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インプラント治療 2020/10/04

インプラント治療の仮歯の重要性

歯科治療では、最終的な被せ物を製作するまでの間に「仮歯」を装着することが多いです。これはインプラントも例外ではありません。
特にインプラントは、失った歯を人工根と人工歯で補う治療だけに、仮歯が担う役割も大きくなります。ここではそんなインプラント治療における仮歯の重要性や注意点についてわかりやすく解説します。

インプラント治療の中でいつ仮歯をつける?

一般的な歯科治療では、歯を削るなどの処置を施したあと、すぐに仮歯を装着します。一方、インプラントの仮歯装着のタイミングは、少し異なります。インプラント治療には、人工歯根の埋入というプロセスがあるからです。ここでは、インプラントの2回法を想定した仮歯をつけるタイミングをご紹介します。

インプラント治療の流れ

このように、インプラント治療における仮歯の装着は、二次手術でアバットメント(インプラント体と上部構造を繋ぐ部位)を装着した後となります。インプラントの埋入と同時にアバットメントを装着し、仮歯までつける治療法もありますが、骨の状態が良好である一部の症例に限られます。今現在は、上記のタイミングが主流といえます。

▶インプラント治療の流れを詳しく知りたい方は「インプラント治療の流れ」をご覧ください。

インプラント治療における仮歯の役割

人工歯根が安定し、仮歯をつけられる状態になったのなら、すぐに上部構造を作った方が効率的である気がしますよね。その方が治療期間も短くなるため、仮歯なんていらないのでは?と疑問に思われる方もいらっしゃることでしょう。けれども、インプラント治療における仮歯というのは、極めて重要な役割を担っており、そのプロセスを安易に省略することはできないのです。

歯茎の状態を整える

仮歯は、一次手術から数ヶ月経過した後に装着します。その間、当然ではありますが歯茎の状態は変化します。本来は、歯を囲うように存在していた歯茎が吸収(痩せる)などを起こすからです。そこへ最終的な人工歯である上部構造を装着すると、不自然な仕上がりとなってしまいます。
歯が長く見えたり、アバットメントが露出したりするなど、審美面において大きな問題が生じます。そうしたトラブルを避けるためにも、仮歯の期間を設け、歯茎の状態を整える必要があるのです。

咬み合わせを整える

インプラントを正常に機能させる上で、咬み合わせは非常に重要な要素となります。咬み合わせに異常があると、インプラントへと過剰な圧力が加わり、上部構造の破折や顎骨の炎症などを引き起こすことがあるからです。そのため、仮歯の段階で徐々に全体の咬み合わせを整えていく必要があります。

顎の状態を安定させる

二次手術を行う段階で、人工歯根は顎の骨としっかり結合しています。ただし、通常の咬合圧に耐えうる状態とは言い難いです。例えば、足の骨折が治ってギプスが取れ、松葉杖が必要なくなっても、いきなり全力で走る人はいませんよね。顎の骨も同じで、徐々に負荷を加えていくことが大切です。その上で、仮歯は適切な役割を果たしてくれます。

審美性の維持

仮歯を装着することで、歯列内の欠損が解消されます。最終的な被せ物ほど、美しい人工歯ではありませんが、口元の審美性が大きく低下するのを防ぐことが可能です。

周囲の歯の移動を防ぐ

私たちの歯は、歯列内に隙間があると、それを埋めるように、残っている他の歯が移動を始めます。仮歯は、そうした残存歯の移動を防ぐ役割も果たしてくれます。

患部を守る

インプラントやアバットメントを装着した直後は、「傷口がむき出し」のような状態になっています。そこにさまざまな刺激が加わると、傷口が開いたり、細菌感染を起こしたりすることがあります。仮歯を装着することで患部が保護されるため、そうしたトラブルの防止にもつながります。

仮歯の時の注意点

仮歯を装着している期間には、いくつか注意しなければならない点があります。

食事の性質

仮歯は、あくまで「仮の歯」であることから、天然歯のようにしっかり噛むことはできません。とりわけ仮歯を装着した直後は、歯茎や顎の骨も安定していないため、できるだけ噛まずに飲み込める食事を選んだ方が良いといえます。その後も強く噛まなければならない食べ物や仮歯に粘着するキャラメルやガムなどの食品も避けるようにしましょう。

仮歯の破損・脱落

仮歯は、基本的にレジン(白いプラスチック)で作られています。強い力が加わると、容易に破損することから、あまり負担をかけないようにすることが大切です。
また、インプラントとは仮着用のセメントで結合しているだけなので、強いブラッシング圧がかかると、外れることがあります。天然歯のようにゴシゴシ磨くのではなく、やさしく丁寧にブラッシングするようにしましょう。

取れた仮歯を放置しない

取れたり、外れたりした仮歯は、できるだけ早く歯科を受診して、適切な処置を受けてください。取れた仮歯を放置すると、患部の損傷や歯並び・咬み合わせの乱れを引き起こすことがあります。仮歯は即日作れるものなので、多忙な人でもなんとか時間の合間を縫って、主治医に診てもらいましょう。

仮歯の状態で治療を中断するリスク

仮歯が入ったことに満足して、治療を中断してしまう人もいます。それはとても危険なことなので絶対に避けるようにしましょう。そもそも仮歯というのは、数ヶ月も持つようには作られていません。仮歯に使われるレジンは、すり減りやすく、色調も大きく変化します。

そんな仮歯の状態で治療をやめてしまうと、歯並びや咬み合わせに悪影響が及ぶだけではなく、せっかく埋入したインプラントの脱落を引き起こすことすらあり得るのです。そのため、仮歯はあくまで仮の歯として考え、歯医者さんの指示通りに治療を進めていくことが大切です。

まとめ

このように、インプラント治療において仮歯というのは、軽視されがちではありますが、非常に重要な役割を担っています。
仮歯の時期をどのように過ごすかによって、治療結果も大きく変わりますので十分注意しましょう。ちなみに、仮歯をつけるタイミングや仮歯の期間というのは、ケースによって大きく異なるため、気になる方はまず、歯医者さんに相談しましょう。

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■他のインプラント治療のコラム:https://teech.jp/column/inpurantochiryo
■インプラント治療の歯科医師インタビュー:https://teech.jp/interview/inpurantochiryo-interview
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▼このコラムは歯科医師によって執筆・監修されています▼
【コラム執筆歯科医師の紹介】
運営サイト:「みんなの歯学」https://minna-shigaku.com
長崎大学歯学部歯学科卒業

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