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虫歯(歯冠修復、欠損補綴) 2025/11/20

インレーとクラウンの違いは何?メリットやデメリット、費用などを徹底比較

インレーとクラウンの画像

虫歯治療の説明を受けた際に、歯科医師から「今回はインレーで治します」「クラウンが必要です」と言われ、違いがよく分からないまま進めた経験がある方も多いのではないでしょうか。

インレーもクラウンも、どちらも虫歯で失われた歯を補う治療ですが、削る範囲・費用・見た目・耐久性など、実は大きな違いがあります。選択を誤ると、将来的に再治療が必要になることもあるため、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、インレーとクラウンの違いを、メリット・デメリット・費用・治療の流れとともにわかりやすく解説します。

インレーの特徴

インレーとは、虫歯などで一部が欠けた歯に対して行う、部分的な詰め物のことです。歯の削った部分にぴったりと合うように作られた補綴物を接着し、歯の機能と形を回復させます。クラウンのように歯全体を覆うのではなく、歯の一部だけを修復する点が特徴です。

見た目の自然さや保険適用の範囲、使用する素材の選択肢など、治療を検討するうえで知っておきたいポイントがいくつかあります。ここからは、インレーのメリットやデメリット、費用、治療期間などを詳しく見ていきましょう。

メリット

インレーには、歯の健康な部分をできるだけ残せる、という大きなメリットがあります。クラウンのように歯を大きく削る必要がないため、治療によるダメージを最小限に抑えることが可能です。また、審美性の高いものを選べば、見た目が自然で周囲の歯と調和しやすくなります。

通院回数が少ないケースも多く、身体的・経済的な負担が軽減されることもポイントです。特に、虫歯が小さい場合や歯の一部が欠けた場合など、部分的な修復が必要なケースに適している選択肢だといえるでしょう。

デメリット

一方で、インレーには注意すべきデメリットもあります。まず、修復範囲が限定的であるため、大きく歯が欠損している場合には不安が残ることがあります。また、接着面から細菌が侵入して二次虫歯になるおそれもあるため、精密な装着と適切なセルフケアが求められます。

さらに、素材によっては目立ちやすかったり、金属アレルギーがおこったりするため、使用する材質の選定も重要です。クラウンを選ぶ際は、メンテナンスなども含めて、長期的にみて検討するようにしましょう。

適応範囲

インレーは、虫歯や歯の欠けが軽度な場合に使用されます。具体的には、奥歯の噛み合わせ部分や側面の一部が損傷しているケースで使用されることが多く、歯の全体を覆う必要がない場合に選択されます。

逆に、歯の損傷が広範囲に及ぶ場合などでは適応が難しいことがあります。その場合はクラウンや他の治療法が推奨されます。歯科医師の診断を受けて、指示に従うようにしましょう。

費用

インレーの費用は、使用する素材や保険の適用範囲によって大きく異なります。保険診療では金銀パラジウム合金が一般的で、費用は数千円〜1万円程度です。

一方、自費診療でセラミックやゴールドを選ぶ場合、1本あたり3万円〜7万円程度が相場となります。セラミックは見た目の自然さに優れ、金属アレルギーの心配もないため人気がありますが、その分コストは高めになります。

素材によって耐久性や審美性も変わるため、費用だけではなく、さまざまな要素を総合的にみて判断しましょう。

治療期間と流れ

インレーの治療は、2回程度の通院で完了します。初回ではまず、虫歯部分を削ります。削り終わったら型取りを行い、仮の詰め物を入れます。その後、技工所でインレーが製作され、次回の来院時に装着・調整を行います。

ただし、症状や歯の状態によっては、通院回数が増える場合もあります。どのくらいの期間や通院が必要になるかは医師に確認するようにしましょう。

種類

インレーにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。保険診療で使われるインレーは費用が抑えられる反面、見た目が銀色で目立ちやすいという欠点があります。

一方、自費診療で用いられるセラミックインレーやゴールドインレーは、審美性や耐久性に優れるものの、費用は高くなる傾向があります。

耐久性や審美性などは種類によって異なるため、自身の口腔内の状況や希望に応じて選ぶことが重要です。以下、インレーやクラウンに使用される素材の種類と特徴を表にまとめました。

インレー・クラウンの種類比較表

クラウンの特徴

クラウンとは、虫歯や外傷などで大きく損傷した歯に被せる被せ物のことです。インレーが歯の一部分を補うのに対して、クラウンは歯全体を覆うため、より広範囲を修復できます。また、神経の治療後に歯がもろくなっている場合や大きな詰め物が取れた場合などでも使用されることが多く、補強の目的でも使われます。

使用される素材や治療方法によって費用や仕上がりに違いがあり、患者様一人ひとりに合った選択をすることが重要です。ここからは、クラウンのメリット・デメリット、適応範囲、費用などを詳しく解説していきます。

メリット

クラウンの主なメリットは、残された歯を保護しながら機能を回復できる点です。大きな虫歯や神経の治療後などで歯が脆くなっている場合にも対応可能です。また、使用する素材によっては自然な見た目を実現することも可能で、審美性にも配慮できます。

さらに、噛む力が強くかかる奥歯にも耐えられるため、長期的な使用を前提とした治療としても有効です。

デメリット

クラウン治療には、デメリットもあります。まず、歯全体を削る必要があるため、健康な歯質もある程度失われてしまう点は大きな欠点です。また、治療にかかる費用や期間がインレーよりも高く・長くなる傾向があります。

素材によっては、見た目が不自然になったり金属アレルギーが起こったりする可能性もあります。さらに、適合精度が低いとクラウンの内部に細菌が侵入し、虫歯の再発や歯のトラブルにつながることもあります。

適応範囲

クラウンは、歯の損傷が広範囲に及ぶ場合に使用されます。例えば、大きな虫歯で歯の形が崩れている場合や神経の治療後で歯が脆くなっている場合、さらには歯の割れや欠けがひどい場合などです。また、ブリッジの支台となる歯にも使用されるなど、補綴治療において重要な役割を果たします。

一方で、歯を大きく削る必要があるため、虫歯や損傷が軽度な場合にはあまり使用されません。歯の状態や噛み合わせ、全体的な口腔環境に応じて、インレーとの使い分けが求められます。

費用

クラウンの費用も、使用する素材や保険適用の有無によって大きく変わります。保険診療の場合、金銀パラジウム合金などの金属製クラウンが用いられ、費用は約5,000円〜1万円程度です。

一方、自費診療ではオールセラミックやジルコニアなど、審美性・耐久性に優れた素材を選ぶことができ、費用は1本あたり7万円〜15万円ほどが相場となります。前歯か奥歯かによっても選べる素材が異なる場合があるため、見た目の希望や予算をふまえて検討することが重要です。

治療期間と流れ

クラウン治療は一般的に2回〜3回の通院で完了します。初回では虫歯や損傷部分を削り、型取りを行って仮歯を装着します。その後、技工所でクラウンが製作され、次回来院時に装着・調整を行います。

症状が重い場合や神経の治療を伴う場合には、さらに回数や期間がかかることもあります。自費診療では仮歯の精度も高く、最終補綴物と同じような見た目で過ごすことが可能なケースもあります。治療全体はおおよそ1〜3週間程度が目安です。

種類

クラウンの種類は非常に多く、素材によって見た目・耐久性・費用が大きく異なります。保険診療で主に使用されるのは金属製のクラウンで、奥歯など見た目が気にならない箇所に使われることが一般的です。

一方、自費診療では審美性を重視したセラミック系の素材や強度に優れたジルコニアが選ばれます。それぞれの素材には一長一短があり、患者様の口腔内の状態や希望に応じた選択が必要です。

なお、クラウンの種類については「歯に使用するクラウンを8種類紹介!それぞれの特徴や選び方を解説」で詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。

インレー・クラウンを選ぶ際のポイント

インレーとクラウンの違いや特徴を理解したうえで、最終的にどちらを選択するかは、ご自身の歯の状態や希望、生活スタイルによって異なります。ただし、費用や見た目だけで判断するのではなく、長期的な視点でメリット・デメリットを比較検討することが重要です。

ここでは、治療方法を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

費用だけで判断しない

歯科治療において費用は確かに重要な要素ですが、安さだけで治療法を選ぶと、後悔する可能性があります。保険診療であれば費用は抑えられますが、素材の選択肢が限られ、審美性や耐久性に課題が残ることがあります。

一方、自費診療は初期費用こそ高めですが、見た目や使用感などにおいて、総合的な満足度が高くなる傾向があります。短期的な費用だけではなく、治療後の快適さや持続性も考慮して選ぶようにしましょう。

治療後のセルフケアのことも考慮する

インレーやクラウンのどちらを選んだとしても、その後のセルフケアが非常に重要になります。特に、補綴物の境目は汚れが溜まりやすく虫歯や歯周病の原因になりやすいです。素材によってはプラークの付着がしやすいものもあり、メンテナンスのしやすさにも差があります。

治療後にしっかりと歯磨きやデンタルフロス、定期的な歯科検診を継続できるかどうかも、治療法選択の判断材料に含めると良いでしょう。

歯科医師と相談する

最終的な治療方針は、信頼できる歯科医師とよく相談して決めることが重要です。専門的な視点から歯の状態を正確に診断し、どちらの治療がより適しているかを提案してもらえます。また、素材の選び方や費用、将来の見通しなど、患者様一人ひとりに合わせたアドバイスを受けられるのも大きな利点です。

インターネットの情報や他人の体験談だけに頼らず、自分の口腔環境に合った選択をすることが、後悔しない治療につながります。 

まとめ

インレーとクラウンは、いずれも虫歯や歯の損傷に対して行われる補綴治療ですが、修復する範囲や適応症例、使用する素材、費用などに明確な違いがあります。インレーは歯の一部分を補修するのに適しており、比較的軽度なケースに向いています。

一方、クラウンは歯全体をカバーするため、広範囲にわたる損傷や神経治療後の補強に有効です。治療法を選ぶ際には、見た目や費用だけではなく、歯の健康状態や将来のメンテナンスも含めた総合的な視点が必要です。

不明な点は歯科医師に相談し、ご自身に合った選択することが、長く健康な歯を維持する第一歩となります。

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