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神経の治療(根管治療) 2021/01/29

根管治療(歯の神経の治療)の費用はいくら?~保険診療vs自由診療~

根管治療では、保険診療か自由診療を選択することができますが、自由診療を選ぶことによって、精密な治療により再発のリスクを防止することができます。本記事では、保険診療と自由診療の特徴についてご説明いたします。

保険診療の計算の考え方

日本は皆保険制度であるため、歯科治療は健康保険を利用できます。健康保険でカバーできる治療は虫歯や歯周病といったニーズの多い治療です。

保険診療でできる治療とは

保険で治療できるお口のトラブルは、虫歯の治療や歯周病、被せ物や入れ歯などが挙げられます。大半の困りごとを解消することができますが、治療に用いる材料や機材を指定されているため、歯並びや被せ物の見た目といった審美性、根管治療における治療精度には制限があります。

保険診療で支払う費用とは

月に一度、健康保険証を提示することで、かかった医療費のうち、歯科医院で支払う金額が3割負担になります。75歳以上の方は収入によって、1割~2割の自己負担となります。 保険診療はそれぞれの処置に点数が設定され、項目ごとの点数を加算していきます。合計に×10をした数が当日の治療費の総額です。

■例:前歯抜歯の自己負担金額
再診料53点+前歯抜歯1本155点=208点
自己負担3割の場合、
208点×10×0.3=624円

※実際は、レントゲンや薬代などがかかるので、上記の価格は計算方法の例です。

健康保険を使用しない自由診療とは

保険診療以外を、自由診療と呼びます。この場合、全額自己負担となるため高額です。自由診療は、歯科医院によって価格が異なります。 例えば、Aクリニックでは、セラミックの歯が1本7万円、Bクリニックでは8万円といった違いです。価格は、再診料や検査費用、仮歯代などそれぞれの項目を歯科医院独自で設定できます。自由診療を選択する場合には、治療の総額を確認することが大切です。

保険診療と自由診療の費用の目安

自由診療は、同じ処置であっても保険診療に比べると高額です。自由診療の場合、材料や機材に制限がないため、選択肢が増えます。 保険診療と自由診療の費用について根管治療を例にご説明いたします。

保険診療の費用の目安

保険診療の費用は、全国一律で設定されています。 同じ処置内容であっても、大学病院など一定の施設基準を満たす場合には、再診料などの基本料に点数加算があるため、総額が異なります。 具体的に、根管治療の場合の費用についてみてみましょう。

・抜髄(歯の神経を抜く) 2300~5690円
・感染根管治療      1,560~4,460円
・調薬          300~540円
・根管充填        720~1,220円
・加圧根管処置      1,360~2,080円
※本数によって値段は異なります

自由診療の費用の目安

自由診療は、それぞれの歯科医院が価格を独自に設定できます。 根管治療では歯の種類の他に、初回か再発かによっても価格が異なるところが多いようです。

■初めて行う根管治療の場合
・前歯  80,000円
・小臼歯 100,000円
・大臼歯 120,000円

■再根管治療の場合
・前歯  100,000円
・小臼歯 120,000円
・大臼歯 150,000円

それぞれの歯科医院で異なるため、上記価格は、参考価格です。 歯科医院によって設定が異なるので、総額でいくらになるかを確認することが大切です。歯科医院によっては、仮歯料金や検査費などを含む場合もあれば、別途請求のところもあるので、内訳を確認しましょう。

保険診療と自由診療の治療回数の違い

保険診療で行う根管治療の場合は少なくとも3回、臼歯(奥歯)の場合には5回程度の回数を想定するとよいでしょう。歯の神経を抜くよりも感染根管治療の場合は、治療回数が多くなる傾向があります。
自由診療の場合には、マイクロスコープやサージテルの使用など、治療環境が優れていることが予想されます。そのため、治療回数も短縮できることが期待できます。また、保険診療と異なり、自由診療では1回当たりの治療時間を長めに設定していることが多いので、通院回数が保険診療よりも短縮できるといえます。

保険治療による問題点

保険診療は、基本的にどの歯科医院でも受けることができる利便性のよい治療といえます。では、保険診療だからこその問題点とはなんでしょうか?

研修医も専門医も同価格

根管治療は、操作の精度や、診断の経験など高度な技術力を要する治療の1つです。結果として、治療精度が歯そのものの治療後の経過に影響します。 同じような抜髄(歯の神経を抜く)の環境であっても、はじめて抜髄を行う研修医が要する治療時間・技術と、専門医が要する時間・技術には差があります。
根管の形状をしっかりと理解していないと、器具を操作している間に歯根に穴をあけてしまい、歯を保存できなくなる可能性もあるのです。 現在、日本では専門医と研修医の先生がいた場合に、専門医を指定しても指名料を加算されることはありません。
海外では、担当する先生によって費用が異なる場合があります。 日本の保険診療の場合には、治療時間や治療精度は歯科医師の経験値に影響されますが、価格に反映されていないのが現状です。

十分な診療時間を取れない

保険診療の場合、歯科医院のは安価です。海外と比べても日本の根管治療は安価に設定されています。 そのため、経営上たくさんの患者さんに多くの処置を行う必要があります。結果として、1回当たりの治療時間が短くなってしまうことは否めません。

診療環境と治療精度

根管治療を保険診療で行う場合、CTやサージテル、マイクロスコープといった精密度を向上する機器の使用は必須ではありません。歯科医師の手指の感覚や、レントゲン写真などを参考に行っています。
また、ラバーダムという無菌化処置を目的として使用するゴムシートの使用も必須ではないため、経費削減や作業効率の関係から省略している歯科医院が多いのも事実です。

自由診療を選択する重要性

保険診療は利便性が高く、日本の場合根管治療であっても安価であるというメリットがあります。そこであえて、自由診療を選択する意義とはどのようなものがあるでしょうか?

治療精度の向上

根管治療は再発が多く、再治療を必要とする方が多いのが現状です。 その原因は、無菌化した処置が不十分であり、緊密な根管充填ができなかったことが原因です。 これらの問題は、治療精度を向上することでクリアできます。

■ラバーダム(ゴムのシート)
ラバーダムの装着により、治療する歯を唾液や呼気から隔離することができるため、根管内の汚染を防止できます。

ラバーダム

■十分な治療時間の確保
患者さん1人あたりの時間を15~30分単位ではなく1時間前後確保することで、清潔操作などを省くことなく処置を行えます。

■サージテルやマイクロスコープ
暗く小さな根管を手指の感覚だけを頼りに行う保険診療と比べて、明視野で根管治療を行うことができるようになります。

■CT
根管の側枝(小さな枝分かれ)の発見や、保存が不可能な歯根破折の診断など、3次元的な画像による正確な診断が期待できます。

■NiTiファイル、超音波洗浄
根管の形状を理想的な状態で拡大することが可能です。

■MTAセメント
空隙を作らず緊密に根管を充填することができ、殺菌作用や歯質との高い接着性が期待できるため、再感染のリスクを減らすことができます。

まとめ

根管治療は日本の場合、健康保険の使用により安価にどこででも治療をうけることができるという利点があります。しかし、現状保険診療による根管治療は再発率の高いといえます。
繰り返す根管治療にお悩みの方や、初めての根管治療をどこで受けたらよいか迷っている方は、まずは、根管治療を得意とする歯科医師を見つけることが重要です。 良好な治療後の経過が期待できる根管治療として、自由診療も1つの選択肢としてみてはいかがでしょうか?

▶根管治療が得意な歯科医師が「きちんとした根管治療を行ってくれる歯科医院のポイント」を提示してくれているので、歯科医院選びの参考にしてください。

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■他の根管治療のコラム:https://teech.jp/column/konkanchiryo
■根管治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/konkanchiryo-interview
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【コラム執筆・監修者の紹介】 
木坂里子
東京医科歯科大学卒業 現役歯科医師として勤務

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