歯周病はどうやって治す?どれくらいの期間で治るの?
歯周病の症状が出ていて困っているけれど、なかなか歯医者さんに行く気にならない、という方もいらっしゃることかと思います。おそらくそれは、どのような治療を行って、どのくらいの期間かかるのが歯周病治療なのか、よくわかっていないことも関係していることでしょう。ここではそんな歯周病治療の内容や治療にかかる期間についてわかりやすく解説します。
▼歯周基本治療から始める
病気の進行度にかかわらず、歯周病では原則的に「歯周基本治療」から始めることとなります。歯周基本治療では、歯周病菌の温床となる歯垢や歯石を取り除き、口腔内をきれいな状態に保つことを主な目的とします。
具体的には、歯のクリーニングである「PMTC」に始まり、歯石を除去するスケーリングなどを実施していきます。それに加えてブラッシング指導を行うことによって、患者さんが正しいオーラルケアを実践できるようにします。
▼治療にかかる期間はどのくらい?
上述したように、歯周基本治療というのは歯周病菌自体を薬剤などで死滅させるわけではなく、繁殖しにくい環境を整えていく作業であることから、数日や数週間で劇的に改善するということはあまりありません。適切なセルフケアとプロフェショナルケアを両立させながら病変が消退していくよう努めます。そうして歯茎の腫れや歯磨き後の出血などがなくなるまでには、数ヶ月の期間がかかることも珍しくありません。比較的軽度の歯周病であれば、数週間の期間で良くなることもあります。
▼重度の歯周病には外科処置が必要
歯周基本治療を行っても一向に症状が改善しないような場合は、「歯周外科」と呼ばれる処置が必要となります。「外科」という名前がついているだけあって、歯茎をメスで切開するなど、体への負担が大きい処置を伴うこととなります。最も一般的な歯周外科処置は「フラップ手術」です。深い歯周ポケットの中に形成された歯石を除去するために、歯茎を切開します。そうして外科的に歯根面を清掃することで、細菌が繁殖しにくい環境を整えるのです。
▼溶かされた骨を再生する治療法
重度の歯周病では、顎の骨にまで炎症が広がります。すると、歯を支えている歯槽骨が溶かされ、歯がぐらぐらと揺れ動くようになるのです。そうしたケースに対しては、歯周組織再生療法が適応されることもあります。これもまた歯周外科治療のひとつといえます。
▼まとめ
このように、歯周病の治療は歯周病菌の住みかとなる歯垢や歯石を除去することが主目的となります。病状が進行するほど治りも遅くなり、必要となる処置も増えてくることから、できる限り早期に治療を開始した方が良いといえるでしょう。
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
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長崎大学歯学部歯学科卒業