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予防治療 2021/02/11

正しい歯磨きの持ち方とは?歯磨きの方法から歯ブラシの選び方まで

正しい歯磨きの持ち方とは?歯磨きの方法から歯ブラシの選び方まで

厚生労働省がおこなった歯科疾患実態調査では、歯ブラシの使用状況について95.6%の人が「毎日歯を磨く」、さらに77%の人が「毎日2回以上磨く」と回答しています。
このように歯磨きは“当たり前の習慣”として私たちの生活に定着している一方で、いまだ繰り返す虫歯や歯周病に悩まされる人が後を絶たないのも事実です。その要因のひとつに「歯磨きはしていても、実際には汚れ(プラーク)が落とせていない」という点が考えられます。
そこで今回は虫歯・歯周病の予防の基本となる歯磨きについて、歯ブラシの選び方や持ち方、さらに正しい磨き方まで詳しく解説していきましょう。(※1)

※1: 「平成28年度 歯科疾患実態調査結果の概要」(厚生労働省)

歯磨きのブラシの選び方

歯磨きのブラシの選び方

「食を願わば器物」ということわざにあるように、正しい歯磨きではまず自身のお口にフィットし、汚れをきちんと落とせる歯ブラシを的確に選ぶことが大切です。ここでは歯ブラシを選ぶ際のポイントについてご紹介していきます。

歯ブラシの構造と各パーツの選び方のポイント

歯ブラシは「ヘッド」「ネック」「ハンドル」の大きく3つのパーツから構成され、ヘッド部分に実際に汚れを落とす「ブラシ」が取りつけられています。このうち歯ブラシを選ぶ際に注目したいのは「ヘッドの大きさ」「ブラシの材質と硬さ」、そして「ネックの形」の3点です。ではそれぞれについて、以下に詳しく解説していきましょう。

ヘッドの大きさ
ヘッドは実際にお口の中に入る部分で、大きさがコンパクトなほど小回りが利いて歯が磨きやすくなります。目安としては幅が1cm、長さが2cm程度で、これ以上大きなものになると、奥の方にブラシが届きにくく、さらに狭いすき間の磨き残しも多くなるので注意しましょう。
ただし、歯ブラシのヘッドは小さいほど細かい部分が磨きやすくなる一方で、すべての歯を磨ききるまでに時間と労力がかかるほか、ブラシに力が集中して歯を傷めやすくなります。「磨きやすい」という理由から大人でも子ども用歯ブラシを愛用する方も少なくありませんが、小さすぎるヘッドには以上のようなデメリットがあることも理解しておくことが大切です。

■ブラシの材質と硬さ
歯ブラシのブラシに使われる材質としては、「ナイロン」と「飽和ポリエステル樹脂(PBT)」の2種類があります。なかでも市販品に広く用いられるのはナイロンで、おそらく多くの方がナイロン製の歯ブラシをお使いになっていると思います。ナイロンには毛が丈夫で切れにくく、さらに細菌が繁殖しにくいというメリットがあります。
一方の飽和ポリエステル樹脂のブラシはしなやかさとコシをあわせ持つほか、ナイロンよりも耐久性があることから、近年は歯科専売の歯ブラシに広く用いられています。
また飽和ポリエステル樹脂は速乾性があることから、ブラシの衛生面にも優れています。ナイロン製よりも価格はやや高めですが、使いやすさや長持ちしやすい点をふまえると、ブラシの材質としては飽和ポリエステル樹脂のほうがよりおすすめといえます。
次にブラシの硬さについてですが、歯や歯ぐきにとくに問題がない場合は「ふつう」または「ミディアム」の硬さのものを選びます。汚れが落ちやすいという理由から「かため」のブラシを好む方も少なくありませんが、硬いブラシは知らず知らずのうちに歯や歯ぐきを傷めてしまうおそれがあります。
「かため」の歯ブラシはもともと手先の力が弱い高齢者などに向けた製品ですので、通常であれば「ふつう」の硬さのものがおすすめです。
なお、歯ぐきに炎症や出血がみられる場合や、抜歯・インプラントなどの外科治療後の歯磨きでは、歯ぐきが元の状態になるまで「やわらかめ」のブラシで磨きましょう。

■ネックの形
ネックの形状には、ヘッドとハンドルを真っ直ぐにつなぐ「ストレートタイプ」と、ネックが少し湾曲した「カーブタイプ」の2種類があります。
ストレートタイプには挿入角度を工夫することで、歯面のどの部位にも的確にブラシが当てやすいというメリットがあります。ブラシは歯面に対して直角に当てると汚れ落ちがよくなりますが、ストレートタイプはネックを歯面に平行にすることでその角度が維持しやすくなります。したがって基本的にはストレートタイプの歯ブラシがおすすめです。
一方のカーブタイプには、ブラシに伝わる力を弱くするというメリットがあります。歯磨きの際につい力を入れてしまいがちな方は、カーブタイプの歯ブラシを選ぶとよいでしょう。

歯磨きのブラシの交換時期について

歯ブラシは衛生面を考えると、最低でも1ヶ月に1回のペースで新しいものと交換するのが理想的です。なお1ヶ月に満たない場合でも、ブラシがヘッドからはみ出すぐらい広がったら新品と交換しましょう。

歯磨きのブラシの持ち方

歯磨きのブラシの持ち方

歯ブラシの持ち方には「ペングリップ」と「パームグリップ」の2つがあります。それぞれの特徴について、以下に詳しくご紹介しましょう。

ペングリップ

ペングリップとはその名のとおり、ペンや鉛筆を握る持ち方です。この持ち方はブラシに細かい動きを加えてすみずみまで磨くのに適していることから、一般的に歯ブラシの持ち方はこのペングリップが推奨されています。
またペングリップは磨く力をコントロールしやすく、歯に余計な力が加わりにくいため、歯磨きに力を入れすぎてしまう方にもおすすめです。

パームグリップ

パームグリップは手のひら(パーム)にハンドルを乗せて、そのまま握る持ち方です。歯ブラシに力が入りやすいため通常はペングリップが推奨されますが、力の弱いお子さまや高齢者の場合はパームグリップのほうが磨きやすくなります。
また磨く場所によってパームグリップのほうが磨きやすい場合は、力加減に気をつけながらペングリップと併用してもよいでしょう。

歯磨きの方法

歯磨きの方法

自分に適した歯ブラシと、その正しい持ち方を習得したら、次に以下のポイントに注意しながら歯を丁寧に磨いていきましょう。

歯ブラシの当て方・動かし方のポイント

歯面の汚れを効率よく落とす一番のポイントは、ブラシ面を歯面に対して直角(90度)に当てることです。歯の表面は丸みを帯びているため、その都度ヘッドの角度を変えながらブラシが直角になるように意識しましょう。慣れないうちは鏡を見ながら歯磨きをおこなうと、そのコツがつかみやすくなります。
また歯と歯ぐきの境界については、ブラシを少し傾けて(歯面に対し45度程度)磨くと、歯ぐきを傷めずに歯を磨くことができます。
ブラシを正しく歯面に当てたら、次はブラシを細かく振動させて汚れを落としていきます。歯には凹凸があるため、ノコギリのように横に大きくゴシゴシ動かすと、細かいすき間に汚れが残ってしまうため注意しましょう。ヘッドの長さ分ほど小刻みに動かしながら、1~2本ずつ丁寧に磨くのがポイントです。
歯ブラシに加える適切な圧力は100g〜200g程度といわれています。これはブラシがほんの少ししなる程度の力です。ブラシ圧が気になる方は、調理用のはかりで100g〜200gがどの程度の力かを一度測ってみるとよいでしょう。想像よりも弱い力なので物足りなさを感じる方もいらっしゃいますが、通常の歯ブラシであればこのぐらいの力で十分に汚れを落とすことが可能です。
反対にこれよりも強い力を加えてしまうと、歯や歯ぐきを傷めてしまうおそれがあるため注意してください。

プラーク(歯垢)のつきやすいところを重点的に

プラークは歯の全面に付着しますが、とくに磨き残しが多くなるのが「噛む面の溝」「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境目」です。この3か所はいずれも虫歯の好発部位(なりやすい部位)であり、この3か所をとくに重点的に磨くよう心がけましょう。

位置によって異なる磨き方のポイント

お口の中には歯の裏側や歯と歯の間のデコボコした部分など、歯ブラシが当てづらい部位も多く存在しています。このような部位については、ブラシ面を「つま先」「わき」「かかと」の3つにわけて使いわけるのがポイントです。
まずブラシ面の「つま先」は奥歯の細かいすき間汚れを落とすのに適しています。具体的には奥歯の溝、歯と歯の間、一番奥の歯の後ろです。次にブラシ面の「わき」は、歯と歯ぐきの境目、または歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」のすき間汚れを落とすのに最適です。
さらにブラシ面の「かかと」は前歯の裏側を磨く際に歯ブラシを縦にして当てると、汚れが落としやすくなります。以上のように歯ブラシのブラシ面はそれぞれに得意とする部位があるため、自身で工夫しながら磨き残しを減らしていきましょう。

歯磨き中に血ができたら?

歯磨きでは歯を磨いた後の歯ブラシに血がついたり、吐きだしたものの中に血が混じったりすることもしばしば起こります。ここでは歯磨き中の出血の原因や対処法などをご紹介しましょう。

歯ぐきからの出血する原因

歯磨きをした際に歯ぐきから出血する原因は大きく2つあります。
まず1つめは歯ぐきの炎症です。歯周病で歯ぐきに炎症が起こると、わずかな刺激を加えただけでも歯ぐきからの出血が起こりやすくなります。歯ぐきに痛みがない場合はそのまま歯を磨いて問題はありませんが、できるだけ早めに歯科医院で適切な処置を受けることが重要です。
2つめは歯磨きの際の力加減です。歯ぐきに腫れや赤みがみられないのに出血がある場合は、必要以上に強い力で歯を磨いている可能性が高いでしょう。このようなケースでは出血だけでなく、歯ぐきに痛みをともないやすくなります。
そのまま歯磨きを続けると、さらに歯や歯ぐきを傷めてしまうおそれがあるため、力加減を弱めるか、歯科医院で一度ブラッシング指導を受けることをおすすめします。

歯ぐきが腫れているときのブラッシング方法

歯周病で歯ぐきが腫れていている時は、多くのケースで歯磨き中に歯ぐきからの出血がみられます。痛みをともなわない場合はそのまま歯を磨いても問題はありませんが、力加減には十分注意しましょう。
基本的に歯ぐきが腫れている場合は「やわらかめ」の歯ブラシに変えて、歯ぐきを優しくマッサージしながら磨くのがおすすめです。歯周病でも初期にあたる歯肉炎であれば、正しい方法で歯磨きを1週間程度おこなえば、歯ぐきの腫れも自然に治まります。ただし自己判断は禁物ですので、必ず歯科医院で適切な処置を受けましょう。
抜歯やインプラント手術後に歯ぐきが腫れているケースでは、患部を刺激すると逆効果になるため注意が必要です。このようなケースで歯ぐきが腫れている場合は、その部位に歯ブラシを当てるのはしばらく避け、うがいなどで患部を清潔に保つよう心がけてください。歯磨きをはじめるタイミングについては、歯科医によく相談しましょう。

まとめ

歯磨きはただ“なんとなく”磨いただけでは、付着した汚れ(プラーク)をきちんと落とすことはできません。まずは自分のお口に適した歯ブラシを選び、次に正しい持ち方、磨き方を身につけることが肝心です。正しい歯磨きは虫歯や歯周病だけでなく、口臭の予防にも効果的ですのでぜひ上記を参考に実践してみてください。

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■他の予防歯科のコラム:https://teech.jp/column/yobotiryo
■予防歯科の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/yobotiryo-interview
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【コラム執筆・監修者の紹介】 
影向 美樹
歯科医師免許取得後、横浜・京都の歯科医院にて10年ほど歯科医として勤務。現在は歯科分野を中心とした医療系Webライターとして活動中。

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