高澤歯科医院

当院では、可能な限り歯を削らず、自然な歯を残すことを重視するMI（ミニマル・インターベンション）治療を採用しています。この考え方は、国際歯科連盟が2000年に提唱した新しい治療概念で、虫歯治療において「最小限の侵襲（しんしゅう）」を実現することを目的としています。

以前の治療では、予防的な目的から小さな虫歯でも広範囲を削らなければならないケースが一般的でした。しかし、MI治療では、虫歯の部分だけを最小限に削り、健康な歯をできるだけ残すことを基本としています。また、無理に治療を繰り返すのではなく、可能な範囲で歯を修復して寿命を延ばす「リペアー（修理）」を重視する方針です。このアプローチにより、患者様の天然歯を長期間維持することが期待できます。

MI治療のもう一つのメリットは、歯への負担を減らせる点です。削る範囲が少なくなることで、痛みを軽減し、治療後の歯の強度も保つことができます。また、当院では、治療前に十分な説明を行い、患者様にご理解とご納得をいただいた上で治療を進めます。治療時には専門的な機器や技術を駆使し、可能な限り快適な治療を提供しています。

虫歯は進行する前に適切に治療することが重要です。早期治療とMI治療を組み合わせることで、健康な歯をできるだけ長く保つことができます。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立て、快適で満足度の高い治療を目指しています。

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯を支える歯茎や歯槽骨（顎の骨）を徐々に破壊していく病気です。成人の約80%が歯周病に罹患していると言われていますが、自覚症状が少ないため、自分が歯周病だと気づいていない人がほとんどです。虫歯のように痛みのサインがあるわけではなく、歯周病は「静かな病気」とも呼ばれ、気づいた時には病状が進行していることが多いのが特徴です。進行がひどい場合、歯を失う原因になるだけでなく、糖尿病や心血管疾患など多くの全身疾患との関連も指摘されています。

歯周病予防には、毎日の正しいブラッシングが欠かせませんが、歯磨きだけでは歯垢や歯石を完全に取り除くことは困難です。そのため、歯科医院での定期的なメンテナンスや専門的なクリーニングが必要です。当院では、歯周病の予防と進行を食い止めるために、精密な検査と一人ひとりに合わせた治療を行っています。歯周ポケットの測定やレントゲン検査などで現状を詳しく把握し、その結果に基づいた個別の治療計画を作成します。

治療は通常、歯周病の進行度に応じて数回に分けて行われます。初期段階では、歯垢や歯石を除去するスケーリングやルートプレーニングを中心とした基本治療を実施します。進行したケースでは、歯周外科治療を検討する場合もあります。また、治療後の生活習慣改善のため、ブラッシング方法や食生活に関する指導も行い、患者様と二人三脚で健康な口腔環境の維持を目指します。

歯周病は予防と早期治療が大切です。当院では、歯周病に対応する総合的なケアを提供し、健康な歯と歯茎を守るお手伝いをいたします。