Smartee GSとはどんな治療法?下顎を適切な位置に誘導できるって本当?
「マウスピース矯正で顎を治療できる方法はあるの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。特に、下顎が適切な位置にないと、顔の輪郭がゆがんだり噛み合わせの不調につながったりするため、できるだけ早く改善したいと考える方は少なくありません。
そこで近年注目されているのが、マウスピース矯正の1つであるスマーティー(Smartee)シリーズの「Smartee GS」です。従来のマウスピース矯正が歯並びや噛み合わせの改善を中心に行っていたのに対し、Smartee GSは下顎を本来あるべき位置へ誘導することを重視している点が大きな特徴です。
適しているケースとしては、下顎のズレが原因で噛み合わせに不調がある方や、見た目のバランス改善を希望する方などが挙げられます。一方で、骨格のズレが大きい場合や年齢によっては、ワイヤー矯正や外科的な方法が適していることもあるため、Smartee GSがすべての方に合うわけではありません。そのため、矯正治療の経験や知識を持った歯科医師による精密な診断が欠かせません。
本記事では、Smartee GSの仕組みや他治療との違い、なぜ下顎を正しい位置に誘導できるのか、そしてその重要性について詳しく解説していきます。
Smartee GSの特徴
Smartee GSは、スマーティー(Smartee)シリーズの中でも「下顎を正しい位置へ誘導すること」に特化したマウスピース矯正です。従来のマウスピース矯正が主に歯並びや噛み合わせの調整を目的としていたのに対し、Smartee GSは顎の機能を正しく保つことに焦点を当てています。
治療の際には、顎や顔の筋肉のバランス、頭の位置や首の骨(頸椎)の状態などを総合的に考慮し、専用の装置や技術で下顎を正しい位置に導きます。これにより、見た目の改善だけではなく、「噛む」「話す」「飲み込む」といった基本的な口の働きの改善も期待できます。
さらに、治療前には顎の動きや関節の状態を細かく測定し、患者様ごとに理想的な顎の位置を分析。その結果に基づき、一人ひとりに合わせた治療計画を立てるのが特徴です。
また、Smartee GSは手術をしない、身体への負担が少ない治療を大切にしています。極端に歯を動かしたり外科手術を行ったりするのではなく、専用の装置と生活習慣の改善指導を組み合わせて、自然に顎の正しい位置を定着させていきます。
Smartee GSが顎にアプローチできる理由
Smartee GSが下顎の適切な位置へ導けるとされているのは、独自の理論と技術に基づいているためです。顎関節(あごの関節)や下顎のズレは歯並びだけではなく、筋肉や神経、骨格など複数の要因が絡み合って起こります。Smartee GSはこの点を重視し、身体全体の構造と機能のバランスを整えることを目指しています。
まず、専用の計測機器を使って顎関節の動きを詳細に観察します。噛み合わせの力のかかり方や顎の動きのバランスを数値化し、どの位置が自然で負担が少ないかを分析します。これにより、経験や勘に頼らず、客観的で再現性のある治療計画を立てることが可能になります。
さらに、顎の動きは首や肩、背中の筋肉とも密接に関係しています。姿勢の悪さが原因で顎の位置が乱れることもあるため、治療では生活習慣や姿勢へのアドバイスも行い、下顎の安定につなげます。
このようにSmartee GSは、顎だけではなく全身の連動性や日常生活まで視野に入れた多角的なアプローチをとるのが特徴です。これにより、より持続性のある結果を目指すことができます。
下顎を適切な位置に置く重要性
下顎の位置は、私たちの見た目や噛み合わせだけではなく、身体全体の健康にも大きく関わっています。多くの人が、顎のズレやゆがみを見た目の問題や歯並びの問題として捉えがちですが、実際にはそれ以上に深刻な身体的影響を及ぼすことがあるのです。
噛み合わせへの影響
下顎の位置が正しくないと噛み合わせに異常が生じ、食事の際に一部の歯に過度な負担がかかるようになる場合があります。この状態が続くと、歯の摩耗や破折、歯周病のリスクが高まるだけではなく、顎関節にも無理な力が加わり、顎関節症(あごの関節の不調)につながることもあります。
顎関節症は、口を開けにくくなる、カクカク音が鳴る、顎が痛むなどの症状を引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。
顔の左右非対称や全身症状への影響
さらに、下顎のズレは顔の左右非対称を招くこともあります。顎が正しい位置にないと、顔の筋肉が均等に使われず、片側だけに力が入るようになります。その結果、顔のバランスが崩れ、見た目にも影響を及ぼすことがあるのです。
また、それだけではなく、頭痛や肩こり、首の痛みといった全身の症状を引き起こすケースも珍しくありません。これらの症状は慢性的なものになりやすく、医療機関を受診しても原因不明とされることがありますが、実は下顎の位置のズレが一因となっている場合があるのです。
呼吸への影響
また、下顎の位置は呼吸にも関係しています。下顎が後ろに引いていると、気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群(眠っている間に呼吸が止まる病気)やいびきといった問題を引き起こすことがあります。
逆に、下顎が適切な位置にあれば十分な広さの気道を確保でき、呼吸がスムーズになります。これにより、睡眠の質が向上する可能性があります。このように、顎の位置と呼吸機能との関連性も、見逃せないポイントのひとつです。
まとめ
Smartee GSは下顎を適切な位置に導くことを目的とした矯正用マウスピースであり、従来の歯列矯正とは異なるアプローチで働きかけます。下顎のズレは見た目だけでなく、噛み合わせや顎関節、姿勢、呼吸、さらには睡眠の質にも影響を及ぼすことがあります。そのため、正しい位置に戻すことは健康の土台を整えるうえで非常に重要だとされています。
顎の違和感や不調、顔のゆがみ、慢性的な肩こりや頭痛に悩んでいる方にとって、Smartee GSは「根本原因へのアプローチを目指す」治療の選択肢のひとつになり得ます。ただし、すべての方に適応できるわけではないため、まずは専門の歯科医師に相談し、自分に合った治療法かどうかを確認することが大切です。
スマーティー(Smartee)については「今話題のマウスピース矯正スマーティーとは?インビザラインとの違いも解説」にて詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。