子供にキスや口移しをすると虫歯・歯周病になるの?
虫歯や歯周病が感染症の一種であるということは、もう皆さんもご存知ですよね。虫歯菌や歯周病菌がお口の中で感染を引き起こし、それぞれの病気を発症させます。そこで気になるのが「感染経路」ですよね。例えば子供にキスや口移しをすることで、虫歯や歯周病がうつってしまわないか、心配されている親御さまも少なくないかと思います。
▼唾液を介して感染する
結論からいうと、虫歯や歯周病はキスや口移しによって感染が広がります。つまり、これらの病気は唾液を介してうつるといえるのです。そのため、子供が初めて虫歯菌や歯周病菌に感染するのは、家族が原因であるケースがほとんどといえます。とくに虫歯に関しては、歯が生えてくる時期にキスや口移しをすることで感染が生じることが多いです。
▼子供とはスキンシップを控えるべき?
虫歯が唾液によって感染するとなると、子供とのスキンシップを控えた方が良いように思えますよね。実際、虫歯菌への感染リスクが上昇する期間は、キスや口移しを控えた方が良いといえます。具体的には、1歳半から2歳半までの1年間は「感染の窓」が開く時期であり、この期間に子供とのスキンシップを控えることで、虫歯菌への感染リスクを大幅に減らすことが可能です。
▼家族も虫歯にならないことが大切
子供をむし歯にさせないためには、感染の窓が開く期間にスキンシップを控えることが有効ですが、感染源となるご家族全員が虫歯にならないことも大切です。逆に、家族みんなが健康で、お口の中の虫歯菌もほとんど存在していないような状態であれば、キスをしても感染が拡大するリスクも減少するからです。
▼歯磨きをしなくても虫歯にならない人がいる
おそらく、皆さんの身の回りにもあまり虫歯にならない人がいますよね。そうした人は、お口の中に虫歯菌が生息していないか、その数が極めて少ないため、歯磨きをしなくても虫歯を発症することがないのです。これは感染の窓が開く時期に、虫歯菌への感染を免れた人であるといわれています。つまり、乳歯が生えそろう時期に頑張って虫歯予防を徹底すると、その後の人生で虫歯に悩まされることもなくなるかもしれないのです。
▼まとめ
このように、虫歯や歯周病はキスや口移しでうつることがありますので注意しましょう。小さなお子さまのお口の健康は、ご家族の意識や行動によって大きく左右されるものです。
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
【コラム執筆歯科医師の紹介】
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長崎大学歯学部歯学科卒業