虫歯にならないためには、虫歯じゃなくても歯医者さんに定期的に行ったほうがいいの?
私たちは普段、お腹が痛くなったり、風邪をひいたりしなければ、お医者さんに行くことはありませんよね。それと同じように、お口の中に異常がなければ、歯医者さんに行かないという人は意外に多いものです。けれども、それはあまり褒められたものではありません。なぜなら、アメリカやヨーロッパでは、虫歯じゃなくても歯医者さんに定期的に通うのが一般的だからです。
▼虫歯は予防すべきもの
疲れや睡眠不足で免疫力が下がり、風邪にかかってしまったとしても、数日もすれば完治します。そのため、わざわざ予防のために内科へ通う方は少ないと思われます。
一方、虫歯は自然に治ることのない病気です。しかも、虫歯菌によって溶かされた歯質はもう二度と元には戻らないのです。そういう意味で、虫歯は予防すべきものといえます。
▼初期の虫歯なら削らずに治せる
例えば、定期的に歯医者さんに通っていると、まだ発生して間もない虫歯でも発見することができます。専門的には「初期う蝕」と呼ばれるもので、この段階であれば歯を削らずとも治すことが可能なのです。具体的には、初期の虫歯にかかっている部分にフッ素を塗布して、再石灰化を促します。そうすることで歯質が虫歯菌に溶かされずに済むのです。
▼歯のクリーニングの重要性
歯医者さんの定期検診では、歯のクリーニングを受けることができます。歯の表面についた汚れを専用のブラシやラバーカップでていねいに磨き上げてくれるのです。その際、歯ブラシによるブラッシングでは除去することができないバイオフィルムや歯石も取り除いてもらえます。これらを定期的に除去することで、虫歯菌や歯周病菌が繁殖できなくなり、結果としてそれらの病気を予防することにつながるのです。
▼欧米では定期検診を受けるのが当たり前
予防歯科の先進国であるアメリカやヨーロッパでは「虫歯になって初めて歯医者さんへ通う」という人の方が珍しいといえます。もうすでに予防歯科の概念が広く普及しているので、みんな当たり前のように定期検診を受けているのです。そうすることで一生涯、自分の歯で噛み続けることも可能となっています。
▼まとめ
このように、虫歯にならないためには、虫歯じゃなくても定期的に歯医者さんに通った方が良いといえます。虫歯の予防や早期発見・早期治療を実現することで、結果的には歯科医療にかかる費用も安く抑えることにもつながるのです。
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
【コラム執筆歯科医師の紹介】
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長崎大学歯学部歯学科卒業