療回数は根管治療で3回以上、被せ物で3回以上はかかるので、1か月程度の治療期間を想定しましょう。

C4

残念ながら抜歯が必要です。感染源となる歯を残しておくことは、他の歯の虫歯や歯周病のリスクや、口臭の原因にもなるため、早めに抜歯をすることをお勧めします。歯が無くなったスペースには、ブリッジ(隣り合う歯を削ってつなげた被せ物)や、入れ歯、インプラントなどの治療を行います。
治療回数は、①歯を抜く、②消毒の計2回の他に、被せ物や入れ歯、インプラントの治療回数が必要です。歯を抜いたスペースの歯肉が元通りになってから被せ物や入れ歯、インプラントの治療を開始するため、治療期間は長くかかります。

まとめ

虫歯について総合的にご説明いたしました。虫歯の原因や仕組み、症状、治療方法などご理解いただけたでしょうか?虫歯は早めに治療できれば、治療回数や費用を抑えることができます。
定期的に歯科受診を行い、虫歯の早期発見に努めましょう。まずは、かかりつけ歯科医をみつけることをお勧めします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■他の歯冠修復、欠損補綴(虫歯)治療のコラム一覧:https://teech.jp/column/mushiba
■歯冠修復、欠損補綴(虫歯)治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/mushiba-interview
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【コラム監修歯科医師】
岡本歯科医院 院長 岡本徹先生
▼医院について
Teech掲載ページ:https://teech.jp/hospital/658
医院ホームページ:https://www.okamoto-d.net
 〒146-0091 東京都大田区鵜の木2-15-19
▼経歴
1986年 東京医科歯科大学 歯学部 卒業
2011年 公益社団法人東京都大田区大森歯科医師会 初代会長
2015年 岡本歯科医院 院長就任
▼役職
東京都歯科医師連盟 専務理事
公益社団法人東京都大田区大森歯科医師会 監事
全日本歯科医師剣道連盟 理事長
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【コラム執筆歯科医師】
木坂里子
東京医科歯科大学卒業 現役歯科医師として勤務

この記事の関連コラム
1 / 3
歯がズキズキ痛い!歯の神経が悪くなると、どのような症状がでるの?
神経の治療(根管治療)
「歯がズキズキ痛い」場合、あきらかに虫歯が疑われます。「歯痛」は虫歯の代表的な症状ですよね。けれども
神経がない歯を白くする方法
神経の治療(根管治療)
大きな虫歯などが原因で歯の神経を抜く治療をした場合、しばらくしてその歯が黒っぽく変色してしまうことが
歯の神経を残す根管治療(歯内療法)
神経の治療(根管治療)
虫歯というのは、一種の感染症なのですが、風邪のように自然に治ることはありません。治療を受けずに放置す
抜歯する前に検討すべき根管治療(歯の神経の治療)とは
神経の治療(根管治療)
虫歯が進行し、保存することが難しい場合には、残念ながら抜歯をすることになります。しかし、歯を失うこと
根管治療
神経の治療(根管治療)
虫歯が進行すると「根管治療(こんかんちりょう)」と呼ばれる歯の神経の処置が必要となる確率が高まります
歯の神経
神経の治療(根管治療)
私たちの歯はエナメル質と象牙質という、とても硬い組織で覆われていますが、冷たさや熱さ、痛みなどを感じ
歯の神経を抜くメリット・デメリット
神経の治療(根管治療)
大きな虫歯などで歯の神経に炎症が起こった場合、多くのケースで神経を抜く治療が必要なります。一方で歯に
根管治療(歯の神経の治療)の費用はいくら?~保険診療vs自由診療~
神経の治療(根管治療)
根管治療では、保険診療か自由診療を選択することができますが、自由診療を選ぶことによって、精密な治療に
根管治療(歯の神経の治療)に”時間”と”回数”がかかる理由
神経の治療(根管治療)
根管治療は、治療の回数や時間がかかる処置です。「なんで何回も通うの?」「いつ終わるの?」と不安になる
歯の神経を抜くことも? 歯髄炎の原因と治療法
神経の治療(根管治療)
大きな虫歯でズキズキとした強い痛みをともなう場合、多くのケースで神経を抜く治療がおこなわれます。これ
再発率が高い!?根管治療(歯の神経の治療)が得意な歯医者の見つけ方
神経の治療(根管治療)
根管治療とは、感染した歯髄を除去し、根管内に薬剤を充填する治療方法です。適切な薬剤で根管内を消毒でき
根管治療(歯の神経の治療)は失敗しやすい!? 再発する要因と対処法
神経の治療(根管治療)
“以前、神経を取ったはずなのに、また治療が必要なの?”、“時間のかかる神経の治療を繰
根管治療(歯内療法)で使用するゴムシート(ラバーダム)
神経の治療(根管治療)
皆さんは「ラバーダム」というゴム製のシートをご存知でしょうか?歯の根っこの治療で装着する器具なのです
歯の神経を抜く(根管治療)ときに知っておきたい10のこと
神経の治療(根管治療)
歯医者さんでよく耳にする“歯の神経を抜く”という言葉。これを聞いて「そもそも“神経&rd
歯の神経の治療は保険外治療(自由診療)が良いの?
神経の治療(根管治療)
重症化した虫歯では、歯の神経の治療が必要となります。専門的には「根管治療(こんかんちりょう)」と呼ば
歯の神経が死ぬ原因と対処法
神経の治療(根管治療)
歯の一番内側にある歯髄(しずい)という組織の中には、歯の感覚をつかさどる神経が含まれています。この神
根管治療(歯の神経の治療)の方法と流れ
神経の治療(根管治療)
歯根には、歯髄と呼ばれる神経や血管からなる結合組織で満たされた“根管”という空洞があります
根管治療(歯の神経の治療)の痛みの原因と対処法
神経の治療(根管治療)
歯の神経の痛みは、ズキズキした鋭い痛みや、鈍い痛み、重苦しい感じなど様々な不快な症状を感じます。歯の
歯が折れた!その場合はどうするの?(歯根破折)
神経の治療(根管治療)
歯は再生することがないかけがえのない組織ですので、何らかの拍子に折れてしまったら「取り返しがつかない
Feature Teechの特徴
1

あなたの「今の症状に合った」歯科医院が探せます

icons

歯科医院が広告掲載する際、得意な治療1つのみを選択し広告しています。これにより2つのメリットが得られます。

①あなたの今の症状に合った治療を1番得意とする歯科医院のみ検索できます。

②表示される歯科医院の数が絞られるため、今の症状に合った歯科医院を効率よく検索できます。

2

その歯科医院で「本当に治療した患者さんの口コミ」を掲載

icons

歯科検索サイトには、その歯科医院で治療を受けていない方の口コミが散見されますが、Teechへの口コミ投稿には、領収書の添付を必須としているため、本当にその歯科医院で治療した患者さんの口コミが掲載されています。また、口コミ点数・件数によって検索結果が上下しないため(標準検索した場合)、サクラの口コミ投稿の誘因を減らしています。

3

「プロが選ぶプロ」の歯科医院を探せます

icons

掲載している医院に3医院(自医院を除く)までオススメできる機能を付与することで、プロが選ぶプロの歯科医院を探せます。

4

「先生の人柄」が分かるご挨拶動画を設置

icons

外からは見えにくい歯科医院ですが、事前に先生の人柄が伝わるように、院長のご挨拶動画を掲載しております。

歯冠修復、欠損補綴
得意歯医者今すぐ探す