歯の神経ってなに?歯の神経が悪くなるとどうなるの?
私たちの歯はエナメル質と象牙質という、とても硬い組織で覆われていますが、冷たさや熱さ、痛みなどを感じることができますよね。これは歯に神経が通っているからです。歯の神経は、他の組織と同じようにとても重要な役割を担っていることから、悪くなることで大きな悪影響が生じます。ここではそんな歯の神経の構造や機能、虫歯などによって生じる異常についてわかりやすく説明します。
▼歯の神経とは?
歯の神経は、専門的に「歯髄(しずい)」と呼ばれるもので、歯質の内部に存在しています。歯の内部には「歯髄腔(しずいくう)」という空洞があり、その中に歯髄が収まっているのです。そんな歯の神経はエナメル質に分布していないことから、軽度の虫歯で痛みを感じることはありません。
▼虫歯が象牙質にまで達すると痛みを感じる
虫歯菌がエナメル質を溶かし、その下を覆っている象牙質にまで達すると「歯痛(しつう)」という痛みが生じるようになります。知覚過敏などで冷たいものがしみるのも、何らかの理由でエナメル質に傷がつき、象牙質にまで冷刺激が届くようになるからです。
▼重度の虫歯で激痛が生じる理由
虫歯が重症化すると、歯の神経にまで到達します。歯の神経は冷たさや熱さなどを感じ取る組織なので、虫歯菌に直接侵されたら激しい痛みも生じるものです。そのため、歯痛に我慢できずになくなく歯科を受診される方は、もうすでにかなり進行した虫歯であると考えた方が良いです。ちなみに、歯の神経は少しでも虫歯菌に侵されてしまうと、保存することは困難となります。いわゆる「抜髄(ばつずい)」という神経を抜き取る処置が必要となるのです。
▼歯の神経がなくなるとどうなるの?
歯の神経は、単に外からの刺激を感じ取るだけではなく、歯に対して栄養を供給する役割も担っています。ですので、歯の神経が悪くなったり、死んでしまったりすると、歯そのものの寿命が縮まるものとお考えください。栄養供給が絶たれた歯は、ちょっとした刺激でも簡単に割れたり、ひびが入ったりするようになります。歯全体が黒ずんでいくのも、神経が死ぬことによる大きなデメリットのひとつといえます。
▼まとめ
このように、歯の神経は歯そのものの健康状態を維持する上で必要不可欠なものですので、大切にしましょう。歯の神経は虫歯だけではなく、外傷などによっても死んでしまうことがありますので注意が必要です。何より、虫歯を予防あるいは重症化させないことが最重要といえます。
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
【コラム執筆歯科医師の紹介】
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長崎大学歯学部歯学科卒業