子どもは小児歯科専門に行かせた方がいいの?
子どもに虫歯ができたとき、皆さんならどの診療科を受診させますか?もしかしたら「一般歯科」を選ぶ方が多いかもしれませんが、基本的には「小児歯科」専門の歯科医院がおすすめです。なぜなら、小児歯科というのは文字通り子どもの歯科治療を専門とする診療科だからです。
▼大人の歯科治療と何が違うの?
小児歯科は、子どもの歯科治療を得意とする歯医者さんが診療に当たっていますが、そもそも子どもと大人の歯科治療に、どんな違いがあるのか知りたいですよね。実際、子どもと大人ではいろいろな点に違いが見られるのですが、まずは歯やお口の中の環境について考えてみましょう。
▼乳歯と永久歯の違い
子どもの歯である乳歯と、大人の歯である永久歯は、歯質の厚みや成熟度などが異なるため、虫歯のリスクや進行度にも大きな違いがあるといえます。そうした違いは、虫歯治療を行う上でも重要となります。例えば、永久歯であれば少し削ってレジン(白い歯科用プラスチック)を詰めればよい場合でも、乳歯ではもう少し大掛かりな処置を施さなければすぐに再発して、さらなる重症化を招いてしまうことも珍しくないからです。
▼口腔周囲が発育途中にある
私たち大人は、もうすでに顎の骨の発育も終わっていることから、骨格などが大きく変化するようなこともありません。ですから、虫歯治療や矯正治療を行うにしても、今ある口腔環境を前提として治療方針を決めることができるのです。
一方、子どもは歯や顎の骨、口腔周囲の組織が発育途中にあるため、将来のことを見据えながら治療を進めていかなければならないのです。その際、子どもの歯や顎がどのように発育するということだけではなく、それぞれのケースに応じて最適といえる治療方法を提案できる知識と経験が不可欠となってきます。これは小児歯科専門の歯医者さんだからこそ持っている素養といえますよね。
▼一般歯科にも子どもの治療が得意な先生がいる
小児歯科で診療にあたっている歯医者さんは、間違いなく小児歯科治療に詳しいといえます。ですので、子どもの歯科治療は基本的に小児歯科に任せた方が良いといえますが、一般歯科であっても、そうした素養を持つ歯医者さん(小児歯科専門医など)が診療していることもあります。そのため、「子どもは絶対に小児歯科専門の歯医者さんに通わせなければならない」というわけでもないことも知っておいてください。子供を一般歯科に通わせてはいけないというルールも存在していませんのでご安心ください。
▼まとめ
このように、小児歯科は子どもの歯科治療を専門とした診療科ですので、お子さまの虫歯やお口の中の異常にお悩みの際は、小児歯科専門の歯医者さんを受診することをおすすめします。
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■小児歯科の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/syonishika-interview
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
【コラム執筆歯科医師の紹介】
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長崎大学歯学部歯学科卒業