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虫歯(歯冠修復、欠損補綴) 2020/08/28

銀歯を白くする方法

銀歯を白くする方法

虫歯治療を行った後には、銀歯を選択する人が比較的多いです。銀歯なら保険が適用されますし、製作にもそれほど時間がかかりません。けれども、装着後に見た目が気になって、「白い歯に変えたい」と希望される人が多いのも現実です。ここではそんな銀歯を白い歯にした方が良い理由や方法、治療費などを詳しくご紹介します。

銀歯を白くした方が良い理由

銀歯には、「金属色が目立つ」「金属アレルギーのリスクがある」「虫歯になりやすい」など、たくさんのデメリットがあり、白い歯に交換する意義は大きいと言えます。ただし、銀歯を再治療する前に、白い歯のメリット・デメリットについても、しっかり知っておく必要があります。

銀歯を白くした方が良い理由

銀歯を白くするメリット

■見た目が美しい
銀歯を白い歯にする最大のメリットは、審美性の向上です。セラミックは色や質感、光沢などが限りなく天然歯に近いことから、見た目が極めて美しくなります。硬質レジン(白いプラスチック)によっても、審美性は大きく向上します。

■虫歯が再発しにくい
セラミックは歯質との適合性が高く、虫歯の再発リスクも低いです。硬質レジンやメタルボンドに関しては、虫歯の再発率にそれほど大きな違いはありません。

■表面に汚れが付きにくい
レジンや銀歯は、材料の表面が傷つきやすく、汚れの付着も目立ちます。一方、セラミックは強度が高く、そう簡単に傷つくことはありません。汚れも付着しにくく、歯周病のリスクも低下させることができます。

■経年的な劣化が起こらない
セラミックは、極めて安定した材料です。経年的な劣化はほぼ起こらないので、使用していく中での変色や変性も生じません。いつまでも白くて美しい状態を維持するのは、難しいことではありません。

■身体に優しい
オールセラミックのように、陶材のみを使用した治療では、金属アレルギーのリスクがゼロとなります。金属イオンが溶け出すことがなく、歯茎にメタルタトゥーが生じることもありません。そのためセラミックは、生体安全性にも優れた歯科材料といえます。

銀歯を白くするデメリット

■費用が高い
銀歯をセラミックなどの審美材料で白くする場合は、基本的に保険が適用されません。治療にかかる費用が全額自己負担となることから、銀歯よりも出費がかさみます。

■硬いけれど割れやすい
セラミックには「割れやすい」という特徴があります。もちろん、セラミックは非常に硬い材料なので、普通に生活している上で割れることはありません。けれども、陶器のお皿と同様、極めて強い力がかかるとあっさり割れてしまいます。修理するのも困難です。

■歯ぎしりがあるとNG
「割れやすい」というデメリットに関連がすることですが、歯ぎしりや食いしばり、歯をカチカチと合わせる癖がある人は、セラミック治療が向きません。こうした歯列接触癖では、ものすごく強い力が人工歯にかかるからです。

■咬み合わせが強いとNG
咬み合わせというのは、人によって大きく異なります。上下の歯列の咬合関係によっては、奥歯に過剰な力がかかる場合もあります。そういったケースでは、セラミック治療以外を選択することとなります。

銀歯のメリット

■費用が安い
銀歯の最大のメリットは、安価に製作できるという点です。保険が適用されるので、1~3割負担で作ることができます。経済面を重視するのであれば、第一選択となる治療法です。

▶銀歯を入れる際の費用を詳しく知りたい方は「銀歯の費用はいくら?」の記事をご覧ください。

■強度が高い
銀歯の詰め物や被せ物が「外れる」ことはあっても、セラミックのように「割れる」ということはほとんどありませんよね。これは銀歯の強度が高いためです。高温で鋳造される合金であり、強い衝撃にも耐える能力を備えています。

■奥歯にも使える
セラミックの最大で欠点である「割れやすさ」は、銀歯が克服することができます。強い力がかかりやすい奥歯でも、問題なく装着できます。

銀歯を保険適用で白くする方法

銀歯は、「自由診療でなければ白くできない」と思われがちです。実際は、保険適用で銀歯を白くする方法もあります。

小さな銀歯

歯の一部分だけを補っている小さな銀歯であれば、コンポジットレジンに置き換えることができます。コンポジットレジンは操作性が良く、さまざまな形態の窩洞(むし歯治療によって生じた穴)に充填することができます。保険も適用されます。

大きな銀歯

被せ物、あるいはクラウンと呼ばれる大きな銀歯は、前から4番目と5番目に生えている「第一小臼歯」「第二小臼歯」に、保険診療で白い歯を装着することができます。また、昨今の改正で、「7番目の歯が上下左右4本全て残っていること」に限り、6番目の歯「第一大臼歯」にも保険で白い歯を適用できるようになりました。
その際、使用されるのは「ハイブリッドレジン」です。レジンとセラミックが混合された材料で、レジンよりも美しさはありますが、セラミックよりは強度に劣ります。文字通りレジンとセラミックの中間的な特徴を持った材料です。

銀歯を自由診療で白くする方法

自由診療で銀歯を白くする場合、いくつかの選択肢があります。

オールセラミック

土台も人工歯もすべてセラミックで構成された被せ物です。詰め物にも適応できます。天然歯に最も近い仕上がりが期待できる治療法です。強い衝撃が加わることで、割れる恐れがあります。

ジルコニアセラミック

ジルコニア性の土台に、セラミックを焼き付ける治療法です。オールセラミックの唯一の欠点とも言える「割れやすい」性質を補うことができます。審美性においてはオールセラミックにやや劣るものの、天然歯に近い質感や光沢を再現できます。

フルジルコニア

人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアのみで作られた被せ物です。修復材料としては最も高い強度や安定性を誇り、大きな力がかかる奥歯にも適応できます。歯質を削る量も少なくなります。白くて美しい素材ですが、透明度はそれほど高くありません。

メタルボンド

土台を金属、外側をセラミックで覆った被せ物です。銀歯とオールセラミックの中間的な人工歯と考えてください。費用もオールセラミックよりは安くなります。

硬質レジン

銀歯の詰め物であるメタルインレーを硬質レジンで作られたインレーに置き換えることができます。硬質レジンとは、コンポジットレジンよりも強度が高く、比較的大きな銀歯とも交換することができます。

銀歯を白くする時の治療別費用

銀歯を白くする方法は、保険診療と自由診療とで費用が大きくことなります。特に自由診療に関しては、それぞれの歯科医院が自由に料金を設定できることから、大まかな目安しか紹介することができません。

保険診療の場合

銀歯を保険診療の白い歯に交換する選択肢は、以下の2つです。治療部位によって費用は異なります。いずれも初診料や再診料、歯科疾患管理料なども含めた概算費用を記載しています。

▼治療別費用(保険診療) 

銀歯を白くする時の治療別費用
 

自由診療の場合

銀歯を自由診療で白い歯に交換する場合、以下に挙げるような費用がかかります。

▼治療別費用(自由診療) 

自由診療の場合

これらはあくまで比較的大きな銀歯である「メタルクラウン」を白い歯に取り換える際の費用です。小さな銀歯に関しては、上記の費用より安くなり、費用の相場はケースバイケースと言えます。

セラミックとプラスチックの違い

ここまで、銀歯を白い歯に交換する選択肢を紹介してきましたが、材料学的にはセラミックとプラスチック(レジン)の2つに分けることができます。ここではそれぞれの特徴をかんたんに解説します。

セラミック

■強度が高い
セラミック材料は、強度が高いです。レジンのように、ちょっとした圧力で欠けたり、噛み合うことで徐々に摩耗したりすることはありません。ただし、強い衝撃で割れることはあります。

■透明度が高い
天然の歯質を再現する上で「透明度」は極めて重要なポイントとなります。私たちの歯の再外層を覆っているエナメル質は、半透明な組織だからです。その点、セラミックは透明度が高く、審美材料としてはこの上なく優れていると言えます。

■安定性が高い
セラミックは、熱刺激などを受けても、変化することがありません。安定性が高いので、いつまでも白くて美しい状態を保つことができるのです。

■汚れがつきにくい
銀歯やレジンは、比較的汚れが付着しやすい材料です。それは人工歯の表面に傷が付きやすいからです。一方、セラミックは傷つくことがほとんどなく、汚れも付着しにくい材料といえます。衛生面に優れ、虫歯や歯周病のリスクも低い治療法と言えます。

プラスチック(レジン)

■操作性が高い
コンポジットレジン充填は、ペースト状の材料を光で硬化させる治療法です。いろいろな形の窩洞(虫歯治療によって生じた穴)に適応できる、操作性の高い材料です。基本的には、その日に治療が完了します。

■再治療が容易
コンポジットレジンで修復した部分にトラブルが生じても、容易に再治療することができます。摩耗や変色程度のトラブルであれば、コンポジットレジンを少し削って、新たに充填するだけで治療が完了します。

■経年的に劣化する
レジンはセラミックほど安定性が高くないので、経年的な劣化は避けられません。使い続けていく中で、変色や摩耗、破折などが起こります。

■審美性に劣る
レジンにもいろいろな種類があり、患者さんそれぞれの歯の色に近づけることはできますが、セラミックには審美性で劣ります。透明度が低いだけでなく、質感や光沢においてもセラミックほど再現性が高くないからです。

まとめ

このように、銀歯を白くする方法は多岐に渡ります。材料によって費用も大きく異なるので、治療選択の際には慎重する検討する必要があります。とりわけ自由診療で銀歯を白い歯に交換する場合は、信頼のできる歯医者さんに相談することが大切です。

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■歯冠修復、欠損補綴(虫歯)治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/mushiba-interview
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【コラム監修歯科医師】
岡本歯科医院 院長 岡本徹先生
▼医院について
Teech掲載ページ:https://teech.jp/hospital/658
医院ホームページ:https://www.okamoto-d.net
 〒146-0091 東京都大田区鵜の木2-15-19
▼経歴
1986年 東京医科歯科大学 歯学部 卒業
2011年 公益社団法人東京都大田区大森歯科医師会 初代会長
2015年 岡本歯科医院 院長就任
▼役職
東京都歯科医師連盟 専務理事
公益社団法人東京都大田区大森歯科医師会 監事
全日本歯科医師剣道連盟 理事長
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【コラム執筆歯科医師】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

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