歯が折れた!その場合はどうするの?
歯は再生することがないかけがえのない組織ですので、何らかの拍子に折れてしまったら「取り返しがつかない」と諦めてしまう方も多いかもしれませんね。どうすることもできないからそのままにしようと、放置してしまうケースもあります。けれども、歯の折れ方や対処の仕方によっては、大切な歯を残す、あるいは元に戻すことも可能です。ここではそんな歯が折れたときの対処法についてわかりやすく解説します。
▼歯が折れた部分による違い
歯は、頭の部分である「歯冠(しかん)」と根っこの部分である「歯根(しこん)」の2つによって構成されています。ですから、歯の割れ方も「歯冠破折(しかんはせつ)」と「歯根破折(しこんはせつ)」の2種類に分けることができるのです。
▼歯冠破折は元に戻しやすい
歯冠破折の場合、割れた状態が良ければそのまま元に戻すことも可能なケースが多いです。詰め物や被せ物のように、接着剤を使って元の位置に貼り付けます。ですから、歯の破片は捨てずに保管するようにしましょう。ただ、歯が粉々に割れたり、破片や歯そのものが汚染されてしまったりすると元に戻すのは困難となります。
▼歯根破折は抜歯になりやすい
歯根が破折した場合、抜歯が適用されるケースが比較的多いといえます。なぜなら、歯根の破折線というのは、外から見ることができないばかりか、適切な処置を施しにくい傾向にあるからです。例えば、歯冠から歯根にかけて、縦の破折線が一つ入ったら、それはもう歯根の先の方まで細菌汚染が起こっているものと考えられますので、治療の施しようがなくなります。破折が歯根の先の方で起こって、なおかつ水平的なものであれば、特別な処置を加えず固定するだけでも歯を保存することが可能なケースもあります。
▼できるだけ早く歯医者さんに診てもらう
歯が割れたり欠けたりしたら、必ず歯医者さんに診てもらう必要があります。それも1分1秒でも早く歯科を受診した方が良いといえるでしょう。折れた歯というのは、時間が経過するほど汚染される可能性も高まるからです。また、折れた歯の破片は軽く水でゆすぐ程度にとどめ、プラスチックの容器などに保存した状態で歯科まで持参することが大切です。
▼まとめ
このように歯冠破折にしろ、歯根破折にしろ、歯が折れた際にはすぐに歯医者さんへ行きましょう。正確な状態を把握できるのは歯医者さんだけですし、場合によっては元に戻せることもあります。逆に、放置をすると悪影響しかりませんのでご注意ください。
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
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長崎大学歯学部歯学科卒業