インプラントと入れ歯の違いは?費用は?どちらを選択すればいいの?
虫歯や歯周病などの病気、あるいは外傷などによって歯を失った場合、何らかの方法で欠損部を補わなければなりません。専門的に「補綴治療(ほてつちりょう)」と呼ばれるものですね。その際、選択肢として挙げられるのがインプラントと入れ歯ですが、果たしてどちらが適した治療法なのでしょうか?
▼何を優先するかで適した治療法も変わる
はじめに、すべてのケースにおいて最良といえる治療法は存在しないということを知っておいてください。どんなに優れた治療法にも必ずデメリットや欠点というものが存在するからです。そこで意識しなければならないのが優先順位です。
▼経済性重視なら「入れ歯治療」
歯科治療にはいろいろな要素が絡んできますが、何よりも経済性を重視するのであれば「入れ歯治療」が適しています。なぜなら、一般的な入れ歯治療は保険適用されるからです。例えば、自費診療で入れ歯を作ったとしてもインプラント治療より費用が安いことが多いです。
▼機能性や審美性重視なら「インプラント治療」
インプラント治療は、機能性や審美性に優れた歯科治療です。噛み心地だけではなく、見た目も限りなく天然歯に近い状態まで回復させることができます。これはインプラント治療に「人工歯根」の埋入という特別な処置が含まれているからです。入れ歯には、歯の頭の部分に相当する歯冠(しかん)しか存在していないため、機能性や審美性においてインプラントの方が適しています。
▼治療期間はどっちが短い?
一般的な入れ歯は、1~2ヵ月で治療を終えることができます。手の込んだ自費診療の入れ歯ともなると、もう少し長い治療期間を要することもありますが、インプラント治療と比べると、明らかに短いといえます。ちなみに、標準的なインプラント治療は半年以上の治療期間がかかるものだとお考えください。
▼体への負担が大きいのはどっち?
体への負担が大きいのは、インプラントです。インプラントには必ず「インプラントオペ」という外科手術が必要となることから身体的負担がかかりますが、医科で行われるような手術ほど大がかりではないため、それほど心配する必要はないといえます。
▼まとめ
このように、インプラントと入れ歯を比較すると、インプラントの方が機能性や審美性において優れた点がありますが、費用面・治療期間などを考慮すると絶対的な評価を下すことは難しいです。そのため、インプラントか入れ歯かどちらの治療にするか迷われている方はまず歯医者さんに相談するようにしましょう。カウンセリングを受けるだけでも、治療の選択がしやすくなるかと思います。
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(このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています)
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長崎大学歯学部歯学科卒業