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虫歯(歯冠修復、欠損補綴) 2021/05/25

キスでも虫歯はうつる?赤ちゃん、子供を虫歯から守る方法

キスで虫歯がうつる?

お子さんの歯が虫歯にならないように、毎日の仕上げ磨きに格闘しているお父さんやお母さんも多いのではないでしょうか?
実は、虫歯を予防するには、毎日のケアが大切ですが、第一原則は“虫歯菌をうつさない!”ことです。
今回は、大切な赤ちゃんやお子さんに虫歯をうつさないための方法をいくつかご紹介いたします。

虫歯の原因

虫歯になる≒歯磨きが下手と想像するかもしれません。確かに、虫歯予防には毎日のケア、歯磨きが大切です。ですがあくまでも、歯磨きの目的は、虫歯が起こりにくい環境をつくることです。
では、そもそもなぜ虫歯になるのか?その原因をみていきましょう。

虫歯は感染症

虫歯は、感染症であることが分かっています。
言い換えれば、虫歯の原因になる菌に感染しなければ、虫歯にならないということです。
虫歯の原因となる菌はいくつか判明しています。代表的なものが以下の2つの菌です。

■ストレプトコッカスミュータンス
通常、ミュータンス菌とよばれるもので、食べ物の中の糖質を分解しプラークを作ります。プラークに住み着いたミュータンス菌の働きにより、歯が溶けて虫歯になります。

■ラクトバチラス菌
虫歯に関連するラクトバチラス菌は、酸素の有無に限らず生存できるため、深いところにある虫歯や、被せ物の裏、歯の根っこにできる虫歯に関係します。

▶虫歯についての詳細は「そもそも虫歯って何?虫歯の原因・症状・治療について」の記事をご確認ください。

お口に住む細菌たち

人間の口の中には、常在菌として700前後の種類の菌が住んでいます。数でいうと、10兆を超える数の菌が生存しています。常在菌とは、字のごとく“常にお口に在る菌”のことで、良いものもあれば、悪いものもあるので、無菌になるように殺菌しなくてはならないという訳ではないので、ご安心ください。

赤ちゃんのお口は無菌状態

生まれたばかりの赤ちゃんは、お口の中に菌がいない状態です。そのため、虫歯に関連する菌に感染しなければ、歯が生えても虫歯にならずに済むことができます。 

では、虫歯菌は、どのような経路でお子さんのお口にやってくるのでしょうか?

虫歯に感染する経路

赤ちゃんやお子さんの日常は、お父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃんといった家族によって支えられています。そして、可愛い笑顔には、大人も思わず顔を近づけてしまいます。そこで注意したいのが唾液感染です。
大人のお口の中に、現在進行形の虫歯があれば、虫歯菌の活動が盛んであるといえます。また、以前虫歯になったことがある場合にも、虫歯菌がお口の中に潜んでいるのです。
何らかの原因で、大人の唾液に赤ちゃんが接触することで、虫歯になる可能性が生じてしまうので、次にあげることを注意しましょう。

唾液感染の経路

食器の使いまわし

いろいろなものを食べられるようになってきた頃は、家族の食べているものに興味を持ちます。一口ほしいというお子さんに、自分で使用していたスプーンやコップ、ストローで与えることは避けてほうがよいでしょう。

口をつけたものを与える

今はほとんどないと思いますが・・・高齢のおばあちゃん世代だとあるかもしれません。硬いものを、少し大人が咬んで柔らかくしてあげるのは、消化しやすいですが、虫歯の原因になります。
ペットボトルも、注意が必要です。お父さんやお母さんが飲んだドリンクはおいしそうに見えますが、虫歯対策で個々の容器で飲むようにしましょう。

フーフーする

赤ちゃんや小さい子供は特に熱いものが苦手です。小さなお子さんから、“フーフーして”とお願いされることもあるかと思いますが、虫歯菌がうつってしまう可能性があるので注意が必要です。

タオルの共有

家族で使う洗面台のタオルは、頻回に取り換えることは難しいかもしれません。
使用した歯ブラシの水分を切る、口元を拭く際には、ティッシュの使用がお勧めです。

キスをする

キスをしたくなるほど可愛いですが、虫歯菌が唾液を介してうつってしまうことがあります。

感染を防ぐ方法

それでは、どうすれば虫歯菌の感染を防ぐことができるのかを見ていきましょう。

虫歯をお子さんにうつさないために大人できること

大切なお子さんの歯を生涯にわたって虫歯から守るには、家族で虫歯ケアに取り組む必要があります。

■今ある虫歯はすぐ治す
もしも、痛みやしみるといった虫歯の症状がある場合には、早期に虫歯を治療しましょう。虫歯が実際にお口の中にあるということは、虫歯菌の活動が盛んで、唾液中の虫歯菌の数が多くなることが想定されます。

■定期健診とクリーニング
虫歯の症状がなくても、3~4か月に一度は、虫歯の定期健診に通うことをおすすめします。仮に無症状の虫歯が見つかったとしても、小さな虫歯であれば1度の治療で完了します。また、合わせてクリーニングを受けることで、ご自分では取り残しのあるプラークを機械で除去し、歯磨きのコツを教えてもらうことができます。

■毎日のセルフケア
歯磨きは毎食後に行うことをおすすめします。どうしても忙しくて磨くことができない場合も、デンタルリンスを使用し虫歯菌の活動を抑えましょう。

“感染の窓”の時期には特に気を付ける

感染の窓

“感染の窓”という言葉をご存知ですか?
感染の窓とは、1歳半~2歳半頃の乳歯の奥歯が生え始める時期から、乳歯が生えそろった乳歯列完了までの期間といわれています。この時期は、食事中のスプーンの共有や口移しなど、家族と触れ合うことが増え、虫歯菌に感染するリスクが増えます。
この時期に、虫歯菌への感染が遅い子ほど、後々虫歯になりにくいことが分かっていますので、この時期は特に意識して、お子さんを虫歯菌から守りましょう!

おやつタイムの注意事項

赤ちゃんや小さなお子様は、エネルギー量を確保するために、食事の他に間食を取ることがあります。その際、次にあげることに気を付けてください。

■間食の時間
間食はダラダラと食べたい時に与えるのではなく、10時や15時といった決まった時間に取ることが大切です。

■注意が必要な食べ物や飲み物
食が細い子もいるので、無理に好きなものを取り上げる必要はありませんが、以下の食べ物や飲み物を摂取した後は、歯磨きするか、お茶、水を飲ませてあげましょう。

・スポーツドリンク
イオン飲料とも呼ばれます。熱中症対策に暑い時期に飲むことが多いです。甘みがあるため、お子様は喜びますが、糖分が多いため、虫歯になりやすいです。

・かんきつ類
オレンジや、ミカン、グレープフルーツなどのかんきつ類は、酸性の食べ物のため、歯質を溶かすことがあります。毎日大量に食べなければ問題ありませんが、食べたあとは、お茶やお水を飲ませるとよいでしょう。

・ビスケット・クッキー
小さなお子様向けのおやつは、かみ砕きやすく、消化しやすいようにできています。乳歯の奥歯の溝には、食べかすがたまりやすいので、歯磨きの際には、磨き残しがないようにしっかりと磨くことが大切です。

まとめ

可愛いお子さんが虫歯にならないためには、家族が虫歯菌をうつさないことが大切です。まずは、ご自身の虫歯の治療や、予防を徹底し、口腔環境を改善することで、お子さんに虫歯をうつすリスクを下げることができます。

お子さんが小さなうちは、歯医者さんに通うことが大変かもしれませんが、お子さんの歯医者さん慣れを兼ねて、親子で通えるかかりつけ歯科医を探してみては、いかがでしょうか?

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■他の歯冠修復、欠損補綴(虫歯)治療のコラム一覧:https://teech.jp/column/mushiba
■歯冠修復、欠損補綴(虫歯)治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/mushiba-interview
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【コラム監修歯科医師】
岡本歯科医院 院長 岡本徹先生
▼医院について
Teech掲載ページ:https://teech.jp/hospital/658
医院ホームページ:https://www.okamoto-d.net
 〒146-0091 東京都大田区鵜の木2-15-19
▼経歴
1986年 東京医科歯科大学 歯学部 卒業
2011年 公益社団法人東京都大田区大森歯科医師会 初代会長
2015年 岡本歯科医院 院長就任
▼役職
東京都歯科医師連盟 専務理事
公益社団法人東京都大田区大森歯科医師会 監事
全日本歯科医師剣道連盟 理事長
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【コラム執筆歯科医師】
木坂里子
東京医科歯科大学卒業 現役歯科医師として勤務

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