歯磨きすると歯茎から出血!これは歯周病?
歯茎というのは、とてもデリケートな組織なので、何らかの刺激が加わることで腫れたり、出血したりすることもあります。例えば、硬いものを食べて歯茎を傷付けてしまった経験は誰にでも一度はあるものですよね。ただ、「ブラッシング後の出血」となると歯周病が疑われます。
▼なぜ出血するの?
普通に生活をしていて、お口の中で出血が起こるということは、まずありませんよね。それだけに、歯磨きの後に歯茎から出血したら、不安になってしまう方も少なくないことかと思います。確かに、白血病など一部の全身疾患では、歯茎から容易に出血が起こるようになることから、その原因をしっかりと突き止めることは重要といえます。そこでまず知りたいと思うのは「なぜ歯周病では歯茎からの出血が起こるのか」という点ですよね。
▼歯茎に炎症が生じている
歯周病は細菌感染症の一種です。ジンジバリス菌に代表される歯周病菌が歯茎を始めとした歯周組織に感染し、炎症を引き起こします。すると、歯茎がブヨブヨに腫れてしまい、ちょっとした刺激を加えただけでも傷付き、出血を起こすようになるのです。
とはいえ、歯茎からの出血自体はそれほど深刻な症状ではないので、過剰に反応する必要はありません。もちろん、歯茎からの出血が認められる時点で健全な状態ではないのですが、出血が怖くて歯磨きを控えてしまうと、症状がさらに悪化していきます。
▼出血があっても歯磨きはするべき
出血が認められるということは、そこに傷口があるわけで、普通はできる限り安静にしようと努めますよね。けれども、歯茎に触れることが怖くなって、その部位のブラッシングが不十分になると、歯周病の原因となっている歯垢や歯石はさらに蓄積していきます。そうすることで歯周病はさらに悪化していくのです。そのため、歯茎からの出血があるからといって、歯磨きを控えるようなことだけはやめるべきといえます。
▼歯医者さんに相談するのが一番
とはいえ、出血があるのに歯をゴシゴシ洗うのはためらわれるものですよね。ですから、歯茎からの出血に気付いた時点で、歯医者さんに一度診てもらいましょう。そもそもそれが本当に歯周病によるものなのかも含め、正しい診断を下してもらう必要があります。歯医者さんでは、歯周病患者さんの正しいブラッシング法についてもきちんと教えてくれますよ。
▼まとめ
このように、歯磨き後の歯茎からの出血は、その背景に歯周病が潜んでいる可能性が高いですので、可能な限り早く歯科を受診しましょう。
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
【コラム執筆歯科医師の紹介】
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長崎大学歯学部歯学科卒業