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予防治療 2021/02/27

虫歯の予防方法とは。フッ素やキシリトールは効果的?

今回は、大人の虫歯にスポットを当て、虫歯の発生要因やそのメカニズム、大人の虫歯の特徴、注意すべき点などをまとめています。あわせて虫歯予防におけるセルフケアのポイントや、歯科医院での定期メンテナンスについて詳しく解説していきます。

大人が虫歯になる原因と予防策

近年、子供の虫歯は減少傾向にある一方で、大人の虫歯については20代で約50%、35歳以上になると90%以上もの人が虫歯を経験しています。また、65歳以上では、残存歯数(残っている歯の本数)が増えるともに、虫歯になる人の割合も増加傾向にあるのが現状です。(※1)そこで今回は「大人の虫歯」に焦点を当て、虫歯になる原因や予防策についてご紹介していきます。

※1:平成28年度 歯科疾患実態調査結果の概要(厚生労働省)

虫歯とは?

虫歯とは、口内に住む虫歯菌が食べカスなどに含まれる糖分をエネルギーに変えるときに、一緒に作り出される“酸”によって歯が溶けてしまう病気です。その虫歯菌は他の細菌たちとともに「プラーク」と呼ばれる集合体の中で生息しています。

虫歯の原因「プラーク」とは?

私たちのお口の中には500種類とも700種類ともいわれる細菌が住みついていますが、それぞれが単独で活動しているわけではありません。細菌たちは互いに共存関係を結び、集合体となって助け合いながら生息しています。この集合体が、白くて粘り気のある「プラーク」の正体です。

歯面にプラークが付着すると、プラーク内の虫歯菌は自身の好物である“糖分”をエネルギー源に、その代謝物として“酸”を吐きだします。この酸こそが虫歯を作る元となるのですが、虫歯菌はさらにショ糖(砂糖)という糖分から「不溶性グルカン」という粘り気のある成分を作り出します。

不溶性グルカンはプラークの形成に欠かせない物質で、このネバネバ成分が細菌たちをくっつけやすし、プラークを歯面に密着させる役割も果たしています。したがって虫歯の予防では、酸を作りだす虫歯菌を減らすことと、虫歯菌のエネルギー源やネバネバ成分の元となるショ糖をできるだけ控えることが重要になるわけです。

子供と大人の虫歯の違い

虫歯になるメカニズムは大人も子供も基本的に同じですが、両者では「虫歯の好発部位」と「進行のスピード」が異なります。

好発部位とは“ある病気がなりやすい部位”のことで、虫歯の場合は「噛む面の溝」「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境界」の3か所が好発部位となります。そして大人の虫歯ではさらに「歯根面」と「詰め物や被せ物の境界(または内側)」の2か所が好発部位として新たに加わります。

中高年になると、加齢や歯周病などで歯ぐきが痩せてしまい、通常は歯ぐきに覆われている歯根(歯の根っこ)の一部が露出しやすくなります。このような歯根面にできる虫歯は「根面虫歯」と呼ばれ、大人の虫歯の大きな特徴の1つに挙げられます。

さらに、大人の場合は過去に虫歯の治療をした経験のある人が多く、そのときに入れた詰め物や被せ物のすき間や段差にプラークが溜まりやすくなります。このような過去に治療した部位にできる「2次虫歯」も、大人に多いのが特徴です。

次に進行のスピードについてですが、生えたての子供の歯は柔らかく、虫歯になると一気に進行し神経にまで達していきます。一方で歯質が成熟した大人の歯の虫歯は、じっくり時間をかけて進行していくのが特徴です。以上のことから、子供の虫歯は「せまく・深く」、大人の虫歯は「広く・浅く」という違いが生まれていきます。

大人の虫歯はなぜ怖いのか

虫歯は歯周病と並んで、歯を失う大きな原因のひとつです。中高年のお口の健康では、歯周病ばかりがクローズアップされがちですが、虫歯のある人の割合もまた年齢が高いほど増えているのが実状です。

なにより大人の虫歯が怖いのは、発見が遅れやすく、気づいたときには手遅れ(抜歯)になっているケースも少なくない点です。先に挙げた根面虫歯は奥歯になるほど自身では気づきにくいほか、詰め物や被せ物の内側にできた虫歯などは、レントゲンを撮らないとわからないケースも多くあります。

さらに過去に神経を抜いた歯については虫歯が進行しても痛みがないため、ある日「歯が割れる」などしてはじめて虫歯に気づくケースもめずらしくありません。したがって大人の虫歯は日頃のセルフケアを徹底するのはもちろんのこと、歯科医院で定期的なチェックをおこないながら早期発見・早期治療に努めることが肝心です。(※2)

※2:大人のむし歯の特徴と有病状況(eヘルスネット/厚生労働省)

自分でできる虫歯予防

虫歯予防の基本は、口内からプラークを可能なかぎり除去する「プラークコントロール」であり、これを実践する方法の1つが日々の歯磨き(セルフケア)です。また、自分でできる虫歯予防の方法は歯磨きのほかにも、生活習慣の見直しや食生活の工夫などがあります。

正しい歯磨きする

虫歯予防の歯磨きでは、虫歯の好発部位(歯の噛む面の溝・歯と歯の間・歯と歯ぐきの境目)を意識しながら全体のプラークを取り除いていきます。また、虫歯は唾液の量が少なくなる就寝時にとくに発生しやすいため、1日のうち就寝前の歯磨きは時間をかけて、丁寧に歯を磨いていきましょう。

歯ブラシ以外の清掃器具を使う

虫歯の好発部位の1つである「歯と歯の間」については、歯磨きのみでプラークを落とすのは困難です。このような歯間については、デンタルフロスや歯間ブラシなどの「歯間クリーナー」で汚れをしっかり落としていきましょう。

また奥歯の細かいすき間には、歯間クリーナーと合わせてタフトブラシを使用するのもおすすめです。タフトブラシは細い柄にひとつの毛束がついているもので、歯ブラシよりも小回りが利き、奥歯のすき間や歯と歯ぐきの境目の汚れなどが落としやすくなります。

生活習慣を整える

虫歯や歯周病などのお口の病気は、普段の生活習慣とも密接な関係があります。なかでも虫歯予防でとくに注意しておきたいのが“食”の習慣です。

虫歯は「甘いモノを食べ過ぎるとなりやすい」というのは、いまや小さな子供でも理解しています。ただ糖分を含む食べ物はその量もさることながら、食べる回数や時間も重要であることは、あまり知られていないようです。

たとえば、甘いお菓子やジュースは1日の量がそれほど多くなくても、時間を決めずにダラダラ食べてしまうと虫歯を発症しやすくなります。これは唾液によるクリーニング作用や再石灰化(歯を修復する)働きが食べる回数に追いつかないからです。また、就寝前に食べ物を口にする習慣のある人にも同様のことがいえます。

虫歯を予防するうえでは、まず食事や間食は時間を決めること、そして夕食は就寝2時間前には済ませておくことなど、これまでの食習慣を見直すことが大切です。

砂糖の代わりに「キシリトール」を取り入れる

「キシリトール」に代表される糖アルコールは、砂糖と同等の甘さを持ちながら虫歯菌が酸を作らない甘味料として知られています。キシリトールを含む製品にはガムやグミ、キャンディー、チョコレート、タブレットなどがあり、これらの製品を間食(おやつ)に取り入れるのも虫歯予防にはおすすめです。

なかでもキシリトール配合のガムは、ガムを噛むことで唾液の分泌がうながされ、口内の清掃効果や歯の再石灰化効果のUPが期待できます。

キシリトール製品を選ぶときに注意したいのは、キシリトール(またはその他の糖アルコール)以外の糖分が含まれていないかをよく確認することです。商品を購入のときは成分表をチェックし、糖類が0gのもの、または「シュガーレス」と記載されてものを選びましょう。

歯科でできる虫歯予防

歯科医院では定期メンテナンス(定期検診)を通じて、クリーニングやフッ素塗布などの「プロフェッショナルケア」をおこないながら、虫歯予防をサポートしていきます。

虫歯予防の定期メンテナンスとは

定期メンテナンスは、歯の状態(虫歯の有無)を確認するだけでなく、虫歯になりにくいお口の環境を整備、維持することを目的におこないます。その具体的な内容として、以下の項目が挙げられます。

・各種検査によるお口のチェック
・清掃状態の確認ならびに歯磨き指導
・プロフェッショナルケア(クリーニング・フッ素塗布など)

虫歯予防の定期メンテナンスでは、はじめに現在のお口の状態(虫歯の有無、清掃状態など)をチェックし、個々に応じた予防プログラムを実施していきます。清掃状態に問題がある場合には、セルフケアの方法を確認したうえで、歯ブラシの選び方やブラッシング法などをアドバイスします。

プロフェッショナルケアでは、セルフケアでは落とせないプラークや歯石を徹底的に除去し、あわせて虫歯予防の効果の高いフッ素塗布をおこないます。

通院のペースは個々の状況によって異なりますが、およそ3~6カ月に1回が目安となります。

なぜ定期メンテナンスが効果的か?

虫歯をはじめとするお口の病気は目には見えない細菌との戦いであり、これを自身ですべてコントロールすることは不可能です。さらに大人の場合は、加齢による唾液の減少や免疫力の低下などにより、年を追うごとに虫歯リスクが高まる傾向にあります。

そのうえで定期メンテナンスは、ライフステージに応じて自身に不足しているケアを補いながら、虫歯を効率よく予防することを可能にします。また、発見が遅れがちな大人の虫歯については、定期メンテナンスによって虫歯の早期発見・早期治療につながるというメリットもあります。

虫歯予防に必要なフッ素とは

虫歯予防でおなじみのフッ素には、エナメル質の結晶を強くし、酸に負けない丈夫な歯を作る効果があります。またフッ素にはほかにも、酸によって溶けだした歯質を修復する「再石灰化」の働きを促したり、虫歯菌が酸を作るのを抑えたりする働きを持っています。フッ素は歯科医院だけでなくご自宅でも手軽に活用できるため、ぜひ自身の虫歯予防に取り入れていきましょう。

歯医者でできること

歯科医院では、市販の歯磨き剤やフッ素ジェルよりもさらに濃度の高いフッ素を用いた「フッ素塗布」をおこないます。大人の場合は根面虫歯の予防に効果的です。ただし、フッ素塗布は1回受けただけでは効果を発揮しないため、年に2回以上を目安に継続しておこないましょう。

自宅でできること

ご自宅でできるフッ素の活用として、手軽に取り入れやすいのがフッ素配合の歯磨き剤です。すでに市販の歯磨き剤の9割以上にフッ素は配合されているため、とくに意識はしなくても使用されている方が多いでしょう。

フッ素配合歯磨き剤を使用する際は、歯を磨いた後にうがいを少なめの水で1回、口内にフッ素成分が残るようにすると、より効果を発揮しやすくなります。

また、ペーストタイプよりもジェルタイプのほうが歯の隅々まで成分が行き渡りやすく、泡立ちも少ないため必要以上にお口をゆすぐ必要がないのでおすすめです。近年では歯磨きの後に使用するうがいの必要のないフッ素ジェルも販売されています。

■歯磨き剤に含まれるフッ素配合の割合の見分け方
フッ素の濃度は「ppm」という単位で表示され、市販の歯磨き剤では950ppm~1,000ppmの濃度のものが多く販売されています。ただ2017年に市販品におけるフッ素濃度の上限が1,500ppmまでとされてからは、1,450ppmの高濃度フッ素配合歯磨き剤も市販で手に入れられるようになっています。

フッ素については配合濃度が500ppm上がるごとに虫歯の予防効果が6%上昇するといわれており、とくに大人の根面虫歯の予防ではその効果が大きく発揮されます。フッ素濃度が1,000ppmを超える歯磨き剤については、パッケージにその旨が記載されているため、気になる方はドラッグストアやスーパーなどで探してみるとよいでしょう。

ただし1,000ppmを超えるフッ素配合歯磨き剤の使用対象は15歳以上となっており、14歳以下の子供への使用は認められていません。さらに、子供のフッ素配合歯磨き剤については、6歳未満で500ppm、6~14歳で1,000ppmが推奨されているため、これを超えるものについては子供と併用しないよう注意してください。

▶フッ素の効果を詳しく知りたい方は「虫歯を防ぐ「フッ素歯磨き」のメリットとは?」の記事をご覧ください。

(※3、※4)

※3:フッ化物配合歯磨剤(e-ヘルスネット/厚生労働省)
※4:フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方(日本口腔衛生学会)

まとめ

大人の虫歯は進行が遅く、症状が出るまでに時間がかるため、自身が気づかない間に進行してしまうこともめずらしくありません。そのため日々のセルフケアを徹底するとともに、歯科医院での定期メンテナンスで早期発見・早期治療に結びつけることが大切です。

また、定期メンテナンスを継続すると、加齢にともなうお口の変化に応じたプログラムにより虫歯を効果的に予防することができます。ぜひセルフケアとあわせて、定期メンテナンスを習慣づけていきましょう。

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■他の予防歯科のコラム:https://teech.jp/column/yobotiryo
■予防歯科の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/yobotiryo-interview
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【コラム執筆・監修者の紹介】 
影向 美樹
歯科医師免許取得後、横浜・京都の歯科医院にて10年ほど歯科医として勤務。現在は歯科分野を中心とした医療系Webライターとして活動中。

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