なかつか歯科矯正歯科クリニック

矯正治療は、「一期治療」と「二期治療」の2つの段階に分けられます。
一期治療は、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行う小児矯正で、主に成長期の子どもを対象としています。この時期には、上下の顎の成長をコントロールしたり、指しゃぶりや舌の癖といった習慣の改善を図ることが目的となります。また、将来生えてくる永久歯のためのスペースを確保するために、顎の幅を広げる処置も行います。

なお、受け口などの特定の症状においては、より早い段階での治療が望ましいとされるケースもあります。治療にかかる期間は開始年齢によって異なりますが、おおよそ2年から5年ほどで、通院回数は24回から60回程度が目安です。基本的には月に1度の通院が一般的ですが、症状の進行や改善の状況によっては、2〜3か月に1回となる場合もあります。

一期治療の終了後、すべての永久歯が正しく生え揃い、咬み合わせに問題がなければ治療は終了します。しかしながら、一期治療だけでは十分な改善が得られなかった場合には、より精密な調整を行う二期治療へと進むことがあります。二期治療では、大人の矯正治療と同様の矯正装置を用いて、歯の位置や角度を細かく調整し、歯並びを整えていきます。

早期に一期治療を行うことで、歯列の将来的なトラブルを予防できるだけでなく、永久歯がきれいに並ぶスペースを確保することが可能です。結果として、抜歯のリスクを減らせたり、二期治療を短期間で終えることにつながる場合もあります。こうした理由から、子どもの矯正は早い段階から適切に取り組むことが大切です。

大人の矯正治療は、すべての永久歯が生えそろった段階で始める治療で、主にマルチブラケット装置を用いて歯並びを整えていきます。顎の骨がしっかりしていれば、40代以降の方でも治療を受けることが可能です。必要に応じて抜歯を行う場合もありますが、すべてのケースで抜歯が必要になるわけではなく、歯や骨の状態に応じて判断されます。

治療にかかる期間はおおよそ2〜3年で、月に1度の通院が必要です。矯正が完了した後は、歯が元の位置に戻ろうとする“後戻り”が起こりやすいため、さらに2〜3年ほどの「保定期間」が設けられます。この期間中は、保定装置を使って歯の周囲の骨を安定させていきます。

大人の矯正治療は、見た目の改善だけでなく、歯や身体全体の健康にも良い影響を与えます。歯並びが乱れていると、虫歯や歯周病のリスクが高まったり、噛み合わせの悪さから胃腸への負担が増したりすることがあります。また、顎関節症を引き起こす要因にもなり得ます。健康的な生活を維持するうえで、矯正治療はとても大切な役割を果たします。目立ちやすい前歯だけでなく、奥歯の歯並びに問題があるケースも多いため、気になる方は早めのご相談をおすすめします。