Smartee Teen(スマーティーティーン)とは?中高生向けのマウスピース矯正
思春期の中高生にとって、友達との時間はとても大切なものです。だからこそ、矯正治療を考える際にも「人前で笑えるか」「普段の生活に支障がないか」が気になる方も多いのです。
「矯正装置が目立つのは避けたい」「学校や部活に支障なく矯正を進めたい」——そんな思いに応える方法として注目されているのが、マウスピース矯正「Smartee Teen(スマーティーティーン)」です。
見た目の自然さや取り外し可能な点など、多くのメリットがあり、日常生活への影響を最小限に抑えながら歯並びを整えることができます。しかし、治療を受けるにあたっては、年齢や成長段階、生活スタイルなども考慮する必要があります。
この記事では、Smartee Teenとは何か、どのような特徴があるのかなど、治療を始める前に知っておきたいポイントについて詳しく解説していきます。
Smartee Teenとは
Smartee Teenとは、中高生を対象としたマウスピース型矯正治療の一種で、透明なマウスピースを使用して歯並びを整える方法です。AIによる精密な設計で成長期の歯や顎に合わせて調整できるほか、安全かつ効果的に矯正治療を進められるように設計されています。マウスピースは1日20〜22時間の装着が必要で、食事や歯磨きのときだけ外します。 数日〜1週間ごとに新しいマウスピースに交換し、少しずつ歯を理想の位置へと動かしていきます。
歯科医師による診断のもと、一人ひとりの歯並びや成長状況に合わせたオーダーメイドのマウスピースが作製され、段階的に交換しながら理想的な歯並びを目指します。審美面だけではなく、将来的な噛み合わせや口腔機能の改善も期待できる、現代のニーズに応えた矯正方法だといえるでしょう。
Smartee Teenの対象年齢
Smartee Teen(スマーティーティーン)は、主に12歳から17歳前後の永久歯列期の10代を対象としています。成長とともに歯や骨格も変化するため、このタイミングで矯正治療を始めることで、より自然で安定した歯並びを目指せます。
ただし、年齢だけではなく、歯の生え具合や噛み合わせ、口腔習癖の有無なども重要な判断材料となります。そのため、Smartee Teenによる矯正が可能かどうかは、歯科医院での精密な診断が必要です。
Smartee Teenのメリット
Smartee Teenは、成長期のお子様が安心して矯正治療を受けられるように考慮されたマウスピース型の矯正装置です。ここでは、Smartee Teenの代表的なメリットを解説します。具体的にどのようなメリットがあるのか、理解しておきましょう。
部活や学校生活に影響が出にくい
Smartee Teenのメリットのひとつが、部活動や学校生活にほとんど影響を与えないという点です。マウスピースは透明で目立ちにくく、矯正していることを他人に気づかれにくいため、外見を気にする思春期の生徒でも安心して装着できます。
また、取り外しが可能なため、運動中や楽器演奏時、食事の際など必要に応じて外せるのも利点です。従来のワイヤー矯正では、口内炎や痛み、器具の破損などが問題になることがありましたが、Smartee Teenではそのようなトラブルも少なく、日常生活を快適に送ることができます。
口腔習癖の改善にも対応
Smartee Teenは、単に歯並びを整えるだけではなく、口腔習癖の改善にもつながるというメリットがあります。中高生の中には、口呼吸や舌癖など、歯並びや噛み合わせに悪影響を与える癖を持っていることがあります。
これらの習癖を放置していると矯正治療の妨げになるだけでなく、治療後に後戻りのリスクを高める原因にもなります。Smartee Teenは、マウスピースを装着することで舌の位置を自然と正しい場所に誘導したり唇を閉じる意識を高めたりと、習癖の改善を促す効果が期待できます。
必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)などと併用することで、より効果的な矯正治療と習癖改善が可能になります。
幅広い成長段階に対応
中高生といっても、成長スピードや身体の発育状態は個人差が大きく、歯やあごの発達にもばらつきがあります。Smartee Teenは、そのような幅広い成長段階に対応できるよう設計されているのも大きな特徴です。
歯が生えそろっていない場合でも、成長過程に合わせてマウスピースの形状や治療の進め方を柔軟に調整できます。また、治療途中での身体的な変化や歯の移動状況にも対応しやすいため、長期間にわたる矯正治療でも無理なく続けられる点も魅力です。
成長の個人差を前提にしたSmartee Teenは、治療開始時期を逃すことなく、より効果的に歯並びを整える手助けとなります。
Smartee Teenの治療の流れ
Smartee Teenによる矯正治療は、事前の精密検査からマウスピースの作製、装着、そして定期的なチェックまで、段階的に進められます。落ち着いて治療を受けるためにも、治療の流れを把握しておきましょう。
カウンセリング・診察
最初に行われるのが、カウンセリングと診察です。ここでは歯並びや噛み合わせ、口腔習癖の有無などを確認し、Smartee Teenによる矯正が可能かどうか判断します。
精密検査・治療計画の立案
次に、口腔内スキャンやレントゲン撮影などによる精密検査を実施し、それらのデータをもとに一人ひとりに合わせた治療計画を立てます。
マウスピースの作成・装着
その後、患者様一人ひとりの歯並びや噛み合わせに合わせて、精密な3Dシミュレーションをもとにマウスピースが作成されます。
マウスピース装着前には、歯の動きをより正確にコントロールするために小さな突起状のアタッチメント(歯と同じ色のレジン製)を歯の表面に取り付ける場合があります。
これにより、マウスピースの保持力が高まり、歯を理想的な方向へ効率よく動かすことができます。
完成したマウスピースを装着し、数日〜1週間ごとに新しいものへ交換しながら段階的に矯正を進めていきます。
治療中は1〜2か月に一度の通院を目安に、歯の移動状況や装着時間の確認、必要に応じた調整を行います。
すべての工程が終了した後も、後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)を使用することが推奨されています。
リテーナーも透明で目立ちにくく、治療後の歯並びを安定させる大切なステップです。
Smartee Teenの注意点
Smartee Teenにはたくさんのメリットがありますが、同時に注意点も理解しておく必要があります。まず、マウスピースは1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が足りないと治療効果が十分に得られない可能性があります。自分で取り外しができる反面、自己管理が重要となる点は見逃せないでしょう。
また、装置を外した状態での飲食や間食が増えると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに、すべての症例に適応できるわけではなく、歯の大きな移動が必要なケースや骨格的な問題を伴う場合には、ワイヤー矯正や外科的治療が必要になることもあります。
治療前には歯科医師による十分な診断と説明を受け、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
まとめ
Smartee Teenは、透明で目立ちにくく、学校生活にもなじみやすい矯正方法です。ただし、効果を得るためには1日20時間以上の装着が欠かせません。取り外しが自由な分、自己管理が重要で、装着時間が不足すると歯が計画どおりに動かず、治療期間が延びることもあります。
また、食事のたびにマウスピースを外すため、再装着前の歯磨きを怠ると虫歯や歯ぐきのトラブルにつながります。水以外の飲み物を装着したまま飲むと、着色や虫歯の原因にもなるため注意が必要です。さらに、学校や外出先での紛失・破損も起こりやすく、専用ケースでの管理が欠かせません。
Smartee Teenは多くの症例に対応できますが、歯の大きな移動や骨格的な問題を伴う場合はワイヤー矯正が必要なケースもあります。正しい装着と通院管理を守ることで、自然な見た目と快適な矯正生活を両立できます。
スマーティー(Smartee)については「今話題のマウスピース矯正スマーティーとは?インビザラインとの違いも解説」にて詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。
※Smartee Teenは日本国内では薬事未承認の医療機器であるため、歯科医師に相談してから使用するようにしましょう。